3.5 ニャンコと仮説と修正と《ディルムン視点》
リラはある日ブランブルに話しがあると会議室に呼ばれた。
俺は、行ってこい。と短く言葉を告げ書類にペンを走らせた。
すぐに戻ると思っていたリラが中々戻らず様子を伺いにブランブルの所へ向かった。リラとブランブルの声が会議室から漏れ聞こえ吸い寄せられる様にドアに近づいた。
半開きのドアから聞こえるその話を俺は複雑な心境で聴いていた。
「私はこの世界の異端者だもの。居るべきではない者……」
揚々なくリラは言う。
『違う』
口に出掛けた言葉を飲み込んだ。
今リラはここに居る。
それ以上も以下も無い。
今居るリラに意味がある。
その想いをしまい俺はリラの言葉に耳を傾けた。
ブランブルの死の質問にさえリラは淡々としている。
「別に?死ぬ時は死ぬし、……迷惑かけない方がいいもの」
俺は息を押し殺すように長くゆっくりと吐いた。
『リラの基準は、死より迷惑が上か………』
理解出来ない感覚に俺は目眩を覚える様だ。
リラは人に頼らない、それは迷惑をかけるから。
それがリラのプライド。と理解は出来なくとも納得をした。
リラは迷惑かどうかが基準なのだと。
それを俺が知っていればいいだけだ。
結果ブランブルがリラを諭しリラの考えを変えた様だが……。
「…………ブランブル団長は男前ですね」
その言葉は聞き捨てならない………。
思わず俺は口を挟んだ。
「そろそろウチの計算担当を返して貰って良いですかね?」
驚いているリラと視線があったがブランブルの人の悪そうな顔に俺は顔を顰めた。
「………仕事が進みません」
俺は露骨に不機嫌な顔をブランブルに向け一睨みした。




