第八話 魂の契約書
一話に詰め込みすぎました。
書き足したい箇所があったのですが、文字数が非常に多くなりそうなので渋々削った次第です。
「皆さんに、大事な話があります」
平静を装った表情にイラついた辻巡査がドスドスと床を踏み鳴らして天鐘に迫る。
これは大変なことになると大鐘巡査が辻巡査と天鐘のあいだに割って入った。
「辻巡査! ここは抑えてください! 相手はまだ高校生です」
「年齢は関係ねぇ! 大鐘どけ!」
辻巡査を止めようと体を使って妨げる行為をするが、肉体派の辻巡査にデスクワークの大鐘巡査が力で敵うはずはなかった。
簡単に排除され脇にどかされる大鐘巡査。
辻巡査はさらに距離を詰め、有無を言わさず喧嘩腰で天鐘に食ってかかる。
「あまがね。なに余裕ぶってんだ? 人が目の前で死んだんだぞ!!」
涙腺崩壊中の辻巡査は天鐘の肩を掴み、壁にドンと押しこんで凄みをきかせた。
「柊が赤の他人だからか? 答えろ! お前には人を悼む気持ち、人情ってものを持ち合わせていないのか! もしそうなら俺が親の代わりにお前を教育してやる!」
「辻巡査! それはいかに温厚な僕でも許容できませんよ!」
「止めるな大鐘。ここで説教しなければコイツは永遠にこのままだ。手を上げてでも分からせる必要があるんだよ!」
――――やめて!!
この場で唯一の女性であるデイジーが腹の底から痛ましい声を上げた。
「もう……やめてよ。天鐘君は私を助けて、柊さんを救えなかったんだよ。どれだけ辛いか……同じ境遇の辻さん達が一番わかってるでしょ――――こんなことしたって何も解決しないし、柊さんだって喜ばないよ…………」
「言われんでもわかぁってる。でもな!」
デイジーの正論に言葉を詰まらせ、呂律がうまく回らない辻巡査の感情の堰が、堪えきれず決壊した。
「さすがによぉぉぉ――殉職はないだろ…………柊は勤めて三カ月足らずの新人だ。俺と違って異性にも人気があった。人生これからだったはずなのに!」
天鐘は心を静めて辻巡査達を観察する。
(涙は生きる者の特権で感情の吐露。戦友の死で涙を流す人は信用できる)
「あまがねよぉぉぉ――残された親族にいったいなんて言えばいい!? 何を言っても言い訳でアイツと会話する平穏なひと時は二度と戻ってこないんだぞ!」
「そんなことはありません」
「なんだと!?」
激昂した辻巡査の押さえ込みにさらなる力が込められるが、レベルアップした筋力で簡単に払いのける天鐘。筋肉の肉付き、体格に勝っていた辻巡査は驚きを隠せない。
「辻巡査も皆さんも、落ち着いて聞いてください。まだ柊巡査を助ける術があります」
「「!?」」
一同が絶句した。死んだ人間は二度と蘇らない。これは現在の文明社会でも覆すことができない、諦めるしかない。世中の絶対的平等なルールで真理。
そんな運命糞くらえだ! といつの時代も抗い続ける名のある権力者や偉人がいる人類だが、数十世紀以上も蘇生成功事例がない歴史的事実から、死からのよみがえりは不可能と誰もが認めてしまっている――――が、天鐘は亡くなった人を助ける方法があるという。
これを眉唾物だと吐き捨てるのは容易い。
だが、ここは未知なる領域で異次元ダンジョン。ここには空想上の産物が存在する。ならば生命の神秘たる何かがあっても不思議ではない。
それに脳内に聞いたことのない技法が刻まれているのを頭の片隅に理解している自分がいる。更には不可思議すぎる謎生物のプルみたいなのがいるのならと――思考を巡らせ小さな希望の光が胸に灯った。
天鐘はなぜかダンジョンを知り尽くしている節がある。
この事実に薄々気づいていた辻巡査、大鐘巡査、デイジーの三者は天鐘の眼を見据える。
聞く覚悟ができた、真剣な顔つきになったところで天鐘は計画の一部を話すことにした。
