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邪神と狂人の異世界無双戦記  作者: 不知火 翔
第3章 侵略編
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第34話:野戦か籠城か

最近は遅くなってしまってすいません。

この土日でしっかりと書き溜めを作っておきます。

「野戦ですか? 私も教養の一環として兵法書は多少読んだことがあります。帝国の国力は非常に高い。大陸で一番の大国です。いくらオリハルコンゴーレムを有していても野戦で勝ち目があるとは思えません。ここは籠城するべきでしょう。ゴーレムに食料は必要ありません。方位による兵糧攻めは効かない」


 レイラが進言してきてくれた。


 嬉しいな。


 だが……。


「確かに城攻めには城内の3倍の兵が必要と言うのは常識だ。ゴーレムに食料は必要ないし兵糧攻めが効かないのも籠城戦の弱点の一つを克服しているようなものだ。非常に的を射ている」


 特に今回の戦争は孤立無援。


 兵糧の収集が簡単な敵軍は兵糧攻めが簡単だ。


 その攻めが通用しないのは強い。


「だがな、これは人間同士の戦争じゃない。俺はダンジョンマスター。戦い方を普通の戦争と同じようにとらえるのがそもそもダメなんだ」


「兵が違うからですか?」


 レイラが尋ねてくる。


 納得いかないようだ。


「まあそれもあるが、一番はDPの存在。DPは兵力に直結する。そのDPはそうやって増える?」


 俺はヒントを出してレイラに尋ねる。


「まず侵入者の処理ですよね。あとは……」


 レイラはしばらく考える。


 そして……。


「あ、ダンジョン内に人がくれば1分ごとにその人数分のDPが手に入ります。休憩所にいるときはその2倍。あ、まさか……」


 ここにきてレイラも思い至ったようだ。


「御名答。野戦で敵を捕獲してから時間を稼いで……」


「兵力を増やしたところでその後初めて籠城するんですか?」


 籠城好きだなぁ。


「違う。俺が籠城戦を避ける理由はそれだけじゃない。さっきお前が言った通り兵の違いだ。俺の主に使用するミスリル加工ストーンゴーレムは単純な個の戦闘力なら人間の一般兵のレベルを上回っているだろう。しかし連携と言う面では大きく劣る。あとは攻撃パターンが単純であったりと問題は意外と少なくない。特に建物などの遮蔽物を利用した機動戦は人間に分があるだろう」


「あ、そして城壁は帝国解放戦線によって簡単に壊される……!」


 そう、ミスリル加工ストーンゴーレムを一瞬で撃破した力を持つ人間がゴロゴロいるなら城壁の突破など造作もない。


 となると籠城ではなく結局街での戦闘になる。


「よって今回の戦争、まずトリニの街の西側にある山に陣取って敵兵を攫う。その後進軍の妨害をちょこちょこ繰り返して時間を稼ぎつつ、ゴーレムを片っ端から作ってトリニの街へ送る。敵がトリニの街まで来たら城内から打って出て街の外で野戦だ」


「なるほど。意外と頭いいんですね」


 意外ととはなんだ、意外ととは。


 まあいちいち取り合っても仕方ないので聞かなかったことにするが。


「ということで、まずレイラは俺と2人でトリニの街の西側に布陣する。そして戦争が始まったらレイラは捕獲した兵をこのダンジョン内に送り届ける仕事だ。俺はその間何とかして時間を稼ぐ。レイラはダンジョン内に捕獲した兵を送り届けたらすぐに戻って来てくれ。指揮を交代する。適当に妨害するだけでまともに戦わなくていい。交代したら俺はトリニの街に兵を送る。じわじわ後退してトリニの街に戻ってきてしまったらトリニの街の軍勢を隊列を整えさせ、敵を迎え撃つ」


「分かりましたがそれ、なかなかのハードスケジュールですね」


「……仕方ない。指揮を取れる人間が2人しかいないからな」


 さて、作戦は一応立てたが、初戦は机上の空論。


 とくに魔法なんかが無い地球の戦争とは違って、こっちの世界の戦争は何が起こってもおかしくないところがある。


 それに経験不足だしな。


 はぁ、今回の戦争は今までとは比べ物にならない大変さになるだろうな。


 俺は不安な未来に大きくため息をついて……。


「それじゃあ行動を始めるぞ」


 力強くそう言った。

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