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プロローグ
『恋とは料理である』
料理ド素人と食材の精霊が歩む物語
エイプリルフールも終わりを告げ、暑さに少しだけイラつきを覚え始めた日曜日の朝、両親が海外出張した事を聞かされた。
「────そ〜ゆ訳だから、明日から一人で頑張って良ちゃん!大丈夫お金とかは毎月振り込んどくから!よろぴく〜」
そう言いながら母親との通話は途切れた。
「………………」
俺はゆっくりと汗を袖で拭いながら、辺りを見回す。
もしこれがドッキリ企画とかなら、企画の発案者は地獄に落ちろ。
俺は憎悪の籠った目であちらこちらを見回すが、実家は何も変わらない。相変わらず古臭くって埃っぽい空気だけが流れている。
「────マジで?」
……日桐 良介。地味な見た目の黒髪青年。そして楽しみにしていた私立 龍ヶ峰高校入学式の前日の話である。
何となく、ラブコメを描きたくなって書いてみました。それだけなので、拙くても許してね。