第8話:クリエイトゴーレムはチートスキル!?
今日も頑張って2話上げようと思いましたが、やりたいことができたので1話更新で。
ダンジョンのモンスターは全滅させられた。
ストーンゴーレムは自分で作ったので実質タダだが、ジャイアントラビットは100DPだ。
そして収入はと言うと15DP。
おそらく1分侵入者が滞在すると1DPが手に入るのだろう。
つまり85DPの赤字だ。
だがそこまでショックはない。
何故ならこの結果は予想通りだったからだ。
いや、むしろ今はかなり気分がいい。
それもそうだろう。
あの調査の冒険者が帰り、このダンジョンの事が公になれば、いよいよ駆け出し冒険者がやってくる。
とはいえそれはあと数時間は待たなければやってこない。
ストーンゴーレムだけ何体か作って後は休むとするか。
などと思っていたのだが……。
手の形をしっかりイメージしていなかったら、手がやたら細いゴーレムができてしまった。
うーん、だんだん面倒になってきてイメージが雑になってきちゃうな。
そう俺が反省していた時、俺はふとある事に気が付いた。
この失敗作ゴーレム、見た目は不格好だが凄く強そうだな、と。
この細い腕。
逆に考えれば鋭いということ。
そして俺は今まで自分が固定観念にとらわれていた事に気が付く。
俺は日本の創作物に出てくるゴーレムをイメージして作っていたが、そもそもゴーレムに決まった形などないのではないかと。
ただ命令を聴いてそのとおりに動く人形のことを指すのではないかと。
最初に見た時は、なんだこの微妙なスキルは、と思ったものだが、このスキルはいわば『創造』のようなもので、好きな形にものを加工できるスキルだ。
おまけに作った物に簡単な命令も可能。
だったら……。
俺は棘の無数についたボールのような小さなストーンゴーレムを作った。
こいつをダンジョン内にばらまいておけば、気が付かなかった冒険者の足元を一斉に攻撃してくれるだろう。
数の暴力で寄ってたかって冒険者の足を侵食していけば……。
昨日は5個で魔力切れを起こしたし今日は4個でやめておくか?
いや、昨日は体調が悪くなっただけで大した問題はなかった。
それに今日はいっせいに冒険者が襲ってくるかもしれないんだ。
多少の無理はしないとな……。
俺は次々と作っていった。
だが俺は異変に気が付く。
なんと5匹作っても体調に全く変化が無いのだ。
まあこれぐらいは誤差の範囲。
もう1匹作れば……。
しかし何匹作っても一向に魔力切れの症状は見られない。
そして俺は理解した。
そうか、魔力の消費量は物質の加工量に比例してるんだ。
昨日は普通の俺のイメージのゴーレムを作った。
このゴーレムの加工に掛かった石材は今日の小棘球ストーンゴーレムの何千倍もある。
そう考えると、この小棘球ストーンゴーレムをいくら作ろうと体調に変化が無いのも説明が付く。
だがこの情報がもたらす効果は大きい。
俺はこれを知ってさらに名案が浮かぶ。
俺はマスタールームに戻り、偽ダンジョンコアから、100DPを使い鉄のインゴットを入手した。
これで残りDPはたったの15だ。
まともなものは手に入らない。
俺は鉄のインゴットを丸々一つ使って小型の一般的なゴーレムを作る。
ただし、それは完全に一般的なわけでなく、手は槍のように鋭くて頭などの余計な部位は取り払った。
ゴーレムは頭で思考してるわけではない。
とすればただのおかざりだ。
必要ない。
そして重要なポイントが、ゴーレムの中を空洞にしたということだ。
これでだいぶ鉄のインゴットが節約できる。
この形のストーンタイプを後魔力が切れるまで作るか。
こうして俺は侵略者を迎え撃つ準備を着々と進めた。