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邪神と狂人の異世界無双戦記  作者: 不知火 翔
第3章 侵略編
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第24話:隷属化

2話目を更新するのをすっかり忘れていました。


 これで邪魔者は全て消えた。


 騎士団(える)、完全に僕の勝ちだ!


 などと茶番をしている場合じゃないのでさっさと女の子のもとへ一っ跳びだ。


 おっと、その前にエレベーターゴーレムを起動させて休憩所から何が起こってるのかを見えないようにしないとな。


『エレベーターゴーレム! 起動!』


 俺の命令に従い、再びエレベーターゴーレムが起動する。


 さて、転移するか。


「転移!」


 体が光り、俺は目を瞑る。


 一瞬頭がクラっとするような感覚があり、目を開くと景色が変わっている。


 この感じはいつになったら慣れるのだろうか。


 俺はダンジョン内に転移した。


 しかし彼女に驚いた様子はない。


 というより死が目前に迫っているという恐怖から、腰を抜かしている様子だし、もう混乱して頭が働いてないのだろう。


 抵抗されたりしたら無理やり拘束することになるから嫌だったが、この様子なら剣を振り上げて脅してみれば抵抗するのではなく目を瞑る。


 その隙に隷属の首輪をつけてしまえば……。


 幸いクリエイトゴーレムのスキルで作った鎧を着ていて、顔もヘルメットみたいなので覆っているので顔も見えない。


 おそらく混乱した彼女の目に映るのは襲い掛かってくるゴーレムと言ったところだろう。


 俺は腰に差した鋼鉄の剣を抜き放ち振り上げる。


 予想通り彼女は慄き目を瞑った。


 俺は素早く懐から隷属の首輪を取り出す。


 使い方は分かっている。


 こいつを奴隷にする者の首に取り付け、契約内容を言うだけだ。


 俺は素早く彼女の首に隷属化の首輪を取り付ける。


 そして……。


「一、俺の不利益になることはしないこと。二、俺の命令には従うこと。契約(コントラクト)! 転移!」


 俺は彼女を連れてマスタールームへと戻って来て、すぐにヘルメットを脱ぐ。


 こいつは防具としては多分優秀だが、中に熱がこもってうざい。


 マスタールーム内はダンジョンマスター以外の人間は立ち入ることができないが、奴隷は所有者の道具となるらしい。


 奴隷は人間とは認められないということのようだ。


「……!? ここは……?」


 そうこうしているうちに、彼女が気が付いたようだ。


 困ったな。


 どう説明したら一番反感を買わずに済むだろうか。


 だがあまり適当なことを言って後で嘘がばれたりでもしたらそっちの方が厄介だ。


 ここはありのまま話そう。


「えっと、信じられないと思うが俺はこのダンジョンのマスターだ。悪いが俺も命がおしいもんで返り討ちにさせてもらった」


 いや、ありのままとか言っておいて早速嘘をついてしまった。


 命が惜しいからじゃなくて嬉々として殺してたわ。


 そんでちょうど今侵略戦争しに行こうと考えてる途中だわ。


「え? 人間がダンジョンマスター? 流石にそんなわけ……」


 理解が追いつかないという様子だ。


 だがあり得ないと思いながらも辻褄は合うので混乱しているようにも見える。


 あんな状態から助かるのは普通はあり得ない。


 そんなあり得ないことが実際に起こったのだから人間がダンジョンマスターであるという話も信じざるを得ないだろう。


「信じられないかもしれないが今は信じてもらうしかない。そして君の仲間の騎士たちは3割ぐらいはやむを得ず殺してしまったが、他は休憩所の中で生きてる。しかし俺も君のような女の子を殺すのは良心が痛むそこで君だけは命を救った」


「そ、そうですか……。最初は彼らの命を奪ったことが許せませんでしたが考えてみれば侵略したのは我々の方。むしろ大勢の命を救ってくれて感謝しています。それで……」


 彼女の言いたいことは分かってる。


「言いたいことは分かる。これからの処遇だろ?」


 そう言うと彼女は驚いたように目を見張り頷いた。


 正直ここからの話は言いづらい。


 彼女は非常に聡明で適応力も高い。


 しかし隷属化の話となれば黙って大人しく受け入れたりはしないだろう。


 当然彼女は既に奴隷なのだから受け入れるも何も選択肢などないのだが、これから仲間として共に手を取り合いたい俺としては後に禍根を残したくない。


 だがこればっかりは後回しにすることはできないよな……。


 俺は意を決して口を開いた。

今年最後の更新でした。

それでは皆様、よいお年を~。

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