10話『メイドの苦難』
その後私は気絶したオネットを家まで運び、そのまま
ベッドに寝かせる。
「言ってくだされば。私がやりましたのに。」
不服そうにリナーシャは告げる。
普段のぞんざいな扱いを見てリナーシャに任せようと
は思わない。
「大丈夫よ。魔法で浮かせて運んでいるから。
そこまでの負担はないしね?」
「主様は過保護過ぎるんですよ?」
私がやってる事は極々一般的な事だ。
だからこそ文句を言われる筋合いはないのだが。
リナーシャからしたら。長らく仕えてきた自分よりも
優先されるオネットの事が気に食わないのだろう。
それ故にオネットへの当たりが強い。
「心配しなくとも。私は貴女を見捨てたりしない。
私にとって貴女はかけがえのない存在だから。」
そう言って私はリナーシャの頬を優しく撫でる。
「主様。」
恍惚とした表情でリナーシャは告げる。
「あの子は私達の希望となり得る存在。
だからオネットを無闇に傷付けないで。」
「そこまで仰るのなら。仕方ありませんね。」
苦い顔をしながら渋々頷くリナーシャに私は告げる。
「ありがとう。リナ。」
そう優しく微笑むとリナーシャは何故か顔を背ける。
「別にそれくらい構いませんよ。」
顔を背けながら告げるリナーシャに私は思わず
小首を傾げる。
「そう?なら朝食の準備をするから。
手伝って貰えるかしら?」
「わ…分かりました。」
ぎこちない様子のリナーシャを横目に
私は朝食の準備に取り掛かる。
それ故に私は気付かなかった。
その横でリナーシャが悶えていた事を。
「今日も主様が尊い。」
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