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[第九十話、ホパだってできるもん!]

毎週、月、水、土、絶賛更新中!!


高評価にコメントも頼んまヾ(*’O’*)/す〜

レビューなんかもしてもろたら涙ちょちょぎれますわん


どうぞよろしゅうに〜


9/28


魔女リン


(鋭く甲高い声で)


「勝利はこの手にある!何の抵抗もない、何の希望もない!この世界は、私のものだ!」


(魔女は舞台を歩き回りながら観客を見つめるような仕草を見せ、その笑い声が徐々に止まる。観客が恐怖と緊張感で息を呑む情景が浮かぶようだ。)


(場面が変わり、塔の中。薄暗い光が窓から漏れ、ウラン(メリファ)が部屋の隅で身を縮めている。扉が開く音が響き、魔女が不気味な足音を立てて近づく。)


ウラン(メリファ)


(恐怖で震えた声で)


「魔女よ、この城でなにがあったの?悲痛な叫び声はなに?どなたかは存じ上げませんがご無事なのですか?」


(舞台上、リンの演じる魔女が暗闇の中でわずかな光を背負い、メリファを見下ろす。その姿は迫力満点で、観客の心に恐怖を刻むこと間違いないだろう)





本番まであと5日、ここまでくると照明と音響を担当しているジュリアに星獣のヤマトマル、エシャ、ペンドルトンの息がピッタリと合う。各自が役割を全うするための集中した空気が漂っていた。


ジュリアが無言で手で合図を送ると、エシャが魔女の笑い声に合わせ不気味なサウンドを流す。小さな手では全てを補えないため、隣でペンドルトンが手際よくエシャをサポートする。音が完璧に調和し、不気味な雰囲気が舞台全体に広がる。


