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ニャンコと私と異世界と  作者: たちばな樹
第一部
23/85

20 ニャンコと荒涼と

なんちゃって戦闘。似非殺陣シーンで後半に流血表現あり。無理矢理表現がありますので、ご注意下さい。



ぼんやり見える天井。

動こうとしても身体が怠くて重く動けない。


( ここどこ? )


頭を動かし周りを見るも少し動かしただけでも視界が回りそうな感覚になる。


( 頭がクラクラするし、身体が動かない。ベッドに寝かされているけど知らない部屋…… )


霞む思考でぼんやり状況判断するが集中するのも難しい。


( ……夢を………見た気が………… )




起きているのも辛くなりまた眠りについた。






「まだ目を覚まさないのかよ」

「薬が効き過ぎだ」

「とにかく目を覚まさないかぎり話しにならん」

「解毒剤無いのかよ」

「切れるの待ちだ」

「待つのだりー」

「指示はきてるのか?」

「今はまだだ」



私は再び目を覚ますと遠くから薄っすら聞こえる会話に耳を澄ませた。


( あぁ、また誘拐されたの? )


私はやっと状況を理解したが状況は変わらない。だがさっき起きたよりは頭が回る。それでも意識ははっきりせずぼんやりと宙を見つめていた。


ガチャリと金属音が聞こえ足音が近づくのが聞こえやっとの思いで音の方に顔を向けた。


「起きたか」

男が部屋に入っていた様だ。


「起きれるか?」

力なく頭を横に降れば男の顔が顰め面になる。

「頭が……クラクラ……する」

そう言うと男は口の端しをイビツに歪め吐き捨てた。

「口が聞けりゃそれでいい」

男はドアを出るとガチャリと鍵を掛けて行った。




「そろそろ定時だ。連絡を送る」

一人の男が術を展開し起動させ手紙を送る。

「あとは指示待ちだ」

男はそう言うと椅子に座り酒を仰いだ。



**********



遅々として情報は集まらず苛立ちが騎士団を包み込んでいた。


ブランブルにその情報がきたのはリラが居なくなって2日目の事。




夕方、魔術師団第1部隊キムリに動きがあった後、程なくしてその情報は入って来た。



“ 2日前に東の王領に向かう馬車1台あり。その先の別荘は廃嫡のため今は未使用 ”



ーーグシャリ。


伝令の紙を握り潰すとブランブルが吠えた。

「お嬢ちゃんを迎えに行くぞ!!」



時間が惜しい。

少数精鋭で向かう。


準備を進めているとシャルトが慌てて駆け寄って来た。


「微かですがリラの魔力反応が復活しました!」

シャルトは自身のピアスに手を当てて魔力の確認をしている。

「離れている為ハッキリとは確定出来ませんが方向は分かります」

近づけば確実に。と言いシャルトも追従する事になった。


シーニア、ディルムンに先陣を斬らせ配下数名とシャルトも馬を走らせた。




**********



私は、よく分からないが監禁されているのは理解した。

何かの薬で動けないのも分かった。

あとは自分が何が出来るか。


……そう言えばシャルトが言ってたなぁ。

“感情が激しければ最悪魔力が暴走して周りを巻き込むから危険”って。なら?暴走させて奴らごと吹き飛ばす?って暴走がよくわからないし、私も危険か……却下!

気分で魔力が変動するから平常心が大切です。とも言ってたし、シャルトの丁寧な口調は平常心か。ああ。集中出来てないや。平常心、集中、平常心、集中。何があるか考えなきゃ ……頭がクラクラする…………



考えているとガチャリとドアが開いた。

「眠り姫のお目覚めだ」

「丸三日も眠りゃ十分だろ」

男が二人入って来て私の様子を伺い、一人が無理やり私を起こし担いだ。

「まだ薬残ってるじゃん」

「口が聞けりゃそれでいい」

「そりゃそうか」

抵抗も出来ないくらいまだ身体が重い私は大人しく担がれ部屋を出た。

隣の部屋に運ばれ椅子に座らせられ私は背もたれごと縄で縛られた。



私はふらつく頭を上げ周りを見れば見知らぬ男が3人いる。

全身を包む黒く長いロングマントのフードを被った男と、細身で身軽な服装の男、厳つい皮の防具を付けた無精髭の男。


私は頭を上げていられず項垂れる様に頭が下がる。それを細身の男が私の髪を掴み頭を上げさせた。

「ダメだよー話しがあるんだからー」

「うっあっ!」

髪を掴まれた痛みと頭のふらつきで私は顔を顰め呻き声が出る。

「質問に答えて貰おうか」

フード男が、フードの影から鋭い視線を向けた。


「獣化の事を話せ」


( あぁ……それか )

顰めた顔で、知らない。と言えば髪をぐっと引かれまた痛みで呻く。

「いっ!たっ!本当……に知ら…ない。私…魔術師じゃ…な…い……!」

「隠すとためにならんぞ」

「だ…からっ……、知ら…ない……って…」

髪を掴まれたまま、まだ頭はクラクラして痛みと恐怖に涙が浮かぶ。

「手段は色々ある。早く言った方が楽だぞ」

「だ……っから…術は…知ら、ない………って!」

私は恐怖で何も考えられなくなっていく。


「もー俺面倒なんだけど。コレでちゃっちゃと終わらせない?起きるまで時間かかり過ぎだし」


細身の男は髪を掴むのも面倒とばかりに髪から手を離しポケットから小瓶を出した。

「薬で自白して貰うのが手軽だよ?」

「……時間も無い。使うか」

フードの男は立ち上がると私の顎を押さえ鼻を摘み塞ぐ。そこへ細身の男が小瓶を開け中身を私の口に流し入れた。すぐに口も塞がれ否応なく飲み込みゴホゴホ咳き込むと手が離れたのが分かった。が、また意識に霞がかかって遠くなった。











