運ちゃんと転生
少しでも楽しんで頂ければ嬉しいです。
ある日、通学途中赤信号で待っていたら周りの悲鳴が聞こえ、なんだとそちらを見ればトラックが僕へと突っ込んできていた。
次の瞬間真っ暗な闇に落ちて、目を開いたらとある男の子に転生しちゃっていた。
そして、どうやら運転手だったおじさんも一緒に転生していたらしく、しかも双子の弟である……。
同時に記憶を取り戻して、2人で慌てて……いやぁ、懐かしい。
「おーい、兄ちゃん。ボーッとしてどうしたんだ?」
「あ、すみません。今行きます」
で、今では2人で大冒険の真っ只中だったりする。
うん、結構Web小説とか読み漁っていた僕が無駄にテンション高くなってしまったりして、で、ポカーンとしていた弟に説明した所、僕以上にテンションが上がって。
その後、僕の説明したとおりファンは魔力チートで、何か僕が身体能力面でチートだったみたい。
残念ながら女性関係のチートは付かなかったようで、調子に乗ってニコポナデポ狙いまくって2人共に大変な目にあった事は……うん、黒歴史だ。
うん、やりすぎて貴族の女の子皆に嫌われるは、あそこの子双子はヤバイ認識されるは、それが原因で実家から追い出されるわ。
もう開きなっているから良いんだい。
反省活かして、今度は奴隷の子達を買おうって話し合って決めたしね。
「ほらほら、奴隷ハーレムが俺達を待ってんだからさ!」
力強い弟の言葉。
まぁ、前世で圧倒的に年上だったから、完全に今世での関係は弟が兄で僕が弟みたくなってしまっているけどね。
そして、色んな意味で掛け替えのない相棒って訳だ。
うん、双子だからか何かなんとなくだけど相手が何考えているかわかるしね。
次こそやり過ぎないように気を付けないとなー。
調子に乗って弟は屋敷破壊しまくるし、僕も庭ボコボコにしてよく怒られてたからなー。
追い出す時恐れている割りにブチギレてと言うか、開き直って親父に叩き出されたし。
流石に親殺しなんてしたくないから、弟と共にされるがままだったけど。
「はーい!」
先をガンガン進む弟に返事をして駆け出す。
さぁ、僕らの未来はきっと明るいぞ!!
……明るいと良いなー。
願いながら森の中を進んでいくのだった。
「って、何でこうなるのー?」
「馬鹿! 喋る暇があれば走れ!」
「馬鹿って、誰のせいかなー! くそぉー!」
胸にはそれぞれ女の子を抱え森の中を疾走する。
弟は浮いてて楽そう……に見せて汗が凄いから多分きついんだと思う。
「待て! 貴様ら逃がさんぞ!」
響く地の底から這う声にますます足は早まるけど……距離は殆ど開いていない。
と言うか、巨体の癖にめっちゃ早い!
「待てと言われて待つバカがどこにいるかー!」
「やめてー、煽らないでー!」
全然逃げきれる要素がないのに、楽しそうに煽る弟に泣きたくなる。
何が悲しくて全く僕らの攻撃が通じないドラゴンから逃げなきゃならないの?
言うて胸の子達を助けるのは僕が提案したんだけどさ。
無事あいつが気づく前に逃げられそうだったのに、なんでか全力の魔法を叩き込む弟。
いやいやいやいや、あれはまずいって言ったじゃんかよー。
チックショー!
逃げ切れたら、絶対、怒る!
結局何年も何年も追いかけっこは続き、その間も時に弟のせいでだったり僕のせいだったりで問題を起こしつつ。
でも、何だかんだ楽しい日々が続いている。
ただ、その道連れに相棒の弟だけでなく、あの時助けた女の子2人も合流して……。
うん、結局奴隷なんて買わなかったのだけど、物凄く幸せである。
相棒たる弟と、そして嫁に愉快な仲間達にと。
うん、異世界転生って悪くないね。
未だに前世の父さん母さんに思うところがない訳じゃないのだけど……、結局はどうしようもない訳だし。
弟は天涯孤独の身で良かったーなんてのんきに言っているけど、多分僕と同じで自分の嫁だけには悩みこぼしているのだろうなぁ。
僕ら何だかんだ相棒でそしてライバルだから。
ふふふ、これからもお互いどちらかが果てるまで宜しく!
ネタが浮かんで一気に書き上げました。
ぶっちゃけどれだけスリムに出来るかに挑戦しましたので、ボリューム的な不安ではありますが、少しでも楽しんで頂ければと願っております。
それでは、ご閲覧誠にありがとうございました。