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続・考え込んだ設定VSメイド

私は赤ちゃんの時から自我があり前世の記憶も持っていた。

しかしなぜこんなぎりぎりまで行動を起こさなかったか…それはいろいろと設定を考えていたからである

メリッサを味方にするのには彼女の弱みを突くしかない、しかし前世なんやらとかいう話を信じてくれるだろうか?

答えは否!!同じ状況で私なら大丈夫かこいつ…と思うところだろう。

だからそれが不自然にならないように言い訳という設定が必要だったわけですよ

それを今ここで披露する!!


「ねえメリッサ。あなた私に魔力がないの知ってるわよね」

「もちろん存じております」


「私には生まれつき魔力がなくて一生魔法は使えないって言われたけどね違うの、私は魔法を使えたのよ」

「話が見えないのですが…」


「私ね生まれた時に見たの…未来を」

「未来を見た…?」


「そうなの!私ね予知の魔法が使えたみたいなの!!でもねその影響で私の魔力は全部なくなちゃったの…酷い話だと思わない?勝手に予知が発動して一生魔力がなくなっちゃうなんて!」

「………」


どうよこの完璧な言い訳!

ちなみに予知という魔法は存在している。しかし莫大な魔力が必要なうえ成功確率はかなり低いため使われない魔法らしいが…私はこの魔法の存在を知った時使えると思った

私がいろいろ知ってることの説明を魔力がないことに絡めて説明できるし

もう一度予知してみろ!と言われても魔力がありませーんで逃げることができるという…私の完璧な頭脳が怖いわ~


「ではお嬢様は…赤子のころから意識があったということになりますが…」

「い、いや!?それはね…その~…」


私の完璧な頭脳から導き出した言い訳のほころびをついてくるとはやるわねメリッサ…

実際意識はあったのだが…赤ちゃんの時のあれやこれの時に意識があったなんて知られるとこれまた不味い気がする…

うぉぉぉおおおおうなれ私の頭脳!!さらなる言い訳をうみだせっぇえええええい!!


「こ、コホン。じょじょにね?こ~うわかってきたのよアレ私未来見たな~って成長するにつれてね!」

「…」


すごい疑いのまなざしを向けられている…

普段ほとんど表情変わらないくせにそれはわかるぞメリッサめ…

しかしここで逃げるわけにはいかないのだ

たたみかけろ私!!


「そんなわけで私はあなたの秘密は全部お見通しなの!絶対悪いようにしないから協力して?ね?お願い!」

「聞けません。外は危険ですしお嬢様の言ってることは全てでたらめです」


やっぱりか

まぁそうなるよねとは思ってた

だから私も切り札を使うしかない

メリッサにとって最大の弱みを突く


「今のままじゃあなたの妹さんは助からないよ」

「…!?」


面白いほどにメリッサの表情が変わった

目を見開いて困惑の表情を浮かべている

あなたそんな表情も出来たのね


「言ったでしょ私は未来を見たの。あなたの妹さんのことだってもちろん知ってるわ」

「そんなはずありません…私に妹なんて」


「王宮に軟禁されてる病気の妹さんがいるわ。名前は…サーシャだったかしら?その妹さんの治療をするって条件であなた王国の言いなりになってるのよね」

「そんなことまで…」


「私が知ってる未来であなたの妹さんは亡くなっていたわ。いまのままじゃあなたは救われない」

「この…!」


メリッサがさすがに怒ったらしく私をベッドに押さえつけて首を掴んできた

めちゃくちゃ怖い!!!

でも引けない!


