19話
20分ほど店内でスマホをいじっていると、入り口に車が入ってきた。そこから2人の男女が飛び出てきた。大阪はその人物が誰かを知っていたようで駆け足でその人物に寄って行き二人に付き添った。
「佐藤さん、田中さんどうなさいましたか?」
「用事が有り来ただけだ」
「大阪さん、松本様知りませんか」
「そんなお客様は知りません」
大阪には名前を伝えていたのだが先ほどのこともあり客ではない判定をしたのだろう。それを、聞いていた浩平は、個室から出て室内の探索を始めた。
「そうですか、電話を頂いたときはここにいると伺っていたのですが」
「大阪、おまえ本当に知らないのか」
「ええ、知りません佐藤さん」
「おかしいですね?大阪さん」
「ああ、おかしいな。なんで松本様がお客様だと思ったのだ」
どうも、男性の方が佐藤のようで女性の方が田中のようであった。それを面白そうに浩平は、聞いていた。
「えっと、田中さんが様付けで呼ぶとなったらお客様だと思いまして」
「大阪さん、私と佐藤さんの担当知っていますよね」
「はい」
「お客さんが担当のことはありません。私たちの担当は、株主様です」
面白くなってきたが浩平はすでに飽きてきていた。スマホを弄ってこともタップするだけなのでいい加減出て行こかと考えていた。
「ええ、そうですね」
「何で答えないのですか?」
「それは、ですね」
「答えろ、大阪」
佐藤の声は、店内に響いた。その声に何組いた他のお客さんも驚いていた。
「や、佐藤さん」
浩平は、疲れて展示場にあった車のボンネットに腰かけていた。通常なら怒られるだろうが声に驚いたこともあって誰も気にしていなかった。
「どちら様ですか」
急に名前を呼ばれたこともあり佐藤は驚いたようであったが、横にいた田中は冷静であったようで佐藤を肘で突いていた。
「遅くなりました。松本様」
「お、良く分かったね」
「いえ、声を掛けられたので、現状声をかけるとなると松本様ぐらいかと」
「そうか」
「本日は、どうされましたか」
「ここで、車買おうとしたんだけど買わせる気がないみたいでな。終いには客を馬鹿する店員もいるしな、株主やめてもいいかな?」
「それは、大変失礼しました。すぐに、お買い上げできるようにいたします」
「そうか」
「では、こちらに」
そう言って、奥の方に案内された。先ほどまでいた場所はどうも一般ようであったみたいだった。




