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邪神と狂人の異世界無双戦記  作者: 不知火 翔
第3章 侵略編
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第40話:強者の独白

「……では次の議題に移る」


 はぁ、うんざりだ。


 毎回毎回つまらない議題ばかり。


 それでたまに重要な議題が上がったかと思ったら脳みそクソの貴族共がガキみたいな政争を繰り広げて時間を無為に消化する。


 結局議題は解決せず。


 あほらしくてやっていられない。


 俺の名前はレイリーン・エル・ザナクロン。


 帝国の聖八柱と言われる貴族家であるザナクロン家の当主にして、帝国解放戦線の4代目の代表でもある。


 俺は元々三男の末っ子で、当主になる未来はないと思っていたから、将来は騎士団長でもめざそうと思っていたのだが、長男と次男が後継者争いで共倒れするというアホなことになったため、急遽俺が当主になってしまった。


 俺には野心なんて無いし、子供のころから身体ばっかり動かしてきたから政治は分からん。


 内政も有能な部下に任せている。


 当然手綱は握って、そいつにばかり権力が集中しないようにする工夫はしているが。


 そんなわけで俺は中々の善政をしけていると思う。


 軍事面では、俺は子供のころから剣ばかり振って来たような人間なので、最前線に立って見方を鼓舞している。


 そのため俺の軍は負けなしだ。


 帝国解放戦線に所属してからは、一層迷宮の討伐に尽力をしてきた。


 だが、聖八柱などと言われる他の貴族は年がら年中政争ばかり。


 うんざりする。


 そんなだから、この前議題に上がった、トリニという街が占領された件についても、あやふやになり、中途半端な軍勢を送ってしまって結局返り討ちあったと聞いた。


 相手の情報もろくに分からない、そして軍も出し渋る。


 そんなんで勝てるわけがない。


 今回の件は、他国の作成したゴーレム兵が攻めてきたのだろうと予測されているが、俺の見解は違う。


 トリニの街に出現したというダンジョン。


 あそこに出現したモンスターはゴーレムだけだったと聞く。


 それに引き上げてきた軍を率いていた将軍に聞いたところによれば、その軍勢は東から進軍してきたと言うではないか。


 それは明らかにおかしい。


 何故ならトリニの街は国の端にあり、トリニの街より東はフリーレン王国と言う我が国の属国だ。


 フリーレン王国は非常に小さな国で、オリハルコンゴーレムなんかを量産する余裕はないはずだ。


 こんな大したことない情報すら確認しようともせず、適当な判断をしている王は本当に無能だと思う。


 ちなみに俺は幾度も進言した。


 だが王は、あいまいな返事をするだけで俺の言葉を聞き流す。


 きっと面倒なのだろう。


 あの王は皇帝の権力を使って遊び惚けているだけで実務は部下に任せっきりだ。


 無能の癖にでしゃばるよりはマシだが、それでも無能であることには変わりないのだ。


 このままではあの火種を放置しておいては大変なことになる。


 今回の負けに懲りたようで、議会は一旦トリニの街の奪還を中止しようとしている。


 俺は止めようとしたが、無駄だった。


 もう俺が何とかするしかないか……。


 俺の予想が正しければ、あのダンジョンさえ攻略すれば今回の事件は解決する。


 このクソ議会が終わったら精鋭5人をできるだけ早く集めてダンジョン攻略に向かうか……。

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