第2話:最凶最悪
3話目
「ふぅ」
ひとまず差し迫った危険は取り除けたか。
それはそうと異世界に召喚されたというのに混乱とか意外としないな。
いろいろビビったりはしたけど、意外と順応できてしまったな。
あぁ、そういえば。
「あの、邪神様は何故俺を呼んだんですか?」
これを聞いていなかった。
女神とかならこの世界の魔王を倒してください、とかだろうけど邪神だからなぁ。
魔王になれ、とかか?
「あぁ? それは言っただろ。俺たちがお前に望むことはただ一つ。この世界の人間を殺しまくること。俺たちはこの世界を守護する神共に天界を追放されて邪神になった。その恨みを晴らすためにな」
そうだっけ? 多分混乱してて聞いてなかったな。
とするとやはり魔王になれ、みたいなものか。
しかし恨みってのは分かりやすくていいな。
「まぁ人を殺すのは別にいいですよ。別にサイコパスってわけじゃないけど目の前で人が絶望するのは面白いし。けど自分が危険にさらされるのは御免です」
「それは十分サイコパスなんじゃ……。お前臆病なのになんか怖いやつだな……」
うーん、なぜか邪神様が引いている。
何か変なことを言っただろうか。
「まあ別に俺たちから指示とかはない。だが早めに楽しいことをやって見せてくれよな」
「はぁ、まあできるだけご希望に添えるように頑張りますよ。その代わり色々教えてくださいね」
「ああ、俺たちは常に暇だからな。全然かまわないどころかむしろどんどん聞いてくれ」
それはありがたい。
「では早速いいですか?」
「ん? なんだ?」
「この世界ってなんかステータスとかってないんですか? あるならそれを見る方法を教えてください」
そう、これが分からないと異世界生活は始まらない。
「あぁ、この世界ではそういうのは基本的に口に出すだけで大丈夫だ。魔法の発動やスキルの発動もな」
「なるほど、ありがとうございます」
よし、早速やってみるか。
「ステータスオープン!」
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名前:黒井 心 種族:人 職業:ダンジョンマスター
レベル1
スキル:『クリエイトゴーレム』『ダンジョン作成』『鑑定』『アイテムボックス』
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おお、すげぇ。
本当にゲームだな。
お、異世界転生定番の鑑定とアイテムボックスもある。
これは便利だな。
まあとりあえずこれで気になっていた問題は解決した。
後はダンジョンをどんどん作っていくだけだ。
そして俺は思った。
そういやダンジョン作にもDPが必要なんだった。
DPとかは分からないがダンジョンに人がいたり死んだりするともらえるだろ。
多分。
てことは人が必要なわけだが……。
まあそんな都合よく通りがかった冒険者が来てくれたりはしないよね。
となったら街へ行って自分からダンジョンの情報を街に流すしかないか。
となれば準備だな。
まずDPで人間の国の金が変えるので購入する。
通貨価値は分からないが銀貨100枚ぐらいあれば大丈夫だろ。
ちなみに銀貨1枚は1DPだ。
あとは食料か。
よさげなものを探していると、ちょうど日本の製品などが手に入ることが分かったので、とりあえず5DPの菓子パンを10個買った。
後は何かの時のために鉄の剣か。
それにダンジョンの情報を流すなら冒険者ギルドに登録するついでに流すのが一番自然だ。
となると武器も持たずに冒険者? となる危険があるので武器は必要だ。
うん、まあこんなもんでいいかな。
「アイテムボックス」
すると次元の割れ目みたいなのが現れる。
ここに入れればいいのかな?
試しに銀貨を1枚突っ込んで次元の割れ目に手を入れてみる。
すると銀貨の感触があった。
大丈夫そうだな。
残りの銀貨と菓子パン10個を入れる。
さて。
「邪神様、ここから一番近い人間の街の場所ってどこですか?」
「それならその洞窟を出てまっすぐ行ったところに街道があるからそこを右に行けば1時間ほどでつくぜ」
1時間か。
地球の感覚で言うと遠いんだけど開拓の進んでない異世界ならそう沢山街があるわけじゃないしむしろここから1時間の所に街があるのはラッキーだととらえるべきだろう。
仕方ない。
それじゃあ行きますかね。
早速ブクマと評価ありがとうざいます。
期待に応えられるように頑張ります。