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華麗なる作戦失敗

ついにこの時がきた

「ヒロイン成り代わり作戦」を実行に移す時が

この作戦の成否が私の人生のすべてを決めることになる

打倒運命!!!

みてろよ!私は幸せになって見せる!!


「さぁ行くわよメリッサ!運命を壊しにね!」

「…はい」


おう?なんだいメリッサ

そのなにか言いたげな表情は

まぁいいさ!それでは作戦の第一歩を踏み出そう!


「ではいざ出発!」

「お嬢様」


がくっ

なぜ呼び止めるんだいメリッサよ

せっかく気合が入っていたのに


「なにかしら?」

「お嬢様の目的地ですが調べたところ確かに領地内に大きな花畑がありました」


「ええそりゃああるわよ私そこに…」

「歩いて数時間かかりそうですがどうやって行くおつもりですか」


そんなの決まってるじゃない

………どうやっていくのかしら?

え?数時間?

今がお昼過ぎで目的の時間帯は夕暮れ時

そしてそこから数時間かけて戻る?

さすがにバレるわ!!!

メリッサの尽力で屋敷を誰にも気づかれずに抜け出すことには成功してるけど流石に夜遅くに帰宅はまずい

そもそもご飯時に現れないなんて不自然すぎてバレる…

数日ならいけるかもだけど下手したら数か月かかる作戦だから…


「どどどどどうしようメリッサ!!?」

「…何も考えてなかったのですね」


「そうだ!馬車を使いましょ!」

「家から出すとなると使用人にバレますよ。外から雇うのなら内緒な以上費用はお嬢様の自腹になりますが」


「そんなの無理よ…どうすれば…」

まさか私の大作戦が初めの一歩から終わるなんて…

これが運命の強制力…強敵すぎる…


「終わった…私の人生はここで終わるのよ…」

「あの、私が言うのもなんですがもう少し頑張りましょうよ」


「うぇぇええええん!ごめんねメリッサ~こんなことになっちゃって~」

「諦めが早すぎませんか…はぁわかりました。なんとかします」


あなたが神か

救いの救世主メリッサ様よ


「ほんとに!?なんとかできるの!!!?」

「まぁたぶんですが…」


メリッサは腕を上げると指パッチンで音を鳴らした

すると足元に魔法陣が現れ眩い光があふれだした!

かかかか、かっこいぃいいいいいい!なにこれ!


そして光が収まるとそこには馬のような生き物がいた

大きな馬だ

そして黒い炎のようなものを纏い青く光る鬣を持っていた


「おぉ…この子…魔物…?」

「いえ…一応最初は普通の馬だったのですが数十年前に育てて寿命をむかえたあと…なぜかこうなりました」


「へぇ~…魔女の魔力と関係があるのかしら?」

「おそらくですが」


おそるおそる触ってみると感触は割と普通だった

炎も別に熱くないし…見た目以外は馬っぽい?


「見た目以外は普通ね?」

「いえ一応そこら辺の魔物くらいなら容易に蹴り殺しますよ…炎とか吐きますし」


やべぇやつじゃん…めちゃくちゃかっこいい…


「この子に乗っていくの?馬車とかないみたいだけど…私乗馬はできないわよ?」

「私が一緒に乗りますので問題ありません。問題はお嬢様が怖がらないかだけですが」


「む!馬鹿にしたわね!お父様に乗せてもらったことあるんだから乗馬くらいで怖がらないわよ!!」

「いえそうではなく見た目含め普通の馬ではないので怖くはないかと」


「え?この子かっこいいじゃない。別に怖くはないわ」

「さようですか」


「さようです」

「ではこちらにどうぞ」


そうしてメリッサに手を引かれ謎の馬に乗馬

そして一気に目的地に

正直凄く怖かった。だってめっちゃ速いんだもの死ぬかと思ったわ

でもメリッサが防御魔法と認識阻害の魔法を使ってくれたおかげで私は生きてるし周りにもバレることはないのだ

うちのメイドマジ万能

しかし速すぎる、怖すぎる!まだつかないのか!!これだから無駄に広い領地は困るんだ!

帝国からのお客様ということでかなり広い領地をもらってる我がスズノガワ家

だがしかしその実態はいらないものを押し付けられていると言ったほうが正しい

整備されてない土地や収益が見込めない商家…などがこの領地に押し込められてるのだ。この先にある孤児院もその一つ

まったくもう王国マジ許せん

などと現実逃避でいろいろ考えているとどうやら目的地についたらしい


目前に広がる大きな花畑

その美しさに私は感動していた


「わぁ…!とってもきれいね!!」

ヒロインがつい迷い込んでしまうのも頷ける

やっぱり物語が始まる特別な場所だからかすごくいい場所だ


「よし!遠くでしばらく見張るわよ!!」

「見張る…誰かを待っているのですか?」


「うーん、そんなところね…あ!あそこの崖の上なんていいんじゃないかしら?行くわよメリッサ!」

「はい」


そして私は崖の上の高所から花畑をじっと見張った

そして日が暮れた


「なんだかとっても無駄な一日を過ごした気分だわ」

「奇遇ですねお嬢様。私もです」


「いいや無駄なんかじゃないわ!これも必要な事なのよ!そんなんじゃ運命を壊すことなんてできないわよ!気を引き締めなさいメリッサ!」

「はぁ…」


これ以上遅くなると家族にバレてしまうので急いで帰宅

帰りもあの馬…と気分が重くなる…と思いきやメリッサの魔法で即帰宅である

なにやら結界などのない所は場所を記憶することで瞬間移動ができるんだって!

ほんと何でもできるね君ぃ!

結界がないことが条件なので街の中には入れないらしいがそれでも便利だ


そんな日がもう一か月続いただろうか

いまだにイベントは起こっていない

なので今日も今日とて花畑に向かおうとしたときメリッサがうちのカシラのカツラギという男に仕事を頼まれてしまった

家の大事な事なので断らせるわけにもいかず焦る気持ちを抑えながらお兄様と遊んで時間をつぶしていた

そして

その日は行動開始したときにはもう夕暮れ寸前だった


「申し訳ありません…!お嬢様」

「メリッサは悪くないわ!でも急いで~!!」


お願いします今日でありませんように…!!そう願いながら急いで花畑に向かった私の目に飛び込んできた光景に私は思った

神様は私の事嫌いなんだと

そこには一人の小さな女の子と一匹の龍

そしてまばゆい光が辺りを包み込む

私が見た光景はヒロインと龍の契約が成立したその瞬間だった

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[一言] 世の中お金が全て!と思いきや力が全て!チートキャラ大好きw
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