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物語のはじまりはじまり~

私はきっと幸せだった

この白い部屋でほとんどの人生を過ごして

家族もいなくて

おいしいご飯もあまり食べられなかった

誰かとお話することも頻繁にはできなかった


それでも

友達はいた

趣味もあった

ゲームに本、たくさんのすてきな物語の数々

物語に触れている時、私はなんにでもなれる

素敵なお姫様にかっこいい勇者

そして現実に戻ったら大好きなお友達と語り合う

そんな私の十数年の人生ももう終わる

段々と薄れていく視界と意識の中で私は思う


きっと私は幸せだった。

でももし「次」があるのなら

私は長く生きていたい…幸せな家族と共に仲のいい友達と共に…素敵な恋人もいたりして…なんちゃって

とにかくそんな日々を生きてみたいと思った。

そして私の意識は深く深く沈んで…




そして時が経ち



そう経っちゃいました!時が!!!

と言っても以前の私が生きてたわけではないですよ?なんと異世界に転生しちゃったのです!

ごきげんよう私、ヒスイ・スズノガワ

現在7歳の女の子ですわ!

…はじめは正直びっくりしましたよもちろん

だって気が付くと赤ちゃんだったですもの私…もう意味が解らなくてしかも周りにいた人は見覚えのない人ばかり、言葉もわからなくてさぁ大変

もうぎゃん泣きですよ!わんわん泣きました!!


まぁしかししばらくして冷静になってみるとこれはあれだなと

流行りの異世界転生だと思いいたり、だとするとこれはチャンスだと

神様的な何かが私にくれたチャンスなのだ!私はこの世界で幸せになるんだ!

そこから私の行動は速かった

もうとにかく可愛いムーブを繰り返したのだ


お父様らしき黒髪が艶やかで整った顔立ちの男性にひたすら微笑みかけ

お母様らしき常に柔和な笑顔の金髪の女性に甘えまくった

兄もいるらしく赤ん坊の私を興味ありげにのぞき込んでくる兄にキャッキャッキャッキャッ話しかける


さらにさらに我が家はどうやらいいとこの家らしくなんと大きなお屋敷である!

それゆえ執事やら料理人やらなんと軍隊と呼ばれる謎の武装した人などで人がとても多いのだ…なぜかみんな顔に傷があったりとこわもてな人ばかりなのがかなり気になるところだけど…しかし私はそんなみんなに愛想を振りまき続ける!続けた!!

そのかいあって私はこの家の人にかなり好かれてると思う


みんな私にこっそりお菓子をくれたり、料理人さんも私の好物をおまけしてくれたりする

食べてばっかりやないかーい

しょうがないじゃん!以前はおいしいもの食べれなかったし…こういう時前世の知識で料理革命とかするのかもしれないけど私にはその知識がない上にご飯はとてもおいしいので満足である!

それより気になることがあり…それは家の使用人たちの私の扱いである

朝、支度をして屋敷を歩いてると


「「「お嬢!おはようございます!!」」」


とこわもてのお兄さんたちが一斉に頭を下げるのだ

お嬢…そう私はこの家のお嬢なのである。お父様はオヤジ、お母様はアネさん、お兄様は若…もう完全にあれである。

まぁでもそんなことどうでもいいか、だって私は


「おはよう私の可愛い天使のヒスイ、今日は私の仕事も少ないから後で街にでも行こうか」

「おはようヒスイちゃんよく眠れたかしら?あらあなた、今日ヒスイちゃんは私とお裁縫の練習をする予定ですのよ」

「ヒスイおはよう!父上と母上は放っておいて今日はこの兄と外で遊ぼう!」


微笑みかけてくる私の家族…不満なんてあるはずがない


「お父様、お母様、お兄様おはようございます。今日も一日楽しくなりそうでヒスイは嬉しいです!」

だって私は今間違いなく幸せなのだから



しかし私はもう気づいてる

異世界転生とくればお決まりのあれだ

なにもしなければ私の幸せは崩れて消えてしまう

なぜなら私は物語の悪役に転生してしまったのだから


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