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ニャンコと私と異世界と  作者: たちばな樹
第一部
39/85

33 こぼれ話 ニャンとも侵略

リラちゃん騎士団に慣れた頃のお話。




カシャカシャカシャカシャカシャ……



只今、黄卵攪拌中。



今日は食堂の料理長に嘆願懇願悲願のお願いをして調理場をお借りしております。


料理場を使用しない間、その時のみ限定で使用許可を貰いました。


この世界の料理は普通に美味しいです。

イタリアンっぽかったり、フレンチっぽかったりアメリカンっぽかったりと料理によって、っぽい。のだが……


日本っぽいのが無い!!!


醤油味噌が無い!

祖母が手作りしていて教えて貰ったことがある。私も麹菌があれば作れるけど、麹が無ければ作れない〜〜!

麹そのものを作るには適正温度で2日近く蒸したり?保温がかなり大変らしいと聞きかじりの知識しか無い。正式な作り方も分からない。適した豆もわからない。醤油の麹は確か日本独特な物だった気がするし。と思案に暮れて私は項垂れた。


ああ。

醤油味噌がダメなら、せめて馴染みの味を!!



なので身近な調味料を作る事にしました。

火を使わず、卵、油、塩、酢だけで作れる簡単レシピ。

マヨネーズ!


日本っぽいってわけじゃないけど食べ慣れた味が欲しいです!


文化侵略を懸念して料理にも手を出さない様にしてたけど、……限界です。


家ではマヨネーズ用の料理機具で作ってたから簡単だけど、人力は疲れます。


油と酢の匂いがチョット違うけど、っぽい物。さえ作れればそれでいいんです!


油を少し入れて卵黄攪拌、油を少し入れて卵黄攪拌、繰り返し繰り返し。

疲れて来た所にシーニアが来た。


「え?シーニアどうして?」

「リラが料理場で何かしてるって聞いて来てみたんだ」

おおぅ。何故?話が行くのが早くないですか?と私は心の中でごちる。


「チョット故郷の味を……」

私はなんだか恥ずかしくて小声でボソボソ言い、作業を続けた。

「大変そうだね。手伝うよ?」

その提案受付ます。


「ありがとう」

私は思わず心から破顔するとシーニアは笑いながら、貸して。と持っていたボールとホイッパーを手にした。

「混ぜればいいのかな?」

「クルクル回して貰える?」

シーニアに攪拌して貰っている所に油を少しづつ入れる。

「人間攪拌器。凄い〜!」

「鍛えてるからね」

「その筋肉が羨ましい」

自分の腕をプニプニしながらシーニアの腕を見る。

「リラに筋肉は要らないから。そのままでいいんだよ」

シーニアはちょっと困った様に笑いながら攪拌をしてる。


話しながらもシーニアの腕力で思ったより早く作れた。

出来上がったマヨネーズをスプーンですくい小皿に入れた。小皿からひと匙すくい味を見る。

舌に転がしバランスを確かめる。

( 油と酢に癖があるから塩は控えめにしたけど、うーん。やっぱり塩追加かな? )


味を確かめ吟味している私にシーニアが、どう?と首を傾げて聞いてきた。

うん。そうだね…。と、もう一度味見をしようとマヨネーズをすくうと、俺も味見。とシーニアは私の手をスプーンごと握り口に入れた。


強制あーんをさせられ私は耳を赤くしながらシーニアに抗議する。

「勝手に食べないの。コレは調味料だからコレ単品の料理じゃないのにー!」

「調味料?」

「揚げ物に付けたり、野菜に付けたり、パンに付けたり色々する調味料なの」

「リラ料理するの?」

「一人暮らししてたから……」

そう言うと、私はハッと気が付き言い淀む。


「リラの料理が食べてみたいなあ」

と笑みを浮かべ、コレも付けて食べてみたい。と戯けていた。

「手伝ってくれてありがとうね。おかげで早く終わったよ」

「お礼はデートでいいよ」

と笑いながらシーニアは仕事に戻って行った。



料理長に、どんな感じに出来た?味見をしたい。と言われ渡すと、どんな風に使うのか聞かれ話した。すると何か調理し始めた。


あ、ヤバイ。侵略したかも?




夕飯の揚げ物に、今までは果物ベースの甘辛ダレだったのがマヨネーズも追加されていました。ああ………………。

…………マヨネーズ美味しいよね。うん。



異世界にマヨラーが発生したとかしないとか。





2017.4.8修正

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