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人生思いもよらない事が起こる

掲載日:2023/10/11

 ジャニー喜多川の性加害行為の事件から、ジャニーズ事務所が揺れています。イギリスのBBCのドキュメンタリーをきっかけにして、海外に問題が伝わったのが発端でした。ジャニー喜多川の性加害自体は以前から噂されていました。

 

 正直言って私は、自分の生きている間にジャニーズ帝国が崩壊するなんて想像もしていませんでした。まあ、まだ崩壊というところまでは行っていないですが、少なくともこんな風になるとはまるで想像していませんでした。

 

 私は悲観主義者なので、むしろ逆に予想していました。例えば、今の大学の劣化具合を見ると、そのうち、大学教授が「ジャニーズ学」なんていうのを教えだすのではないかと思っていました。ジャニーズの歴史やジャニーズのグループについて詳しく解説する、それを「学問」と称する、そんな事を始めるんじゃないかと思っていました。

 

 以前に芸人の又吉直樹が芥川賞を取った事がありましたが、その時に(これだったらもう全部、吉本興業とジャニーズでやればいいじゃん)と思いました。総理大臣を櫻井翔にして、そのサポート係としてダウンタウンあたりを入れれば、大衆は喜ぶでしょ、とやさぐれた気分で考えていました。

 

 しかし現実としては、あれほど強固で、絶対に揺らがないように見えていたジャニーズ帝国がぐらぐらと揺れています。崩壊しそうになっています。

 

 日本のメディアは、海外の報道がなければなかった事にしておきたかったでしょう。日本のジャニオタの数は非常に多いので、それが一つの大きな勢力になっています。この勢力の支持があれば、日本での活動は安泰に見えましたが、海外の報道という意外なところから、ジャニーズ帝国には亀裂が入りました。

 

 これらの事を私は全く予想していませんでした。(人生思いもかけない事が起こるんだな)と思いました。

 

 ジャニーズに関してはほとんど興味はないのですが、一つだけ思い出があります。何かの用事で渋谷駅に行った時、若い女性が群がって、駅の近くの壁に向かってパシャパシャとスマートフォンで写真を撮っていました。(何を撮っているんだろう)と不思議に思って見に行ったら、新しくデビューするジャニーズグループの巨大なポスターをみんなで撮影していました。それを見て(おいおい、これ実物じゃなくポスターだぞ)と思いました。

 

 今から考えると、ジャニーズの神格化というのは、日本お得意の人神化というか、人間を神様に祀り上げるというか、そういう類のものなのだなと思いました。

 

 ジャニーズに関しては、歌も踊りもそれなりで、バラエティ番組に出るのがメインの仕事という風な感じです。そのあたりのノウハウはテレビ局とともに培ったのでしょうが、それが日本の若い子には相当有効だったのだろうと思います。

 

 また、日本の映画は、キャストありきで、流行りのタレントやジャニタレを起用して映画を作るのですが、映画の内容自体はいい加減でした。要するに、ジャニーズに限らず、最近の日本が作るエンタメは、作品の内容はいい加減でも、タレントの個人的な人気で売上を得るという方法が常態化していました。

 

 とはいえ、それでも売れればいい、楽しければいい、という形で長らくやってきました。しかし、ジャニーズ帝国が崩壊してしまうと、ジャニタレの人気は落ち、そうなると、ジャニタレの関わった作品もまるで魔法が解けたように、価値のないものになってしまう。そうなってしまうのではないかという気がします。

 

 元々、作品を作品自体として存立させるという事には日本の業界は無頓着だったので、タレントが駄目になれば作品も一緒に駄目になるでしょう。それは仕方ない事だと思います。帝国が崩壊したら、まるで昨日まで夢の世界をさまよっていた人が、急にそれが夢に過ぎないと気づいた、そんな風になるのではないかと予想しています。

 

 ※

 ただ、個人的にはジャニーズはもう一度くらいは盛り返すと思います。株の上がり下がりみたいなもので、もう一度くらいは盛り返すだろうなと予想しています。それでもその後は、全盛期のようには決して戻らない、そんな風に予想しています。

 

 このエッセイで何が言いたかったかと言えば「人生思いもかけない事が起こるな」という事です。大衆が騒いでいる偽物よりも、ちゃんとした本物が最後には残ってほしいなと私は思っています。


 格闘家の魔裟斗が「自分は『本物』を目指してきた。今の格闘界は偽物が多いね」と言っていました。また、魔裟斗は「偽物はすべて消えて本物が残る」と言っていました。どうなるかはわかりませんが、色々なジャンルでそうなってほしいなと私も思っています。

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