フードの男は笑う。


「なんと言うことか!ありえるか?信じられん!!この娘が居れば全てを手にしたと同意!」

興奮するフードの男を細身の男は冷めた目で見ている。


無精髭の男は意識のないリラを拘束していた紐を切り担ぎ上げるとまたベッドに寝かした。

「因果な娘だな」

ポツリと呟き部屋を出た。



無精髭の男はフードの男に鋭く視線を向けた。

「いるのが娘の知識なら身体は要らないな?俺がもらうぞ」

細身の男が文句を言おうとしたら、無精髭の男に鋭い視線と殺気を向けられ動きが止まった。無精髭の男が有無を言わさず許可ではなく決定事項として告げると男は部屋へと向かった。




フードの男は嬉々として机に向き手紙を書く。

娘の話は長く書くのも儘ならぬ程気が急いていた。フードの男はペンを走らせ手紙を書く。


異世界から来た娘。リアン・シュベーフェルによってこちらに転移してきた。獣化は召喚術と併用して使用可能。獣化後、転移使用の可能性有り。何より娘の異世界の知識。


前の薬が残っていたせいか、聞き出すのにかなりの時間がかかった。

娘の途中意識は途切れ途切れになったが、途方もない情報を聞き出せたのだ。







無精髭の男は横たわるリラの掛布を剥ぎ全身を眺める。乾く唇を舌舐めずりし口の端を歪めた。

「さっきの呻く顔よかったなぁ。また見せてくれよ」

そう言うとリラの頬に手を当て親指でリラの唇を指の腹で撫でる。そのまま手を下に滑らせ首を撫で襟元に手を寄せると、プツリ、プツリとボタンを外していく。

無精髭の男は服を肌蹴させるとリラの頬をペチペチと軽く叩いた。

「目を覚ましな娘さん。寝てたらつまらん」






私は頬への刺激と肌寒さで意識が戻るとさっきの部屋の天井だとわかった。それと無精髭の男が視界に入る。


「寒っ……何?…どう……なった……の?」

自分でも驚くほど掠れた声で何があったか分からず動揺する。


無精髭の男は寝台の縁から手を着いて私に覆い被さった。

「こういう状況だよ。娘さん」


私のぼやけた意識が急な事態に戻るが、状況について行かず混乱する。私は手を無理やり動かし抵抗するも簡単に無精髭の男に両手を押さえこまれる。両脚も脚で抑え込まれ動かす事もできず、圧し掛かられた腹部は圧迫と共に寝台にギシリと沈み込んだ。

腹部への圧迫に、うっ。と呻けば無精髭の男は、耳元でくつくつ笑う。

この反応が欲しかったんだ。と耳朶を舌で舐め上げ耳腔に舌を差し込み押し付けた。

「はっ……っ!やぁっっだ!やめ…てっ!」

恐怖と悪寒と気持ち悪さとごちゃ混ぜの感情が思考を支配し何も考えられなくなる。


無精髭の男は片手で両手を拘束すると空いた手で下着の上から柔らかな膨らみを撫でる。

「やだっ!はっ……なしっっ!てっっっ!」

耳から首に舌を這わせ鎖骨を伝い撫でている反対の膨らみに布越しに口で喰む。

無精髭の男はくつくつと笑いながら柔らかな膨らみを掴み手で歪ませ先端を摘み揉みしだく。口で膨らみの先端に歯を当て甘噛みをし双房が蹂躙されていく。震える手脚は恐怖で動かす事も出来ず眼からは涙が溢れる。


「やっ………………」

私は溢れる涙と恐怖に喉が詰まり絶望が去来した。





その時、物音が聞こえた。


無精髭の男は傍らに置いた剣を掴み鞘から抜きドアを向いたと同時にドアは蹴破られた。

「リラッ!」


蹴破られたドアを機敏に避け飛び退いた無精髭の男はシーニアに斬りかかる。

それをシーニアは振り降ろした剣の勢いで相手の鋒を叩き落とした瞬間間合いを詰め下から斬り上げた。疾る血飛沫が剣先の軌道に弧を描く。それは瞬く合間の一瞬で斬り結ぶ間も無く終った。

私はノロノロと身体を起こしその一瞬の出来事を茫然として見ていた。


「大丈夫か!?」

語気の荒いシーニアにビクリと身体が揺れるのを見咎めたシーニアは、マントを私に掛け、ごめん。と謝った。



「大丈夫?」



それはいつものシーニアの大丈夫。

優しく穏やかにいつも私に言う大丈夫。




ホロリホロリと流れる涙。


シーニアだ。

シーニアが来てくれた。

全ての感情が迫り上がり喉を塞ぐ。



私は掠れた声で呟いた。

「シー……二ァ…………っ」


シーニアは私を抱き寄せ包み込んだ。

「遅くなってごめん」







2017.1.14、修正

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