「まず助けるための条件が複数ありますが、一つは柊巡査の魂の救出」
「「はっ?」」
初見から突拍子のないことが飛び出て、素で反応する三人。
「た、魂の救出?」と辻巡査が。「えっ? どうやって?」とデイジーが。「ステータスの感力数値が一定以上。とあるスキルが必要。柊巡査のニョキニョキピョコピョコを思い出してください」としたり顔の大鐘巡査。
「「アレか!」」
ニョキニョキピョコピョコの単語に反応し納得する辻巡査とデイジー。
ちょっと不名誉なことになってますと、会話できるようになった柊巡査にいつか謝る決意をする、話題の大本を作った天鐘。
「話を進めます。魂の救出は想像しているよりずっとシンプルで、現在条件がそろっているので大丈夫です」
「どういうこと? 天鐘君」
「デイジーさん。とあるスキルは恐らくプルさんが所持してるんですよ」
天鐘の代わりに大鐘が想像内で軽く己が噛み砕き、解釈したことをデイジーに教えた。
「プルさんが柊巡査の助けるピースを――これは推測ですが半分は既に入手していて、あとはこちら側の協力があれば救い出せることが可能。なんですよね天鐘君」
「そうなの天鐘君?」
「鋭いですね大鐘巡査。その推察通りです」
「もう大鐘。事務関連やめて、こっちの部署に来てくれよ。俺らの部署、取り締まりを仕切る肉体派ばかりだろ? 今後ダンジョン関連に配置替えされたところに頭の切れる奴がいないと手詰まりになりそうだ」
「追々考えておくよ」
軽口を叩けるまでに回復した辻巡査を見て天鐘は少し安堵した。
「プルの『霊体交信』『秘密技能:霊素完全補完』があるので第一条件はクリアしています――――残された時間も長くありません。実際に見たほうが信ぴょう性が高まるので今から始めます」
「んっ?」
「天鐘君? 途中で聞いたことない言語喋ったんだけど?」
「あ――――すみません。条件をクリアしないと特定のスキル、魔法は名称が聞き取れないようになってるんです。ダンジョンが認定した情報漏洩処置と認識してくれればいいと思います」
「そんなのあるのか!」
「凄いですね。天鐘君は何でも知っているダンジョン博士号を習得したダンジョン関連の権威ですか」
「まあ……似たり寄ったりです。全てプルから学んだ知識なんですが。では始める前に『ダンジョンマスターの権限』を解放します」
本来なら無詠唱。意志と魔力と創造の力で権限を行使できるが天鐘はワザと、キーワードを全員に聞こえるように口に出した。あえて言葉として聞かせることにより、何もしていない無能な召喚者と思われたくないため、パフォーマンスが必要と考えてのことだった。
権限を解放した天鐘の雰囲気と共にダンジョンの空気の質が変わる。ダンジョン空中から青色魔素、極太絵筆で描かれた蒼き線が記号をサラサラと書きながらキラキラと発光。幾本も魔力の奔流となって天鐘の周囲を渦巻く力場を構築。複数の六芒星魔法陣が周りを取り囲んだ。
魔素情報を含んだダンジョン技能を授けられた大鐘巡査、デイジーは言葉に言い表せない神秘的な光景に心を奪われているのが、辻巡査は対照的に三人の顔色をうかがい自分だけ魔素を視認できないことに口惜しがっていた。
「まずは狼藉者であるゴブリン達を一掃します。【シークレット魔法『迷宮の死を告げる鐘』!】」
乱雑な言語を介し、突如ダンジョン内に鐘がリンゴーン、リンゴーンと大音量の金属音が、人を揺らし、地面、壁、天井とあらゆる物体を振動させ、陰湿な気が緩和、浄化されていく。
ダンジョンのあちらこちらでダンジョンマスターの権限により、このレベル1ダンジョンに現在存在していたモンスターが天鐘の魔法で命を絶たれていることを辻巡査、大鐘巡査、デイジーは知る由もない。
