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ニャンコと私と異世界と  作者: たちばな樹
番外編
84/85

解放のその先は。《ブランブル視点》

ブクマ、評価ありがとうございます(≧∀≦)

初の作品に過分な評価を頂き、感謝しつつ、身を引き締める思いです。

未熟な表現で勉強不足が露呈して恥ずかしいです。

評価を励みに精進しますm(_ _)m


将軍からの命でリアンの遺品探しが始まった。


同じく命を受けた、諜報活動をするドゥエルに捜査をさせ、自分も動いたが、そう簡単に見つかる物ではなく、困難を極めた。




ある日、リアンに関係する人物が襲われた。

リアンと友人だった者の、玄孫にあたる人物の屋敷らしい。捜査に託けてリアンに関係する物があるかもと、物色した。本来なら過剰な捜査だろう。だが、騎士団団長が直に指揮をすれば否を唱える者はいない。


他の部下達には、犯人探しをさせ、自分は屋敷の中をくまなく調べ、リアンに関する物の痕跡を探す。

ありきたりだが、図書室があったので、そこも捜査した。

魔術関連の書物に目を通すが、リアンに繋がるような物は見つからなかった。


ふと、リアンの遺品の中で、リアンは花が好きで自作のポプリを友人によくプレゼントしていた。とあった。

何の気なしに、本棚の中から花の本を手にし、開くと裏表紙に違和感を感じた。

表紙と裏表紙の厚さが違う気がする。裏表紙の表装をナイフで剥がせば、案の定。


ーー鍵が仕込まれていた。


ブランブルは、自分の勘にニヤリとほくそ笑み、鍵の形にくり抜かれ、そこにキッチリ嵌っていた鍵を取り出した。


何の鍵か分からない。

だが、術紋が刻まれた鍵は、ただの鍵には見えない。


胸元に鍵をしまい、溜め息をついた。



本と後始末はドゥエルが誤魔化した。

“襲った犯人” を 、”仕立て上げ”、犯人は処断された事になった。

元から、他の罪状持ちの犯人。

罪名が変わっただけだ、とブランブルは書類にサインをした。



再び、ある日、リアンに関係すると言われた廃墟を捜査した。どうやら隠れ家の一つにしていた屋敷らしいが、結界が貼られ発見される事がなかった。

だが、この近くで魔術師が魔術練習に魔術を放った所、違和感を感じ、偶然発見に至った。

大魔術師のリアンの隠れ家を、簡単に発見する事も、容易に近づく事も難しい。

見つけられただけでも快挙だ。

だが、魔術師団の人間もリアンに興味ある者や、宰相から命のある者は捜査に動いている。

この屋敷も、先に魔術師達に調べられている様だが、調べるのも仕事のうち。

用心しながら足を踏み入れた。


古く、朽ち掛けた屋敷を見回した。

表階段は家人が使うが、使用人は裏階段を使う。

使用人が動くのを人目に晒さない様にしているからだ。

その裏階段を二階から降りている時、階段が足下から崩れた。




落ちた衝撃で、強かに身体を打ち、暫く意識が飛んだ。

薄暗い中で目が慣れ、打った肩をさすりながら身を起こした。

小さな部屋に壁一面の本棚。

片隅に置かれた小さな机。

その上に、黒い木箱に目が止まる。


鍵穴のあるその黒い箱を見つめ、胸元に入れた術紋が刻まれた鍵を取り出した。


ーーカチリ。


難なく開いた箱を見つめ、何だか呼ばれた気分だ。と自嘲気味に苦笑いをした。


軽く開いた箱の中、白い布に包まれた本を恭しく取り出した。


ーーパチリ。


静電気、かと思う様な軽い痛み。

だが、その瞬間、意識が捕られた……。



強制的に頭に入って来た、制約。


呪いか!?と手を離したが、遅かった。

意識に刻まれた、“ソレ” は、リアンの知識流出防御術。

呪いの術は高度で、滅多な術師では扱う事の出来ない高等魔術。だから、滅多にお目にかかる事の無い術。

大魔術師リアンなら、易々と出来て当然か。と、愕然としながらも、納得した。

迂闊だった自分の所為だ。


とは、言え。報告出来ない制約は、騎士として任務を遂行出来ない事になり、顔を顰めた。


部屋の報告だけ、将軍に伝え、秘匿せざるを得無い、この本の所在に頭を悩ました。


人に話せない呪いは、話せば本が消える。

自分以外が本に触れれば、やはり本が消える。


呪いを解除しない限り話す事も見せる事も出来ないのだ。


ーーそして、他にも制約がかかっていた。



しかも、ソレはさらに面倒な呪いが付加されていた。


それに気が付いたのは、呪いを受けてからだいぶ経ってからだった……。


本に手を置き顔を顰めた。

呪いを受け、本について一切話せない。


そして……、



ーー好意を持つ相手に触れると、電撃が走る。



自分の感情を、自身に露わにされる事に困惑したが、好意を寄せ相手に触れられない事の苦痛は、かなり神体を苛ませた。




解決の糸口もなく、ただ、日々が過ぎていった。


そんなある日に、異変がもたらされた。




部下のシーニアが拾った猫。


それを、丁度騎士団を訪れた魔術師シャルトが、猫から人にした、と、報告が、来た。


ーー獣化。


それが頭によぎり、急ぎ向かった。

部屋に入れば、小柄な小娘が横たわっていた。


記憶の無い娘に呪いの解除は無理だ。

落胆し、諦め、それでも獣化に繋がるこの娘から、目は離せない。

糸口が掴めずとも、獣化に関わるであろう娘を手放せない以上、騎士団から出す訳にもいかない。


計算が出来る事が分かり、仕事と称して騎士団に留めた。


娘は、シャルトを通じ宰相派に目をつけられ、誘拐され、拉致され、騒動の渦中となった。

それについて、申し訳なく思うも、獣化に関わる娘を巻き込まざるを得なかった。



再び誘拐された娘は、再び人に戻ったが、様子が違う。

詰問し、問い質せば、異世界から来た、と。

リアン以上の不可思議に頭が飽和状態になりそうだった。


ーーそして、さらなる真実の先の真実。


大魔術師リアンの実験失敗。

それによる転移。


娘の話に頭が痛くなる思いだったが、娘は術師ではない。術の解除に繋がらない事に落胆した。



だが、日々の中で、娘は魔術を習う様になった。

それのおかげで俺は呪いから解放された。


ソレは簡単に解除され、暫し放心した。


長年、口に出来なかった報告。

ずっと封じられていた思い。


ーー全てが解放された。



解除され、やっと解放される。

ああ。

やっとだ。


やっと、動ける、か。




静かに、だが、凶暴な獣が解き放たれたように、ゆらりと立ち上がった。







ブランブルの過去と、何故リラに対して手厚くするか。の訳です。




ご読了頂きありがとうございましたm(_ _)m

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