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生きる元気と死ぬ勇気  作者: マサムネ
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2020.6

 春の始まりを告げる桜の開花、そんな晴れやかな気分を落ち込ませる雨。まるで僕の心を映してるかのような空に憂鬱になりながら体を起こす。今日は土曜日。何も無い土曜日だ。

 僕は県内の看護学校に通う看護学生だ。いや看護学生だったというべきか。今は休学をしているため半ば引きこもりのような生活をしている。それには理由がある。僕は去年の6月、自分の部屋のベランダから飛び降り自殺をしようとした。前から考えていたわけではない。不意に体が勝手に動いて気付いたら頭から飛び降りていた。あの時のことは今でもはっきり覚えている。ゆっくりと動く時間、走馬灯のように流れる思い出たち、迫る地面。体感としては1分くらいだろうか。気付いたときは足首の痛みとともに芝生に着地していた。自分でも怖かった。命を救う職を志す人間が命を捨てようとしていたことに恐怖し、自己嫌悪に襲われた。なんで飛び降りた?どうして生きてる?どうして死ななかった?ハテナに脳を支配され気付いたら次の日になっていた。

 憂鬱なまま学校に行き、先生に今の心の状態を話した(飛び降りたことは言えなかった)。先生も看護師であるため、これ以上心が沈まないように、自分の似たような経験を織り交ぜながら話をしっかり聴いてくれた。嬉しかった。

 看護学生の3年目には死ぬほど忙しい実習が4月から12月まである。僕もその真っ只中だった。動悸や吐き気、体が出してるSOSを無視し続け7月を迎えた。夏休みまでは頑張ろうと決めてギリギリの体と心で頑張った。頑張ってしまった。

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