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三年間それぞれの視点…サーシャ視点 ~続・魔力の使い道~

攻撃魔法

読んで字のごとく対象を攻撃するための魔法である

簡単なところで言えば火の玉をぶつける、雷を飛ばすとか

正直それだけでも人を相手に使えば十分な威力がある

ならば魔女の魔力を使えば?答えは簡単だ

えらいことになる


火の玉なんて何億発でも投げれるどころか劫火ですべてを焼き尽くすことができるだろう

そんな力を突然手にれた子供は何を考えるのだろうか

こここそはもう攻撃魔法は難しいとかなんとかいってごまかそう、ね?姉さん?


「攻撃魔法ですか?…ふむ…」

「だ、ダメなの…?」


おぉ!姉さん渋ってる!

よかったさすがに危ないと思ってくれたのね


「いえ…どこで使うのかなと思いまして。外で使うのはまずいでしょう?お嬢様が魔力を手に入れてるのは内緒ですし」

「そういえばそうだったわね…お父様たちに心配かけないようにって内緒にしてたのがまずかったな~…ここで使うわけにもいかないし…」


なるほど?環境が悪いということにしてなぁなぁにする作戦ね?

姉さんあなたはできる子よ

そのままがんばって!


「あ。じゃあ私にうってみますか」

「はい…?」


姉さん?何を言っているの姉さん?


「今から簡単な魔法をお教えしますのでそれを私に、ぽいっと投げてもらえれば」

「いやよ!危ないじゃない!」


そうだそうだ!お嬢様もっと言ってやってください!

どっちを応援してるんだ私は!


「大丈夫ですよ。お嬢様が何をしたところで私に傷をつけることすらできませんから」

「むむ…」


「使ってみたいんでしょう?大丈夫ですから」

「うん…」


マジかよ

どうなってるんだ姉さん

そうして姉さんによる魔法のレクチャーがはじまり


「ということでやってみましょうか」

「うん…え~とこうやって、こう!」


お嬢様の手のひらから小さな炎が上がった


「わあ!できた!できたわよメリッサ!」

「おめでとうございます。お嬢様」


自分の手の上でメラメラともえる炎を満足げにみるお嬢様に姉さんは両手を広げて見せた


「さぁどうぞお嬢様。ぽーんと投げてください」


え?ほんとにやるの?ちょっと待って!


「いや…やめておくわ。何かあったら嫌だしね」


お嬢様の魔力が霧散して炎がきれいになくなった


「私は自分で火が出せた!それだけで満足よ。誰かに攻撃したいわけじゃなないもの」

「そうですか…」


なぜか少し残念そうな姉さん

ホントにどうしてしまったの姉さんは

しかしこのお嬢様はどうやらかなり善良な人間みたい

なんだか毒気が抜かれてしまった

無駄に警戒していた私がバカみたい

でも今がいいからといって将来はどうなるかわからない

お嬢様の魔力をどうにかする方法はいずれにしろ考えたほうがいいだろう

しかしこの時私は油断していた

そう油断してしまっていたのだ


「メリッサ!次はあれをやりたいの!使い魔召喚!」

「使い魔ですか?」


「そう!猫が飼いたいの!」

「ねこ?なんですそれ」


「そっかこっちにはいないんだから知らないわよね…え~とね小っちゃくて~ふわふわで、にゃん!ってやつなの」

「小っちゃくてふわふわでにゃんですか…サーシャは聞いた事ある?」

「ないですね…初めて聞きましたよ猫なんて」


少なくとも一般的な動物ではない

レアな魔獣とかなのかしら?


「う~ん…使い魔になってくれる魔獣ならそれっぽいのいるかもって思ったんだけど…いないのかなぁ?」

「どうでしょうね?話を聞く限り危ないものでもないみたいですし実際に使い魔召喚をやってみて探してみてはどうです?」


そしてまたもや始まる姉さんレクチャー

使い魔召喚はすごく簡単な魔法である

それこそ物心ついたばかりの子供でさえできるほどに

難しいのは契約のほうだ

魔法を使えばそれだけで使い魔が出てくるわけではない

魔獣と交渉して相応の魔力を渡す

その手順が必要なのだ

まぁ低位の魔獣は知能がそんなに高くないし魔力を少し与えれば普通に契約できる

ペットを召喚したいという程度なら何の問題もないだろう


「よし!じゃあやるわよ!使い魔召喚!!」


お嬢様の足元に魔方陣が浮かび上がりそこから光があふれだす

成功している

しかしお嬢様の表情はどこか不満げだ


「どうなさいました?お嬢様」

「うーん猫ぽいっのがやっぱりいないのよね~…やっぱり存在しないのかしら」


むむむとうなり声をあげながらしばらく魔獣探しをしていたお嬢様だったが1時間ほどしたところで表情が明るくなった


「いた!いたわ!この見た目は完ぺきな猫よ!黒猫ちゃん!」


どうやら見つかったらしい

うんうんよかったよかった


「はじめまして!私はヒスイ。あなたは?…ふむふむそうなんだ~…え?…ほうほう…」


あれ?なんか会話してない?低位の魔獣と会話が成立するなんてめったにないのに


「ううん違うわ…戦ってほしいなんて思わないよ………うん…そう…一緒にいて欲しいだけなの…そう…わぁ!ありがとう!なら魔力をわたすね!」


どうやら交渉が成立したらしい?

お嬢様が魔方陣に魔力を流しだした

これで契約は成立のはずなのだが…


「姉さん…なにかおかしくない?」

「そうね、なんか流している魔力が多すぎるような」

そうこう話している間にもどんどん魔力が流れ込んでいく


まって絶対おかしい!

お嬢様は気づいていないが私から持って行った魔力は普通の人間どころか魔法を仕事にしている人でさえ一生使いきれないほどの魔力量があるのだ

それがすごい勢いで減っている

いったい何を召喚しようとしているの!?


「姉さん!」

「わかってるわよ!お嬢様!今すぐ召喚を中止してください!」


姉さんが魔方陣を破壊するために行動するが時すでに遅く…

魔方陣から一際強い光があふれたかと思うと次の瞬間にはきれいにおさまり

そして


黒い小さくてふわふわな生き物がいた


「ふわぁああああああ!かわいい黒猫ちゃんだぁあああ!みてみてメリッサ!サーシャ!この子とってもかわいい!」

お嬢様がその生き物を抱えてくるくると嬉しそうに回っている

確かに見た目は愛らしいかもしれない

でも絶対に普通じゃない

今お嬢様の魔力はほとんどなくなっていた

あんな莫大な量の魔力を用いて召喚した存在がそんなかわいいだけの生き物のはずがない


「お嬢様…とりあえずその生き物をこちらに…」

「名前は何がいいかしら!黒猫だからクロ…?安直すぎね?ニャクロ?ううんナクロ!あなたの名前はナクロよ!よろしくね!」


にゃ~んと可愛らしい鳴き声をあげたナクロと名付けられたその生き物はお嬢様の頭の上によじ登るとそこで丸まってスヤスヤと寝息を立てだした


「なんて可愛らしいのかしら!あなたたちもそう思うでしょう?」

「はい…そう思います…」

「私も…」


正直思わない

見た目に騙されるわけにはいかない

それくらい異常だ

でもそれを伝えようにもお嬢様のあまりにも嬉しそうな笑顔に

私も姉さんも何も言えなくなっていた


「さて…魔力もだいぶ少なくなっちゃったわね~使い魔召喚って魔力いっぱい使うのね。びっくりしちゃった。次は何をしようかしら?」


まだ何かするつもりなの…

私はもうへとへとだった

なんだか長くなってしまいすみません…

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