「天鐘君。今の言語は……魔法の類ですか? ダンジョン全てに響き渡る規模の?」
「はい。これでダンジョン内部のモンスターは経験値は貰えませんが一掃できました」
それはつまり、今いるダンジョン全体が安全地帯になった劇的な瞬間だった。
想像を絶する天鐘の大魔法に三人とも気が緩み呆けてしまう。
((凄すぎる))
三人が同じ感想を抱いていると天鐘は次の行動を起こした。
「リターンコール。プル!」
天鐘の《魔技:従者帰還》に応え、待ってましたと言わんばかりに地面に描かれた五芒星魔法陣からニョッキリと細長い形で姿を現し、呼んでくれた喜びを伝えようと天鐘に向かって飛び跳ね、Tシャツに風船ガムが弾けた感じになってべっとりと吸着した。
三人一同は五芒星魔法陣から勢いよく飛び出してきたプルに驚き、そろって腰を抜かす。
「柊巡査が魂を維持可能な制限時間が残り三分を切ったので急ぎます。プル! 柊さんの肉体を修復、劣化を防ぐためスライム核に一時収納。その後『秘密技能:霊素完全補完』で柊さんの魂から抜け出す霊素を固定補完。魂を安定化を最優先だ!」
プルは主人の命に従い、名残惜しんでTシャツから離れ柊巡査の亡骸に近づき、体積を柊巡査と同じくらいの大きさになるよう引き伸ばし、上から覆いかぶさり優しく包み込んだ。
プルの内部から泡が発生し、柊巡査に付着した血液を洗い落とし洗浄。プルは汚れた血で体内が赤黒くなるのを防ぐため、スライム核から魔素を供給して浄化作用を向上。促すと同時に柊巡査の傷口をスライム細胞を使って修復。
傷口が完全に塞がると柊巡査の肉体をスライム核へと収納した。
プルの体内が光ると柊巡査の姿が忽然と消える事態に仰天する三人の常識人達。(いったい何が起きているの!?)という感想を余所に、天鐘は『知識転写』で獲得した技能『霊体視認』の上位能力『霊素視認』をOFFからONに切り替えた。
プルの頭上に生前の警官服で浮かぶ目を閉じた霊体の柊巡査。すでに下半身の膝辺りまで消失しており、砂のようにサラサラと少しずつ霊体を構成している霊素が散り始めていた。
そこにプルが『秘密技能:霊素完全補完』で抜け出す霊素の補完作業に取り組み、数十秒。一切の霊素が抜け落ちていない状態まで霊体を復元。プルは天鐘の命令を無事完遂させた。
『プルが主に霊体言語を共有化させました』
(頼もしいな。流石プルだ)
必要な場面に必要な技能をピンポイントで提供する従者に満足した天鐘は、柊巡査の霊体が目を開き意識が覚醒したのを感じ取った。
【えっと……】
いつもと違う目線の位置、宙に浮かぶ己に柊巡査は戸惑っていた。
【これは、どういった状況でしょうか】
困惑気味の柊巡査に天鐘は軽く説明し納得させ、柊巡査を目視できずにいる三人にも事細かに解説。
ある条件『魂の契約書』にサインし、契約を自分と結ぶことで『霊体視認』と『霊体言語』の能力を獲得できることも隠すことなく伝えた。
その際のデメリットは蘇生案件と天鐘スライムに関する秘密情報漏洩防止。簡易的にはプルの情報を喋ることを契約書の効力で規制するといった内容だ。
「魂の契約書ですか。確かに僕たち三人は天鐘君が持つ秘密を知りすぎたのですから、他者がいないここで契約を交わすべきでしょう」
「まあな。成り行きだったとは言え、事が事だけに万が一にも蘇生手段が外部に漏れたら俺たちの身にも危険が及ぶ。国境を越え、政府に圧をかける国や強硬手段に出る闇組織なんかも腰を上げて、手中に収めようと躍起になるのは間違いない」
辻巡査の最悪を連想させる未来絵図にゾッとする契約未完者。独裁者が支配する国に囚われれば行動の自由は無く、監禁生活が余儀なくされる。
天鐘はまだいいかもしれないが、蘇生手段を持たない三人は不要と判断されたら即刻処分されるだろう。
