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その始め

執筆中の話に詰まったら、別の話に逃げる悪い癖が出てしまいました。そんな長い話にはならないと思いますので、お付き合い下されば幸いです。

友人の小説家が、よく人の一生を川に例えていた。

最後にに行き着くまでに、いくつかの支流に分かれたり、その支流がまた交わったり、と。




「それがパラレルワールド?」

笑っていう私に、彼女は首を縦に振った。

「そして、同じ川の流れは逆流しない」

何を当たり前の事を、という私に彼女は軽く指を振る。

「あくまで、私の持論だけどね。同一次元の過去には干渉できない」

「…次の話の構想は異世界トリップですかい?姐さん」

「ちょっと違うけどね。はっきり言ってしまえば、個人的に神子さまの時空跳躍は推奨するけど、某美少女戦隊モノは支持できない、ってことよ。あくまで個人的な感想だけどね」


私はどちらも好きだけど。


私の言葉に友人は「雑食だもんねぇ」と溜息を吐いた。

いや、月の姫君と龍の神子さまがすぐ出てくるだけでも、君も同族だと思うけどな。

なんにしろ、青いロボットネコのタイムマシンはありえない、っていう考えは分かる気がする。

未来の自分を見に行く、だなんて考えはあまり健全だとは思えないからね。



でも、思うわけよ。

変える事ができるなら変えてしまいたい過去はある。



数多の選択肢、選んだのは確かに自分だから、仕方が無いと諦めることはできるけれど…でも。

もし、たったひとつ願いが叶えて貰えると言われたら、私は答えるだろう…5歳のあの時、あの場所に今の自分の記憶を移してくれ、と、もしくは、あの時の自分を止めてくれ、と。




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