表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ニャンコと私と異世界と  作者: たちばな樹
第二部
59/85

15 ニャンコと真誠と

ご読了感謝致します。

ブクマもありがとうございます(*´∇`*)

とても嬉しいです。励みに頑張ります(*´ω`*)


ブランブルは書類を机に置いた。


ドウェルからの報告を受け息を吐いた。


「一応、全て、一段落か………」



フォルニアス第一王子とイシェルワ第三王女の婚約は無事締結された。


それをもって、前宰相セルカーク・ガードゥンに纏わる騒動は、全て終わりを告げた。



前宰相の今ままでの事件は皇太后の甘言に乗せられ皇太后の母国レイニアン帝国に融通をさせるために画策していた。

皇太后は前宰相を優遇し利用していた。

母国に情報を流し、傀儡に孫のクラーレットをレイニアンに嫁がせるつもりだった。


前宰相は万が一の保身の為に獣化術を手土産にレイニアンに逃亡する予定だった。


本当の黒幕は、皇太后。

王は皇太后である母を処断する為に画策し前宰相の甘言に乗る振りをし、王宮の膿を出し切った。


そう、エサは王自身。

母を断罪する為の苦肉の策。

前宰相だけ処断しても皇太后は次を探すだけ。

レイニアンが背後にいる皇太后に迂闊な事はできず、皇太后ごと釣れるまでは時間がかかった。


事件発覚後、王は皇太后を王領外れの離宮へ隔離幽閉扱いとした。


レイニアンの皇太后を蟄居させればレイニアンがいい顔はしない。その予防策としてフォルニアスとの婚姻により停戦から国交復活で後ろ盾にした。


秘密裏に進めやっと落ち着いた今、一番安堵したのは他ならぬ王だろう。とブランブルは椅子の背もたれに身を預けた。





**********



豪華絢爛、豪奢な装飾に彩られた王の私室でディジェム国王とディルムンが対峙していた。



「今回の件、騒がせたな。母の暴挙をやっと阻止できた。お前にも迷惑かけたな」

「……いや」

「長かったな………」

ディジェムはディルムンに申し訳なさそうに目を伏せた。

目尻の皺や口元の皺が年齢を醸し出す。



「解決したのだから王宮に戻って来ないか?お前の隊、丸ごとでも良いぞ?今回は色々活躍して貰ったからな。近衛騎士団別働隊としてどうだ?」

ディルムンは視線を逸らしディジェムを見ない。


王家の首狩り鎌。

王族の断罪者。

それが6番隊の役目。

元は信用の厚い、ある臣下の一族に任されていた。ディルムンが皇太后に狙われていた頃に身を潜めた一族でもある。臣下に降り6番隊を任されてその一族を家臣としてディルムン選りすぐりの精鋭部隊となった。

だから皆の顔を余り知られないため隊長室に来ないのだ。


「いや、俺は騎士団のままでいい」

「それは何故だ?」

「俺は臣下に降りた」

ディジェムは身を乗り出しディルムンに詰め寄った。


「それは皇太后の目を誤魔化す為にだろ?」

「メイフェイア家のトリューすら謀った兄上なら俺が居なくても安泰です」

「今度はメイフェイア家に睨みを効かせる為にお前に居て貰いたいんだがな?」

ディジェムは言い聞かせるようにディルムンの目を覗く。


ディジェム国王は宰相に左右される愚王だと、メイフェイア公爵に判断された。

真相は皇太后を引き摺り出す為にディジェムが宰相の甘言に乗った振りをしていた。

トリューから王への苦言をディルムンに打診させる程トリューを騙せれば作戦は成功と言えるだろう。


況してや今は、将軍はメイフェイアの血族、宰相もメイフェイア家。

メイフェイアに固め纏めて警戒すれば楽だという目論みも含め牽制役にディルムンを必要とした。



「王宮には戻りません」

「もうお前の命を狙う者は居ない」

皇太后はディルムンの母である側室を毒殺し、ディルムンも狙われた。

実力主義のレイニアン。皇太后は自分の地位を脅かすものを排除していった。その為側室は殺されディルムンも狙われた。



「その断る理由には、この間のダンスの相手が関係しているのか?」

予期せぬ核心をつく質問にディルムンも一瞬戸惑い息を止めた。


「ふふふふ。そうか。………だがあの娘は何処の者だ?メイフェイア家のシャルトの連れだろう?」

ディジェムの目は楽しそうに細められている。



暇な貴族の噂は瞬く間に広がる。

舞踏会に現れたシャルトの連れ。

それを……


王弟が横恋慕した。

シャルトが王弟に差し出した。

王弟の好みの女性をシャルトが用意した。

様々な憶測と好機を含み醜聞を楽しみ、まことしやかに噂されている。


その噂にディルムンは苦虫を噛み潰したような顔をする。

だがリラの事は話せない。

確実に政治利用される。


自分の醜聞などリラとシャルトの噂が流布されるよりはマシだと納得しディルムンは溜飲を下げた。


答えに詰まり動揺を隠せていないディルムンにディジェムは目を細め笑みを浮かべて見つめていた。




◉ディジェム・レド・イシェルワ

イシェルワ現国王。49歳。

母がレイニアン出身の皇太后。

その母の影響の為、捻くれ者の尊大な我が儘に成長をしたが、ディルムンの母セレスティアルに出会い変わった。セレスティアルとディジェムは同い年。

実は、ディジェムはセレスティアルに片思いしていたが、父の側室になり壮大な失恋をする。

44歳の時、父が亡くなり王位を継ぐ。

子供は、王子と王女二人。

◉ティール・レド・イシェルワ

第一王子、21歳

◉クラーレット・レド・イシェルワ

第一王女、19歳

◉シャスティーン・レド・イシェルワ

第二王女、17歳



◉ディルムン・ヴォルテール 31歳。

ヴォルテールは母セレスティアルの姓。

父デリュージュ44歳、母セレスティアル18歳の時の子がディルムン。なので、兄王ディジェムとは18歳違う。


◉セレスティアル・ヴォルテール

子爵の娘。18歳の時、デリュージュ王に見初められ側室となる。



◉デリュージュ・レド・イシェルワ

前王。ディジェム、ディルムンの父。

フォルニアスと不可侵条約を結んだ後、一年後に71歳で死亡。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