それなら天鐘との契約で無理やりにでもコントロール、管理された方がいい。少なからず不用意な言質を防ぐことができるはずだ。
「メリットとデメリットを比べれば反対意見はまずないでしょう。この三人なら」
「だな」
警官二人は色よい返事を天鐘に返し、残るデイジーは深く疑うこともせず。
「私は天鐘君に命を救われてるから断る理由はないわ。それにオマケの身体浄化もしてくれるんでしょ?」
ダンジョンで初めて褒められている気がした天鐘は狼狽えながら生返事で答えた。
魂の契約書にサインする議題を満場一致で可決し、天鐘は各自にステータスを表示するよう指示し、自身を映す鏡ミラーボードをオープンさせた。
「では契約書を各自に送ります」
天鐘はプルの知識で得た契約方法を試す。
『魂の契約書にサインしますか? はい/いいえ』
「ハイに決まってるだろ」
「もちろんです」
「だよねー」
三人そろってミラーボード上に届いた契約文書の『はい』部分をタッチする。
『三者の魂契約は成されました』
非常に淡白な具合で終わった契約の中。思わぬ副産物に一人はしゃぐ辻警官。
「魔素の解釈が不完全だったがサインしたことで完全に魔素のことを理解したぞ!」
「おめでとうございます」
「なにか変化があったの?」
「おうとも! 今なら天鐘が纏う魔素がこの目ではっきり確認できる! てかヤバイな天鐘の周囲に集う魔素量。こんなの目視できてたら絶対喧嘩売らんわ」
「今頃ですか辻警官」
「仕方ないだろ。魔法関係に精通していない技能を授けられたんだからよ」
――――パンパン!
「はい。そこまでです」
場を収めようと天鐘が手のひらを叩いた。
「柊巡査が待ちくたびれてますので霊体視認と霊体言語をOFFからONにしてくれますか」
「悪い。嬉しさのあまり場を弁えず、一人で舞い上がってた」
「いいよいいよ。そんな些細なことは置いといてさ。皆で一斉にONにしてみない?」
デイジーの面白そうな発言に耳を傾けた巡査二人。音頭を取るのは言いだっしっぺのデイジーに決まった。
「それじゃあいくよ」
「「せーのぉ!!」」
三人がプルの頭上を見ながら霊体視認と霊体言語を同時起動させた。
突如として瞳に映るのは手をふりふりしている柊巡査。
「マジか!!」
「本当に!?」
二人の巡査は柊巡査の透明色霊体に我が目を疑う。
「うわぁぁ――――柊さんが浮いてるぅぅ―――――ずるい!」
【ずるくありませんよ!】
デイジーは元から幽霊系を信じていたようで地に足を付けずに浮遊している柊巡査を羨む。
「おい大鐘」
「なんですか辻巡査」
「霊体視認のONとOFFを繰り返してみろ」
「これは……!」
【あの。私で遊ばないでくれます?】
と、和気あいあいとなったところで天鐘が話を切り出した。
「では契約を結んでくれたので身体浄化といきましょう。プル!」
天鐘の命令でプルは体積をパンパンに膨張させ膨らみ、どんどん巨大化していく。
「こ、これはHugeプルちゃん!? お姉さん、本日二回目の感動だよ!」
「ちょっとこれは」
「でかすぎやしないか天鐘よ」
プルの高さは天井付近まで到達し、横幅はネズミ一匹すら通る隙間は無く完全に埋まっている。
「自分もプルのことを信頼していますが、あの体内に呑まれるとなると正直言って不安です」
召喚者本人すら及び腰になってるのに気づき、警官二人は本能的に後ろへ一歩下がる。
「ねぇ、ねぇ、天鐘君。巨大プルちゃんにダイブしてもいいかな」
可愛い物に目がない女性とはいえ、三メートル以上の巨体に変化したプルにダイブしたいデイジーの心境は一生分かりそうにない男性陣。
「デイジーさんが望むならいいんじゃないかな」
これよしと渡り船を出す天鐘。進んで人柱になるデイジーに心の底から敬礼する巡査二人。
