閑話休題 ニャンとも誰とも
12話後の頃の話。
「ディルムンコワイでしょ?」
シーニアが揶揄いながら私に聞いてきた。
仕事に少し慣れた頃、休憩室でシーニア、シャルトとお喋りになった。
「いえ別に?怖い顔してるだけで怖くはないですよ。眉間に皺が寄ってるのが通常仕様なだけで仕事中は気にならないです」
私がそう答えるとシーニアに意外そうな顔をして驚かれた。
いつも怖い顔だから慣れたよ?と私が眉を下げて答えたのが意外だったらしくシーニアに疑わしげに見つめられた。
「じゃあ、俺は?」
「気遣いできて優しい人?」
私は首をコテンと傾げて考えるとシーニアは困惑顔をしている。
「なぜ疑問形?」
「時々飄々として猫みたいな所があるかな?」
「猫か。猫はリラでしょ? 」
「私は猫化であって中身は猫っぽい訳ではないですよ?シーニアは気配りできて回りを見る割りにふざけている様で真面目だったり、捕らえどころの難しい人かなって?」
私が困惑しながら悩んで首を傾げているとシーニアに詰め寄られた。
「じゃあ一言で言うと?」
シーニアは興味津々に私に向いた。
「見てて賑やか」
「酷くない?」
「酷くない」
「えー?」
「楽しいってこと」
この会話そのものも楽しくて私が笑って答えればシーニアは困り笑いをしながら頭を傾けた。
「それじゃ言い返えせないなぁ」
私も、ふふふ。と笑いあえばシャルトが会話に参加する。
「では、私は?」
「基本穏やかですね」
私のその答えに穏やかに笑うシャルトに、でも…。と言葉を続ける。
「にっこり笑顔で違うこと考えてそうで腹黒。
もっと素直に生きればいいのに。顔面神経痛になりそう。肩の力抜いたら?」
この世界はテレビや映画の様な装いに現実感が薄れ逆に一歩引いて見てしまう。
思わず役者は大変だろうなぁと思い客観的に見てしまい、私はつい口に出た。
ピシリと音が聞こえそうな程動きが固まっているシャルト。
「ほら、それ。作り笑いはいいから、困ったら困ったって言えばいいのに」
困まり顔のシャルトが作り笑いをするのが分かる。
「見てて息苦しい時あるから、そんなに作ってたら疲れちゃうよ?」
シャルトは黙ったままで考え込んでいた。
シーニアは、まぁまぁ。と場を和ませ、セレンはどう?と聞いてきた。
「セレンさんは素敵女子です。憧れます。ああなりたい……」
私が思い出す様に目線を上げていると、シーニアが焦って慌てている。
「駄目やめて。なっちゃダメ。リラはそのままでいて。アレが二人に増えたら困るから」
「……セレンさんに言いますよ?」
私が半目でチラッと見れば更に焦るシーニア。
「やめて殺される。次の訓練で殺られる……」
焦るシーニアが可笑しくて私は笑っていた。
のんびりとしたそんな午後の日のひとコマ。




