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ニャンコと私と異世界と  作者: たちばな樹
第二部
47/85

4 ニャンコと番犬と


今日も休みでブランブルに散歩報告。


「嬢ちゃん楽しそうだなぁ。今日はどこに行くんだ?」

「今日は3番街の裏路地の空き家に、茶トラの子猫見せてもらうんです!」


呆れ顔でブランブルに見られているのもかまわず私は子猫の可愛さを熱弁した。

「赤ちゃんの肉球小ちゃいんですよ?ミーミー鳴いて可愛いいですよねー」

茶トラママと仲良くなったので会いに行けるんです!と力説しとても伝わらなさそうなので、では行ってきます。と退室しようと思った時、ふと思い出した。



「ブランブル団長、そう言えば……猫達が変な匂い嗅いだって言ってました。8番街の奥らしいですが……具合が悪くなるって言ってたから…」

猫の言う事なので…気にする事じゃないかもしれませんが……。と尻すぼみで言い、自分でも変な事言いましたね?と、首を傾げてちょっと後悔しつつ、では行ってきます。と退室した。






部屋に戻り猫化すると窓から外壁の飾りに脚をかけひょいひょいと外に出た。




街を歩いて人の流れを見て屋根の登り街並みを眺めながら散歩する。



3番街の裏路地の空き家に着くと物置の隙間に顔を入れて、ニャア。と一声かけた。


『お邪魔していい?』

『いいわよ』


私は茶トラママの返事を聞いてお邪魔すると咥えて持ってきた干し肉をママに渡した。


茶トラママがお腹に赤ちゃんがいる時に他の猫に攻撃されているのを助けてから懐かれた。今では赤ちゃんを見せてもらえる仲になった。



暫し子猫を堪能しママ猫と話しをすると雨音に気が付いた。

降り始めた雨は一気に強くなり本降りとなった。


『あーあ。どうしよ……。かなり本降りだ……』


ザアザアと音を立てバシャバシャと屋根に雨が当たり、視界一帯は雨のカーテンが引かれた。

見渡せない視界を前にうろうろと物置の前で私は足踏みをしていた。雨が小雨になるまでは動けそうも無く恨みがましく空を眺めていた。



しばらくの間そうしていると名前を呼ばれた気がした。


(…………気のせい?)


気のせいと思うも、気にはなるので物置の軒下伝いに回り込むと人が立っていた。


紺の外套でフードを被り佇む姿は、見上げるのが大変な大男と分かる。フードの影で顔が見えないが、私が軒下から見上げているとその大男が口を開いた。


「リラ、帰るぞ」


『ヴ二゛ャァン?』

(ディルムン?)


驚いて見上げる私を余所にディルムンは私に屈み込み抱え上げると外套の下に収めた。

腕に乗せられ私はディルムンにへばり付く様に抱えられた。私は驚きで身動きが出来なかった。


外套で視界は遮られ温かい手に支えられディルムンの体温が身体越しに伝わる。揺られ温められ私はいつしか眠りについていた。





私は気がつくと温かい手で頭を撫でられていた。

目を開ければ大きな手が視界一杯に覆われて周りが見えない。


『ふにゃん?』

(なに?)


私の鳴き声でその大きな手が退かされ視界に光りが入り目を細めて見上げるとディルムンが見下ろしていた。


慌てて見渡すと私はディルムンが片脚を組んだ脚の上で寝ていた。


『二ヤアーーーーーーーー!!』

(なんでーーーーーーーー!!)


飛び起きて鳴き叫ぶとディルムンにくつくつと笑われた。





****





ディルムンはブランブルからリラの話しを聞いた。


猫の散歩。


気楽なものだ、と呆れていた。



俺は用事で街に出たが空模様が怪しかった。雲の流れが早く雨が予想出きる空模様だ。


用事を済ませ、ふと、リラが居るであろう3番街を通る事にしてみた。今日3番街に行く話は聞いていた。

前に猫を助けた話しを聞いていたその場所に寄ってみた。


名を呼び反応が無ければ戻るつもりでいたが、リラが物置の陰から出て来た。

やはりこの雨で足止めを食らったようだ。


意外に大人しく抱えられていると思えばリラは寝ていた。


その図太さに呆れもするが可笑しくもあった。

俺は小さい頃から感情を出す事も少なかった。環境も立場も気が抜ける環境では無かったからだ。

無表情、冷徹、厳ついと周りから嫌厭される事の多い俺といて呑気に寝るとはなんと能天気か。


部屋に着いても寝てる図太さに呆れたが無防備な姿に和まされたのも確かだった。

眠るリラの置き場所に困ったが起きた時の反応を思い、俺は椅子に座り組んだ脚の上にリラを寝かせた。


規則正しく上下する腹部を撫で頭を撫でれば、んにゃ。と手に擦り寄りそのまま寝ている。


リラの国は夜中でも女性が一人歩きできる程の平和な国。

平和ボケしてると言われている。とリラは言っていた。

ボケられる程の平和とは考えもつかないが。


(このリラを見れば平和そのものか)

目元を緩め脚の上の猫を眺めた。



起きたリラの反応は思った通りだ。

思わず喉を鳴らして笑うとリラに威嚇された。



ーー威嚇されても怖くも無いのだがな。






厳ついヤツとニャンコの図を描きたかっただけ。な話し。


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