余計なお世話大連発
情けない男二人を追い出した後、私は心を落ち着けるために水をがぶ飲みした。
うん冷たくておいちぃ
「さて…どう思った?」
心を落ち着けたところでどこに向けるでもなく呟く
そして私の座っていた椅子の後ろからリリィベル先生が顔を出す
「うぅ…何というかその…恥ずかしいです…」
「あらま」
顔を真っ赤にしちゃってかわいい~って言ってあげたいけれどリリィベル先生も反応が初心なんよ
だからこそカツラギにはガツガツ行ってほしいわけだが…あの野郎なかなかちきりおるからな
恋愛って難しいね。いや私もしたことない癖に偉そうなこと言ってるけどもね…
私だって素敵な恋人欲しいんですよ?でも仮にもあの第二王子の婚約者なので出会いなんてないのだ
くそう!
まぁそれは置いといて
「で?リリィベル先生てきにはカツラギってどうなの?」
今こいつ本人に確認してないのにカツラギの事炊きつけたの?って思いましたね?その通りです
だってイライラしちゃったんだもの☆
まさに悪女
「どうと言われましても…その…うぅ~…カツラギさんはいろいろ良くしてくれますし…でも…」
「カツラギじゃ不満?」
「いえそんな!不満だとかじゃなくて…私もう若くないですし…その…カツラギさんに釣り合うのかなって…」
「いやあいつのほうが歳行ってるおじさんだけども」
「うぅ~!でもでも…」
「リリィベル先生。どこで聞いたか忘れたけど人間、逃げる理由を考えだしたら終わりだそうよ」
「え?」
「私はこんなんだからダメだ。こんな理由があるからきっとできないから諦めよう。そんな風に逃げる理由を自分で作っていくのはダメなんですって。自信を持ちなさいな、「私はいい女!」とでも前向きに考えましょうよ、大切よ?どんな時でも前向きにって」
結局最後に勝つのは人生を楽しんだ者なのだ…幸せに生きていきたいですねほんとに
「前向きに…なれるでしょうか」
「なれるなれる。私に初めて会った時にたてついてきた先生はどこに行ってしまったの?」
「ちょっ!お嬢様!それは言いっこなしですよ!」
「ふふっごめんなさいね。あぁじゃあ私が少し背中を押してあげましょう」
「え”嫌な予感がするのですが…」
「そう、いい勘をしてるわね。大事にしてちょうだい…そして私の休学中に先生も何か結果を出さないとクビね」
「いやぁああああああああああ!!!」
顔を覆いながらリリベル先生は走り去っていった
うむ、青春だなぁ~
「お嬢様がいつになく権力を振り回している」
「失敬な。私はただ言ってるだけよ。実行してないんだから権力も何もないでしょうに…さてサーシャもいるんでしょう?でてらっしゃい」
し~ん
静寂である
「メリッサ」
「はい」
キョロキョロとメリッサが辺りを見渡し、どこからか取り出した箒で天井を突いた
すると天井の一部がパカっと開きサーシャが落ちてきた
ちょっと待って?いつの間にこの部屋の天井にそんな仕掛けができたの?ねえ?
「あいたたた…酷い事しますね~」
「いやそれ以前にどこに隠れてるのよ。びっくりしたわ」
「いやぁただ掃除をしてただけですよ~私は」
「やかましいわ、どっちにしろ話聞いてたんでしょう。で、どうなのセリックとは」
「えぇ~いやぁ~なんと言いますかね~」
「何よ煮え切らないわね」
適当そうに見えて意外とはっきりした性格のサーシャにしては珍しい歯切れの悪さだ
「ん~ほら…私こう見えてもなかなかおばあちゃんでして…見た目はともかくセリック君なんて私からしたら子供も子供なわけで…ね?そういうやつで…」
「あら、意外とそういうの気にするのね」
「そりゃあしますよ~私だけの事じゃないですしね~」
「ふむ…まぁそれは置いておいてセリックのことどう思ってるの?」
「え~イケメンだし働き者だし真面目だし個人的には好ましく思いますが…」
「じゃあいいじゃないのよ」
「いやいや。セリック君が嫌がるかもしれないし~」
「あ~もう!さっきから何なの!?相手がどう思ってるかなんて聞いてみないとわからないでしょうに!どいつもこいつも!」
「え~…なんか怒られた…」
「はぁ…まぁいいわ。とりあえず良く思ってるならあなたもセリックとちょっと話してみなさいよ」
「いやだから年齢差が」
「あなたメリッサを見ても同じことが言えるの?」
「お嬢様?なぜそこで私が出てくるのですか?」
いやだってねぇ?