これは看過できないと、霊体で身体浄化を受けられない柊巡査がプルに向けて発言した。
【プル! 大好きな主人である天鐘君が、思いっきりダイブしてきてほしいそうですよ】
「ふぁ!?」
天鐘は予想しなかった柊巡査の一言で、喉から変声を上げる。
敬礼していた男性警官二人も柊巡査を直視した時だった。
「きゃープルちゃゴボゴボゴボ」
柊巡査含む五人全員が二秒以内にプルの体内に丸呑みされた。
プルの体内は主に水分で構成されており、敵対者は容赦なく溺死させるが身内には息をする箇所に空気の膜を贈る。
「ぷはぁ! ちょっとプルちゃん! お姉さん、危うく窒息するところだったよ」
駄目でしょと叱るデイジーにプルは酸素供給量を増やし、謝罪の意を行動であらわす。
自分より強者なプルに対して物怖じせず逞しいなと、天鐘は渡された空気の膜で静かに呼吸する。
『プルが身体浄化を開始します』
柊巡査を除く四人の体から黒い墨汁のようなものが徐々に抜け出し、プルの前面に集中していく。
そして勢いよく外へ放出される黒き液体。地面に触れた瞬間、それはレンガを融解、分解して溶かす。
おぞましいほど強い酸性を帯びた謎の液体をプルがまき散らす風景。発生原因となる原料は己自身の不純物。
【皆さん。凄い汚れてますね】
この中でただ一人だけ肉体を持たない柊巡査は白々しく、他人事のように見守り。原料所持者の四人は現代社会が抱える負の部分を見つめている気分となった。
「これって」
「外にいたら完全にプルに溶かされてるな。巨大化して飲み込むのには訳があったってことだ」
「この吐き出される成分のことを、天鐘君はご存じだったんですか?」
「頭では理解していましたが、実際に体験するとショックを受けます……まさかこんなに体に不要とされる物質を所持していたなんて」
四人とも憂鬱になるも一分後にプルから解放され『全身体能力が10加算されます』のアナウンスを聞き、ステータス関連を覗けるミラーボードを開いた。
報告通り能力が向上している。試しに体を軽く動かす。一同は良い意味での身体の異常を感知すると歓喜に包まれた。
「凄いですよこれは! 僕の体が自分の物ではないようです」
「ああ。今なら格上の有段者と対等に戦える気がするぞ」
「やったー。私の能力基礎値が二倍以上になってる! これなら憎きゴブリンもワンパンチでマットに沈むはず!」
喜んでいるようになによりだ。これなら丸め込むのは成功したも同然。憂いなく先に進むことができる。
「警察官である実況見分はどうですか? 調書取ります?」
「いやあ必要ないな大鐘」
「そうですね辻巡査。幽霊関連のことを纏めて上に提出したら、大目玉をくらい怒られます。僕たちは何も見なかったことにして報告もしません」
「ありがとうございます」
一応の確認をすませ出来レースを終わらした天鐘は、柊さんの魂救出。魂の契約書を結んだこともあり、多岐にわたる蘇生条件を全員に話す。
亡くなった場所がダンジョンであること。ダンジョンが自分の管理下にあること。死後五分以内に魂の救出が完了していること。肉体が欠損していないこと。
「四つは無事クリアしました。残る問題は三つ。蘇生に必要な秘薬素材と霊魂の収集。製作者であるS級錬金術師の確保。この二つは自分が都合をつけます。なので最後の三つ目の口裏合わせの件ですが…………」
霊体より霊素の方が細かいので『霊素視認』のほうが上位に位置します。
修正箇所が浮かび上がってくると思うので、読み返して補正していこうと思います。
次回はダンジョンの外から始まり、ようやく生存者たちの事情聴取が始まります(牛歩の速度)
恐らく感づいていると思いますが、事情聴取回も一話で収まりきらず文字数が多くなる可能性が非常に高いので分割していこうと思います。