少年、エージェントに捕まる
少年とエージェントの話です
「は、放してくたさい!!」
「ふん、貴様は既に私からは逃れられない。大人しく投降しろ」
「ちょっと待ってください。僕って何かルールを破りましたか?」
「しらばっくれるつもりか貴様は? 証拠なら既にこの亀ラに撮られている」
「か、亀ラ?」
「この世界に落ちてきた異界の生物だ。何やら上司のすむ世界のカメラというやつに似ているので亀ラと私は呼んでいる」
「へ、へぇー。それで証拠って何ですか?」
「これを見ろ、さっきの無料食堂でのお前の犯罪行為だ」
「こ、これは……ん? ただ単にオヤジさんにラーメンを貰っているだけじゃないですか?」
「これがルール違反なのだよ」
「え? だってオヤジさんは俺がルールだとか……」
「そのルールは私が認めない!!」
「嘘だろ、ここに来てエージェントの俺がルールッ!?」
「ククク、私はなぁこういうその場その場でルールを変更する奴を気にくわんのだ。だからと言ってそれが他人のルールを破っているわけでもないから閻魔様に連れてはいけない。しかし、そこにこの世界の今だ右も左もわからない絶好のカモがいたら、誰だってそいつを狙うだろう?」
「マジかよ、エージェントって腐ってるのか」
「性根が腐っているのは私だけだ!! 他には物理的にと商業的に腐っているやつはいるがな!!」
「うわ、確かに臭いわ」
「え? マジ? 私どこか臭い?」
「脇」
「クンクン、うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「何か自滅したし、これほっといていいかな?」
「少年、いいと思うゾ!!」
「っ!? ですよねありがとうございます!! じゃあばいばいエージェント(笑)さん」
「……ま、待て。貴様……謀ったな」
「あ、エージェント(笑)さん後ろには気を付けてくださいね」
「な、何だ……?」
「極めて誠に遺憾だが、部下エージェントよ、お前を捕まえにきたゾ!!」
「じょ、上司っーーー!?」
「ドンマイだ、近隣の一般通過系魔法少女から(性格が)汚いものは認めないと通報されたんだゾ!! 大人しくお縄につくんだゾ!!」
「そ、そんなーー!!」
「やれやれ、これは気を付けないといけないな。そして今度件の魔法少女にあったらお礼を言っておこう」