「あなたタマリとそういう関係じゃないの?知ってるのよ私。夜中とか部屋に連れ込んでるの」
どどどどどどどどど
そんな音が聞こえる勢いでメリッサが走り去った
「あら。冗談のつもりだったのに本当だったのかしら」
「お嬢様マジえげつないっすね」
いや本当に冗談のつもりだったのよ?
仲いいなぁと思ってたし夜中にこっそり会ってるのも知ってたけどまさかそんな関係だったとは
まぁしかしこれは使えるな
「ほらメリッサが年齢差なんて関係ないって証明してくれたじゃない。あの二人何歳差よ?なんなら10倍くらい離れてるんじゃないの?」
「まぁ…確かに…それくらいあるかも…?」
「じゃあいいじゃない」
「あの…ちょっと真面目な事言っちゃうんですけど」
真剣な顔つきのサーシャ
おお?マジで真面目な話なのかな?
「うん」
「あ~こう見えて私っていろいろ…心的なものが弱いと言いますか」
「うん?」
「さっき年齢差って言いましたけど私が気にしてるのは歳じゃなくて…寿命なんですよ」
「あ~…」
「正確なところはわかりませんけどおそらく私の寿命なんてまだまだ長いです…置いていかれるんですよ私は」
なるほどね
確かにそうだ。創作物ではお決まりの展開でも
こうして目の当たりにするととても悲しいことだと思う。
そうか…寿命差かぁ…私は当事者じゃないからわからないけれど、残されるほうはたまったものじゃないよね
でもさ
「サーシャ。私には本当の意味でその悲しみを理解できない他人として言わせてもらうけど…そんなの今気にしてもしょうがないわ」
「えぇ…」
「だってそうでしょう?いつか悲しいからって何もしなかったら何もないまま終わっちゃうわ?そんな人生楽しくないでしょう」
「いやぁ…私には将来悲しい思いをしたくないという思いのほうが強いんですが…」
「悲しいと思うのはそれまでの時間が楽しかったからでしょう?だったら終わるその日まで楽しいを積み重ねていくべよ。それが人生でしょう?すべてが終わるその時につまらない人生だったなんて思いたくないもの。幸せだったって笑って終わりたいわ」
「・・・」
「まぁそれに先にあなたが死んじゃうかもしれないじゃない?事故とかで」
「いやぁこれでも魔女なのでそれはないかと…」
「自分の魔力で死にかけてたくせに」
「うっ…痛いところを…はぁ…本当に口は達者ですねお嬢様は」
「褒め言葉として受け取っておくわ」
「褒めてますよ普通に」
「そう、じゃあいってらっしゃい。あなたもなにか結果を出さないと…」
「クビですか?」
「ううん。お給料100パーセントカット」
「なぜ!?」
「だってあなたクビって言ったら普通に受け入れそうだもの」
「くっ…!人を見る目もありやがる…!!!」
そしてしずしずとサーシャも出ていった
ふぅ…余計なお世話極めてるわね今日の私。
人の事いう前に自分も相手見つけろやって感じだけども…どうしたものかしらね~
「ね~ね~今い~い~?」
「ん?」
いつの間にか目の前にリアがいた
その顔はいつになく真面目だった。




