11話
「こんばんわー」
「おーよく来たな」
「田中、お前今度俺に酒でもおごれ」
「なんのことだが」
「知ってるだろ」
「わかった、はい」
「おっと、どうしたんだ」
「さすがに今回のことは申し訳ないと思って」
「そうか、それにしても今日客来ないんじゃね」
「店長も、今日は店開くか考えるみたい」
「そうか」
「お前どうやって来たんだ?」
「バスで来たぞ」
「バスも混んでた」
「理大方面のバスで来たんだ」
「理大バスかよく考えたな」
「偉いだろう」
「どうせ、地図アプリが教えてくれたんだろ」
「近からず、遠からずだな」
「どんな感じだよ」
「結局、今日店やるのかな」
「聞いてみるか」
「そうだな」
その日結局店を開くことになったのだが客は、一人も来なかった。最後の最後までお客は来ず結局雨が強くなりこれ以上やっても誰も来ないという判断で店仕舞いすることになった。
「店長、少しいいですか」
「どうした、松本」
「自分、店を止めようと思っています」
「どうしたんだ」
「いや、学業との両立が厳しくて」
「そうか、でも急だないつまで来るんだ」
「今週まででも大丈夫ですか」
「少し待てくれ」
パソコンに向かいながら店長は浩平に話しかけてきた。
「それにしても、いきなりだな」
「すいません」
「気にするな、良くあることだ」
「それにしても、お前の学科はそんなに忙しいのか」
「ある程度と言った感じですね。実験のレポートがあると」
「レポートか。家の娘もそんな事を言っていたな」
「そうなのですか」
「ああ、大丈夫だぞ。ちなみに今週の土曜日入っているがどうする。来るか?」
「人足ります?」
「一応足りるな」
「じゃあ今日までで」
「了解、すまんな。今までいろんなこと頼んで」
「いえいえ、こちらこそいきなりで」
「大丈夫だ」
「制服とかはどうしたら良いですか」
「お前何年働いたけ」
「1年半ですね」
「持って帰っても大丈夫だ、どうする」
「それなら、Tシャツだけ持って帰ります。前掛けは次のアルバイトにでもあげてください」
「了解した。今までありがと。たまに顔出してくれ」
「はい」
「雨強くなる前に帰れ」
「今までお世話になりました」
「ああ、大学頑張れ」
こうして、浩平はバイト先を止めたのだが帰りの方が地獄で、バスも動かなくなり結局タクシーで帰ることになった。
「つっかれたー」
「お疲れ様です」
「ああ」
「バイト辞めれました?」
「やめれたよ」
「案外簡単にやめれましたね」
「店長が、学業優先てな感じの人だからな」
「明日は、早く起きてくださいよ」
「わかってる、風呂入るかー」
「行ってらしゃーい」
「あいよ」
ーーーーーー
「ふー、いい湯だった」
「浸かってないのでは」
「こまかいなー」
「事実ですよ」
「さいですか」
「その、さいですか好きですね」
「口癖だな」
そう言いつつ画面をタップしていると、「ミッション」といきなり出てきた。
「ミミ、ナニコレ」
「ええと、一週間で1000万使え、だそうです」
「1000万か、アプリなら一瞬だな」
「アプリでの使用は、含まなみたいです」
「まじかー」
「どうされますか」
「風俗にでも行くか」
「絶対に消費できませんよ」
「そうだよなー」
「車とかどうですか」
「車かー」
「免許ありますよね」
「あるけど使うことなくない」
「あって損はないかと思うのですが」
「そうだな、ほかに使うとなると家とかになるもんな」
「そうですね、投資は含まれないみたいですし」
「車買いに行くか」
「そうですね」
「お勧めとかある」
「そうですねー、調べてみます」
「よろしくー。眠いから寝るわ」
「はーい」
案外バイトは、すんなりやめることが出来たのであった。




