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 私の名前はニコラオス。

 学問の守護聖人であり、過去ではアリウスの異端共とも戦いを繰り広げた経験を持つ、教父でもある。

 だが昨今、今や私はサンタクロースへと役職を変えて、クリスマスにもなれば世界中の子供達にプレゼントを配って回り、少しでも神からの祝福を分け与える為に尽くしてい――……。


 途端、彼の背後のドアが激しく開け放たれたかと思うと、けたたましい罵声が飛び込んできた。


「ちょっとアンタ!! さっさと夕飯食べてしまいなよ! せっかく作った手料理、冷めちまうだろう!!」


「アンタじゃない! サンタだ! 今世界中から届いた手紙を読むのに忙しいんだ! もう少し待ってくれルドリー!」


 ニコラオス――愛称、ニコルはそう鬼妻のルドルフに振り返って弁明すると、フン! と鼻を鳴らしてドアを叩き閉める彼女を見送った。

 そう。ニコルの妻は、赤鼻のトナカイであるルドルフなのだが、ヒトヒトの実を食べた悪魔の実の能力者もどきでもあるのだ。

 ……何? トナカイなら既にオリジナルでチョッパーがいるだろうって? 

 大丈夫。あれは青鼻だ。何の問題もナッシング。


 すると、再びドアが開いて今度は彼の息子が顔を見せた。


「親父~。俺が手紙読んどいてやっから、飯済ませて来いよ」


「おお。ありがとうな。クラッピー」


「クラッピーと呼ぶなっつってんだろう。今度言ったら斧でその記憶力のないどたま、叩き割るからな」


 そう冷静沈着に言うと息子、クランプスは父親の座る椅子から彼を押し退けて身を投げるように座ると、机の上に散乱する手紙を物色し始めた。


 クランプス――彼はニコルとルドリーの双子の息子で、世間では良い子にしていた子にはサンタがプレゼントをくれるが、もし悪い子だったらその子らをビビらせる役割を果たしている。


 そしてそんなクランプスは双子の兄に、クランペンがいる。彼は、特に悪い子だった若い少女を相手に鞭打ちをする役割を果たしているのだが、時折度が過ぎてお仕置きのつもりが“新たな命”をプレゼントしてしまう事がしょっちゅうで、いつも母ルドルフに避妊具を持ち歩けと叱られている。


 つまり、本来逆説でクランプスとは錆びた鎖と鐘を持ち、悪い子に警告し罰を与える為、子供と女性を怯えさせながら通りを練り歩く伝統を言うのだ。


 父親が出て行った後、クランプスは手紙を凝視しながらぼやいた。


「なんだこれ。フィンランド語じゃねぇし。何これハングル語? 読めるかボケ。おいラペン! お前なら読めるだろう。世界中の女口説く為に世界各国語勉強してんだから」


 そう大声をあげて、双子の兄を呼んだ。


「酷い事言うなぁ、ラプス。僕は愛のお仕置きで、更生させているだけなのに」


「逆に母親となって更生させられてんじゃねぇか。とにかくさっさと翻訳しろ。俺がリスト書いていくから」


 こうしてニコルの息子達は、サンタクロースの仕事をする父親の為に影で支えているのであった。




 気紛れで書き始めた息抜き作品w。

目指すは年末までの完結ww。



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