2話
「良く寝た。今何時だ」
昨夜そのまま寝てしまったためソファーの横のサイドテーブルからスマホを取った。
「11時か、来月から大学が始まるしそろそろ準備し始めないとな、ひとまず飯からだ」
そう言って、ソファーから立ち上がり日頃のルーティンであるコーヒーを飲むためにお湯を沸かすためにキッチンに歩き出して。松本は、一人暮らしの学生でありながら、まあまあ良い部屋で生活していた。部屋は、大学の最寄り駅であり一月4万ほどで1LDKであったがこの家は、高校時代の先輩がもともと住んでいたらしいのだが彼女と同居するとのことでそのまま家具付きで引き継いだのだがこの部屋は、窓から線路が見えうるさいことから周辺の部屋よりも多少安くなっているのだ。
「それにしても田中の野郎、あんな無茶させやがって今度酒でもおごってもらおう」
パッチと音がしお湯が沸いた音がした。
「お、沸いたか。お湯を注いで~~~~」
と変な歌を歌いながらコーヒーを落とし始めた
「なんかあったかな」
そう言いながら、冷蔵庫をあさりだした。
「あったあった、ウインナーこれしかないけどまあいいや焼いてしまおう。」
そう言って、フライパンに少量の水を注いで焼きだした。それにしもこの部屋は、広い。一人暮らしにしては、広いと思っており少し寂しいときもあるが、大学が近いこともあり良く同じ学科の奴が泊まり来るためそいつらが置いて行った寝袋が転がっている。そんな、部屋を見ながらウインナーを焼いていた。
「いただきますと」
そう言って焼きあがったウインナーを食べながらテレビを見ていた。そこには、俳優と女優が熱愛だとかそういった話を面白可笑しく話している人たちが映っていた。「だれがどう、付き合おうがどうでもいいだろう」そう言ってテレビを消してソファーから立ち上がった。
「そういえば、昨日なんか変なメール来ていたな、何だったかな。」
そこには、あの内容が書かれていた。
「なんじゃ、このスパムメールは、まあこんなのは対外嘘なんだが。一応確認しておくか」
しばらくしてから、見たことがないアプリが入っていた
「なんじゃこりゃ、初めて見るアプリだな。まず、消すか」
そう言って消す操作を何度も行ったのだがまったくもって消すことが出来なかった。出来るのは、アプリの位置を動かすことしかできなかった。
「くそ、このアプリどんな仕組みだよ。まったくもって消せん。腹が立ってきたいっそのこと初めてやる」
そう言ってアプリを開いた、そこにはようこそと書かれており、他のアプリと同様にアカウントを作製していったのだが最後の操作が他のアプリと違っていた。
「身分証を撮影しろだと」
少したじろいてしまったが、やけくそになっていたのだろう自身の免許証を撮影してしまった。
「これでいいだろう」
満足げになった松本の前には、登録完了と表示されていた。その文字が消えると、上半分にカードのようなものが書かれており下半分には、ここをタップと描かれていた。そのカードには、自身の知っている数字が書かれていた。
「おい、この番号俺の口座番号じゃないな」
そう言って財布から銀行のカードを取り出し確認しだしたがまったく同じ番号であった。
「まさか、そう言って中央に大きく書かれていた。18万4465円は、残高か」
焦った松本は、自身のパソコンで残高を確認しだした。そして結果は、想像の通りでであった。
「やはり同じか、どういう仕組みなんだ」
そう言って、松本は部屋中を歩き出した。
それから、1時間以上歩いていたのだが、結局のところスマホに登録していた、カードからとしか考えれなかった。
「そう言えば、このタップは何だ」
そう言って、1タップすると、タップしているところに5%と表示された。さらにもう一回タップすると10%になったパーセンテージが増えることに気が付いた松本は、100%になるように20回タップしたところでカードに書かれていた、預金残高が変化した18万4465円が18万4466円に変化した。
「増えた。そんな馬鹿なことがあるか」
しかし気になったため、履歴を確認したところ履歴には、「吉備 1円」と書かていた。
「おいおいマジかよ。こうなってくる話は、変わってくるぞ」
そう言って、松本は画面をタップしはじめた。