「こんなことをしても意味ないわ」

「うるさい!さっきからでたらめばかり!おとなしく聞いていたら妹が死ぬなんて…ふざけるな!」


「私は予知した内容をそのまま伝えただけよ私がなにかしたわけじゃないわ」


そうメリッサの妹サーシャの死に私はあまり関係ない

サーシャはメリッサの妹で同じく魔女なのだが原因不明のある病にかかっておりいつまでいきられるのかわからない状況だ

そこを突かれて治療を盾にメリッサは王国に利用されているのである。

そして物語の終盤ついに治療法が判明するのだ

それは龍の力を利用するのだが…それがわかりヒロインに自分の正体や境遇を明かしヒスイを倒すための協力者になるのだがヒロインが治療を施そうとしたときにはすでに遅く…サーシャは息を引き取ってしまうのだ


「その予知が!あっている保証なんてない!!」


そうきたか~

まぁたしかにそうなのだ

あの物語のように全部がそうなるのかはわからない

ここは物語の中じゃなくて現実なのだから

だからってなにもしないわけにはいかないでしょう?

全部が本当になってしまう可能性があるのなら私は動かないといけないと思ったから


「確かにそうね。でも今までは私が見た未来はだいたいあっていたわ。国の名前も私の状況も…あなたのことだって全部当たっていたでしょう?」

「それは…!」


私はメリッサを押しのけるとそっと手を差し出した

この時ばかりは私はあの物語のヒスイになる

生まれつき魔力のなかったヒスイ

そんな彼女が黒幕にまでなれた武器は言葉

それで沢山の人を味方に引き入れそして破滅させていったのだ

でも私は違う

私は幸せになりたいから、そして私の周りの人にも笑っていてほしいから


「メリッサ…これはあなたにとっての賭けよ」

「賭け…?」


「私に協力してくれるならあなたの妹さんの病気を治す手伝いがしてあげられるわ。もちろんそれで治る保証はないけれど王国よりは確実よ、私は方法を知っているから」

「…!!それは本当なのですか」


「信じるか信じないかはあなたの自由よ。信じるのならこの手をとりなさい」

「…」


「私の要求は私をこれから毎日目的が達成できるまで皆には内緒で外につれだして欲しいということとそこでおこる一連のことを王国に報告しないでほしいということだけ。そして協力してくれるなら私はあなたの秘密を誰にもばらさないし妹さんの病気も治してみせるわ」

「その要求をのんだとして妹はいつ助かるのですか」


「詳しい日時はわからない。私の目的が達成出来たらすぐにでも始められるわ。そしてその時までは妹さんは確実に生きてる…それは保証する」


今私が七歳

物語の本筋が始まるのが16~7歳くらいのはずだから私が龍とうまく契約ができたら余裕で間に合うはずなのだ


「少し考える時間を…」

「ダメよ。それはダメ…私の予知のこととか報告されるとまずいもの。ここで決めて」


私は手を伸ばし続ける

どうか手を取ってほしいと願いながら


「賭けよ。この手をとることであなたが幸せになるか…不幸になるか、手を取らずにすべてをこのままにするか」

「私は…私は…」


「信じてほしい。この手を掴んでくれたなら私があなたを絶対に幸せにしてみせるから」


私は心をこめて言葉を尽くす

それしかできないから

メリッサは長いようで短いような時間うつむき目を閉じていたがやがて私の目をまっすぐと見ると


「わかりました…あなたを、お嬢様を信じます」


私の手をとった


「ありがとう…メリッサ」

「ただし、こちらも意地です…人を信じるのはこれが最後です。もしあなたの言っていることが嘘なら、私を騙していたのならもう何もかもを終わらせます。あなたの事もです」


こ、こわぁああああああ!

え?なに?もしかして嘘だったら殺される宣言された私!?

絶対に失敗できねぇ!!!!

自ら破滅フラグを立ててしまとは…これが悪役補正か…

でもまぁいいか

どうせヒロイン成り代わり作戦を成功させないと私は破滅する可能性が高いのだ

やることはかわらない


「ええそれで構わないわ。これからよろしくね絶対にあなたの選択は間違ってなかったって思わせてあげるからね!」

「期待しております」


ゆっくりと頭を下げたメリッサ

その時彼女がどんな表情をしていたのか

それはわからない

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― 新着の感想 ―
[良い点] 自分が主人公になった視点で状況を想像しながら見てるので、物語に引き込まれやすい。 [気になる点] メリッサちゃん起っちゃイヤンで誤字ありましたん!         ↑ [一言] 続き気にな…
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