始まりか 終わりか
初めて投稿いたします、悠矢と申します。この小説は「小説家になろう」に載っているなかでは相手にされないほど拙い文章だと思います。また、まだ世間の皆様にお見せしたことが有りません。いまこの小説を読もうと思っていらっしゃる方々、あなた方が初めての読者です。ありがとうございます。
では、神姫どうぞ。
序章
東京の小さな病院。ここに1つの命が誕生した。
「誰、誰なの。この子達は何なの?私の子じゃない。違う、違う!!!」
女性がヒステリックな声を上げ泣き叫んだ。
生まれてきた子供は小さな女の子。その子の左腕は、毒々しいほどの紅に染まっていた。
そして手の甲にはミュラの華が誇らしく咲き誇っていた。
「私の子供じゃない!!」
「今此処で産んだじゃないか」
夫であろう男性が女性をなだめるが女性は頑として目の前の子供を自分の子供として認めない。
「私のこと、嫌い?」
目をぱっちりと開け、今産まれたばかりの赤ん坊が口を開けて話した。そして開けた左目は、左腕とおなじ紅色に染まっていた。
第一話
朝5時30分。一人の少女が部屋の片隅で目覚める。そしてくしゃくしゃになった制服を持ち、アイロンをかけ始める。かけ終わると冷蔵庫の中をしげしげと見つめ、牛乳を取り出し少しだけコップに注ぎ片付け、飲む。制服が熱くなっていないこととアイロン自体が熱くないことを確認し制服を手早く着る。アイロンも仕舞う。
朝6時。リュックサックを持ち学校へと向かった。
朝7時。学校の中へ入り、教室のドアを勢いよく開け物陰に隠れる。ドアが壁とぶつかる音がし、それと同時に水が落ちる音がした。少女は小さく息を吐き、こぼれた水を15分かけて綺麗に拭き取り、バケツも片付ける。教室の中に入り、もう一つのドアの方にもバケツが仕掛けてあった。でも片付ける気力を失い、保健室に向かった。
朝8時。保健の先生が来て保健室の中に入れてくれた。少女は初めて、今日声を出した。 鈴が鳴るような綺麗な声だった。
「今日もよろしくお願いします」
頭を下げてそう言った。
「痛いところはない?大丈夫?」
先生がベットを綺麗にしながらそう言った。少女は小さくうなずく。
「はい、今日の問題集。語学の方は、スペイン語、イタリア語、ドイツ語、フランス語を用意したけどいい?」
どさっと、それらを机の上に置く。
「はい。ありがとうございます」
朝交わされる言葉はそれだけで少女は慣れた手つきで勉強を始める。
午後4時。少女は学校を出て、遠回りをしながら人気のないところを歩く。行きの道でも一時間掛かるのに、遠回りをしたら八時になってしまう。
少女は川沿いの道をゆっくり歩く。それはメトロノームのように一定の間隔で。
少女が歩く道の隣には、全てを覆い尽くしてしまいそうな木々が立ち並んでいる。小さい子供が来たら思わずかくれんぼをしたくなるような。
その道は少女の隠れ道。誰も知らない道。
少女は、あと一時間で家に着くと言うところで座って休憩をする。本を開き、陽がくれて字が見えなくなるまで読み続ける。そして九時くらいに家に着き部屋の片隅で寝る。
しかし、淡々としている生活が崩壊した。
川沿いで歩いていた少女は自分の歩く音とは違う、靴の音を確認した。とっさに身構えたが、気づいていることを悟られてはいけないと思い普通に歩き出した。そして、森の中に素早く入る。まだ、敵と思しい靴音はする。
早歩きをする。それに合わせて敵歩調も速くなる。どんどん速くなる。
彼女の病んだ心臓は限界を超えそうになっていた。心拍数が速くなり、そしてだんだん遅くなって止まりそうになる。息が上がる。役立たずめ。
ついに追いつかれた。こんなの初めてだ。根気強く追ってくるなんて。まぁいい。此処で朽ちるのも良いだろう。
目が覚めると灰色のコンクリートづくりの部屋の中に私はいた。生きているのが不思議だ。何故殺さないのだろう。何かわかった気がする。食用にするのか、売り飛ばすのか、私の頭脳で何かするのか、それとも私を犯すのか?わからないけどこの選択肢の他は考えれば考えるほど無いような。
男が入ってくる。小汚くて、にやけている。気持ち悪い。こんな男に私は捕まったのか。自分が情けなくなってくる。でも考え直してみるとこんなにねちねちしていて執念深そうな奴だから捕まったのか。理解した。
「おい、てめぇ。叫び声をひとつも上げねぇってのはどんだけ肝すわってんだ」
声もねちねちしている。吐きそうだ。
「自分がどんな立場にいるか理解してるのか」
そりゃぁ、もう。理解してますよ。柱にくくりつけられていて、たいそう居心地が悪い。そう言う問題じゃないか。
「まあいい。お前は俺たちの一部になるんだからな」
食用か。こいつらに喰われるって結構抵抗があるな。せめてもって、殺してからの方が嬉しいのですけれども。
「遺言はないのか?けっ、こいつ一言も話さねぇし」
いや、話したとしても誰にも言わないだろうし。
「ボスを呼んでこよう。せいぜい、人生の残り時間をかみ締めるんだな」
にやにやしながら、部屋の中を出て行った。鍵を閉めずに。
鍵を閉めないとは。どんだけ余裕こいてんだ?まぁいい。ポケットにあった、小刀は何処にある?あった、あった。きれた。もっと良い縄使いなよ。
「よし」
聞こえるか聞こえないかぎりぎりの声で、気合いを入れると外に出れる道を探した。男の声がする。足を忍ばせて…。ばれてない。仕方がないか。こんな大声でがなり立てているんだから。でも良かったことに代わりはない。進もう。ドアがある。またこれにも鍵を閉めてない。もっと色々なことを考えようよ。外に出れた。よし、帰ろう――ん、なんか黒服の人が見える。
少女は小さく怪しい笑みを浮かべた。
「何のようですか」
「いや、その、無事で良かったなと思いまして」
「だれが?」
表情を隠し、なにもないように話しているが、怒っているようにしか聞こえなかった。
「貴方様が」
「自分達が、でしょ」
黒服の人は困ったように言い返した。しかし少女はそれを嘲笑ってこう続けた。
「優等生ぶって、愛想振りまいて、私の周りの情報をこそこそ嗅ぎ廻って、金を流すしか脳のない人たちが私を助けられらと?」
言葉を吐き捨てる。黒服の人は狼狽える。
「ふざけるな。上の世界の落とし子だから大事にしたいって?そんなの君たちの事情でしょう。私には何ら関係のない事でしょ。私にもう係わるなよ」
黒服の人は、蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
「おい、お前ここにいたのか。けっ、よくもまあ逃げてくれたじゃねえか」
「ボスが最初にお前を喰うと言ってたからなにもしないでいたが、我慢ならねえ」
彼奴らに構ってる暇など無かったのだ。
逃げようとした刹那、目の前に男達の拳や足が少女を襲った。
そして少女は深い闇の中へ落ちていった
読んでいただきありがとうございました。読んでいただいたことを幸せに感じます。
それに加え、というのは押しつけがましいですがコメント欄に読んだ感想を教えていただけませんか?恐縮ですがお願いします。