最終話 :喜びで気絶を:
これで最後だ!
宿屋を始めて五年後
「ユーさん!今日は部屋空いてるかー!」
「おぉ?空いてないぞー。てゆーかお前どれだけ俺の宿屋が好きなんだよ」
宿屋を始めて五年は経ったがかなり繁盛している。
「だってよ。ここは部屋の環境もいい。酒も飯もうまい。馬鹿な奴に絡まれることもない。貴重品は預ければ必ずそのままで帰ってくる。おまけに他の宿屋より少しだけだが安いってなりゃここに来たがるのは当然だろ?」
「ほめても部屋は空かないぞ?」
「くっそ――――!!!」
俺の宿屋の名前は『癒しの宿』。
はじめは部屋が足りなくなる事は無かったんだが一年ぐらいで増えてきた。
夜になると情報を売っている。勿論悪用しようとするやつは実行したところで俺が捕まえている。あとは、何でも屋か、なんかギルドに回っていた雑用の依頼が俺のところに回ってきている。長期に亘るものは保留にしてもらい一日で終わるものを積極的にやっている。だいたいは身体強化などの魔法があるから一日で片付いたりしているから保留はしたことがない。
弁当なんかも注文されれば作っている。金は飯が少し高くなっているからそっちで儲ける。大抵うまければ売れるからな。
「そういやぁ、聞いたかよ。ユーさん」
「何がだ?」
「この町にSランクの冒険者が来たらしい」
「その話か。聞いてるぞ?」
「この宿に来たらどうするよ?」
「追い返す」
「ユーさんマジで言ってんのか!?今ではかなり有名になってんだぞ!?Sランクを追い返すってことになったら・・・」
「知らん。俺も元Sランク冒険者だ」
「そうだけどよーんじゃ、何かいい狩場教えてくれよ」
「そうだな・・・西の森をちょっと行ったところにサイレントイーグルってゆう鳥系の魔物が出たんだってよ。その肉がかなりうまいらしい。そいつの羽もいい値段だからいいと思うぞ?お前は確かBランクだからいけるだろ」
「ありがとなユーさん」
そう言って出て行った。
「じゃ、ちょっと出るか」
そこらへんで飲んでいるやつに話しかける。
「ちょっと出てくから、店番頼んでいいか?」
「ん?おぉ、いいぞユーさん。その代り飯一品まけろよ?」
「わかったよ。金はとるなよ?」
「ユーさんから金をとったら死んじまうよ」
俺は余りものをスラムに持っていき食料を分け与える。
「毎度毎度ありがとうねユーマさん」
「ほんと感謝してるよ」
大人たちから感謝され、
「ユーマ兄ちゃん!」
「ほんとだ!ユーマおにーちゃんだ!」
と言って子供たちが抱き着いてくる。
「仲良く食べてね」
次にスラムを出て食べ物の買い出しと無くなった酒の補充わしに酒屋に行く。
「ユーマか!いらっしゃい。いつもと同じか?」
「おう!頼むわ」
「ユーマ君!魚もいつもと同じかい?」
「あ、はい!よろしくお願いします!」
「おーい。ユーマ!肉も一緒でいいか?」
「よろしく―!」
俺は金を払い手持ちがいっぱいになったところで一度宿屋に戻り、酒屋に行く。
「おぅ、ゆーまか!ヒッ・・あぁ、まーたのみすぎちまった」
「今日はどれだけ飲んだんだ?」
「樽1杯だな・・・で?きょうはなにがいいんだ?」
「飲みすぎだよ・・・。今日な、アプの実の果実酒と火炎酒をくれ」
「くそ、酔いがさめちまった。果実酒は解るが火炎酒なんか誰が飲んだんだよ」
「あー冒険者15人がな・・・飯を食いに来て調子乗っちゃって止めたんだが出せ出せ言うから出して飲んでもらったら後の祭りだ」
あの時は大変だった。結構鍛えた冒険者は重い重い。プラス鎧とかの重さだろ?
「ガハハハハハ!俺でも酔いつぶれるのにな!ほれ持ってけ!火炎酒はおまけにしてやる」
「じゃぁ、ありがたくもらってくよ」
俺は宿屋に戻り店番をしてもらっていた冒険者に金貨一枚を渡して解放した。
入り口から見てカウンター裏の左側の扉に入っていきキッチンに野菜などを置きカウンターに戻り棚に酒を入れ準備完了。
だんだんと冒険者が帰ってきたり飯を食いに来るやつが増えてくる。
「おーいユーマ。お前また冒険者やらねーのか?」
「あぁ、もうあんな事はごめんだ」
「零の巨人殺しも疲れちまったか」
「そうだな」
笑いあっていると。また客が来た。
「いらしゃい!」
「お、おいユーマあれSランク冒険者だ」
「女だったんだな。Sランクとしか聞いてなかったわ」
女冒険者がカウンターの前の席に座る。
俺も注文を取るために前に移動する。
「すげぇ、元Sランク冒険者と現Sランク冒険者がご対面か・・・」
「確かにな」
ひそひそと話声がする。
「注文は何にする?」
「じゃぁ、果実酒を頼む」
「りょーかい」
俺はグラスと(俺の自信作)と今日買ったアプの実の果実酒を出す。
なぜかSランク冒険者様は笑っているのでしょうか?
「ん?どうした?」
「まだ思い出さない?ユーマ」
っと俺の名前を呼びながら一本のナイフを取り出した。
確かそれは俺がユーラに渡した・・・は・・・ず・・・の?
「ユーラ?」
「久しぶりユーマ」
「冒険者になったのか・・・。しかもSランク」
「ユーマにもらったナイフのおかげだよ。もう魔力はなくなってるけど」
「そうか。じゃぁ、貸して、また込めるからさ」
「はい」
そう言ってナイフを渡してきた。
と、思ったらいきなり俺の腕をつかんで引っ張ってきたぁ!?
そしてよくわかんないうちに周りは唖然としておりユーラは顔を真っ赤にしてしてやったりといった顔をしていた。
俺は訳が分かんない頭のまま理解しだすと火炎酒を飲んだ時みたいに気絶した。
ーーーーーーーーーーーENDーーーーーーーーーー
ふう、初めてまともに完結したな・・・。
僕はこの話20話まで続けようとしてたんですがプロットつくてなかったために続きが考えられなくなってしまったんですよね・・・。
次回作は五本ほど案がありましたがもうすでに一本に絞りました。
プロットも書いたのですぐに終わることもないと思います。
この小説は初めから詳しく書いていればいいものを手を抜いて書いていましたので途中から変えるのも編集するのも手間なのでそのまま書いておりました。
なので文章の構成がおかしかったりストーリーが薄くなってしまいました。
次回作はそんなことはないので読んでくれればうれしく思います。
新しい小説は「ヴェンジェンス・バレッツ 」というタイトルですよろしければ読んでください。
ありがとうございました!