「ここでもう少し照明を落とすよ。」


ジュリアが小さな声でヤマトマルに囁くと、彼は無言で頷き、クチバシで器用にタブレットを操作する。光の具合がさらに怪しくなり、舞台の陰影が一層際立つ。


リンとメリファの演技もそれに呼応するかのように、さらに熱を帯びたものになった。リンの鋭い声が響き渡り、メリファの震えた声が心を掴む。


「うひゃー、ここまでできるとは正直思わんかったわ…素晴らしい、素晴らしすぎるわ。」


フェイは独り言をブツブツと呟きながら、完全に自分の世界に入り込んでいた。自身が作り上げた作品に思わずうっとりしている。



すると、いきなり青、赤、黄色とチカチカとした照明が乱れ、舞台上が一瞬でカオスに包まれた。魔女役のリンは驚き、セリフを止めて後退る。


「なんやなんや! って、ホッパー!!」


舞台袖にいたフェイがチカチカ光る照明の元凶に気づき、声を張り上げた。


「ルー!」


ホッパーは照明のタブレットをいじりながら、得意げな顔で答える。


「アハハ... ダメでしょ〜 ホッパー。」


ジュリアが苦笑いを浮かべながらホッパーを抱き上げた。



フェイはメガホンを手に取り、大きな声で指示を出す。


「一旦ストップ! 休憩してー!」


足音をズカズカと鳴らしながら、フェイは照明チームに向かう。そしてホッパーの目の前に立つと、怒りを込めた声で一喝した。


「ホッパー! アンタなぁ! ここまで来てフザケてどうすんねん!」


「ホパフザケてないルー。」


ホッパーはふくれっ面で返すが、フェイの怒りはおさまらない。


「さっきのがフザケてないって? アホンダラー! 煮るぞ! 食うぞ! 揚げるぞー!」


フェイがエスカレートするのを見て、ジュリアが「まぁまぁ」となだめに入る。


そこにユウマが駆け足で舞台袖に駆け寄ってきた。


「どうしたんですか?」


フェイはユウマに向き直り、怒りの矛先を転じた。


「ユウマ、ちょっとこの子しっかり躾けしいや! どないなってんねん!」


ユウマは状況を理解し、眉をひそめながらホッパーに視線を向けた。


「すみません、コラ! ホッパー! お前何してんだよ!」


「ホパ怒られる筋合いないルー。」


ホッパーは腕を組みながらふてくされた態度をとる。


「ある! お前だけだぞ! いつまでもフザケてるのは!」


「ユウマくん、そんなに怒っても…。」


ジュリアがフォローを入れようとするが、ユウマは譲らなかった。


「すんません、ジュリア先輩。でも、ここはしっかり怒らないとわかんないんですよ、コイツは!」


「ホパは悪くないってばー!」


ホッパーは涙目になりながら反論したが、ユウマはそれを聞き入れず、ホッパーの頭を軽くゴツンと小突いた。



すると、ホッパーの目に大粒の涙が溢れた。ジュリアの腕からするりと抜け出し、えーんと大声を上げながら外に飛び出していってしまった。


「あっ! ホッパー!!」


ジュリアが慌てて追いかけようとするが、瞬速で消えてしまう、そしてジュリアがユウマに向き直り。「ユウマくん怒りすぎだよ!」とユウマを怒る


「たまにはしっかり反省してもらわないとダメなんです!」


ユウマも意固地になり、腕を組んで動かない。その様子に、周囲は少しだけ気まずい空気に包まれた。




「ユウマのバカルー! マヌケルー! あっ!マヌケはカッコいいってことか... ルー!ルー!」


笑ったり怒ったりと感情が激しく入れ替わりながらもトボトボと歩き続けるホッパー。


気が付けばいつの間にか学校の敷地を超え、外の深い森の中に迷い込んでいた。森の中は薄暗く、木々が生い茂り、不気味な風が葉を揺らすたびにヒューヒューと音が鳴る。


「ルー...」


ホッパーの眉が八の字に曲がり、しっぽがピクリと揺れながら明らかに怖がっている。突然、前方の茂みからガサゴソと音がした。


「な、なにルー!」


ホッパーは小さな体に全力で力を込め、「ホッパーパンチ」の準備態勢に入る。そして、相手が襲ってくるより先に飛び出しながら拳を振り上げた。


「ホッパーパンチーー!!」


拳を振り回しながら、茂みの中に突撃していくホッパー。


「痛て!」


「ルー!ルー!ルー!」


ホッパーは相手の正体も確認しないまま、勢い任せにパンチを連打する。


「ちょ、待て待て!」


男の低い声が響いたと思うと、ホッパーはあっさりと手を掴まれて持ち上げられた。


「離せー! 離さないとホッパーキックをお見舞いする... ルー...」


持ち上げた男の顔を見た瞬間、ホッパーの声が尻すぼみに小さくなる。そこにいたのは、以前ユウマたちと一緒に無人島にいた魔王イクノシアだった。


「お前、ユウマの星獣だな。」


「その顔はイクシー!」


「違う。あれは偽名だ。我の本当の名前はイクノシア。」


「イクノシアがなんでこんなとこにいるルー?」


「それはこっちのセリフだ。星獣がこんな所でうろついていたら危ないだろう。」


ホッパーはイクノシアをじっと睨みつけ、ぷいっと横を向く。


「放っといてルー!」


その言葉に、イクノシアは肩をすくめながら苦笑する。そして、掴んでいたホッパーをそっと地面に降ろした。


「ちょうど近くでキャンプをしているんだ。遊びに来るか?」


ホッパーは少しだけ考えるように耳をぴくぴく動かし、イクノシアの言葉を半信半疑で聞いていたが、どうするべきか悩んでいる様子だった。


 


結局、イクノシアについてきたホッパー。


キャンプと言っても、火を囲むようにいくつかのテントが張られており、火の周りには独特な雰囲気を纏った者たちが集まっていた。


その中には、4本の尻尾を優雅に揺らしながら調理鍋を混ぜるキツネの妖怪・雛音、赤い綺麗なドレスをまとい、黒髪のツインテールを揺らしながら優雅にお茶を飲むダミアナの姿があった。


「帰ったぞ。」


イクノシアが火のそばに歩み寄ると、ダミアナが顔を上げ、穏やかに微笑む。


「おかえりなさいませ、魔王様...って、そのカンガルーは何ですの?」


ダミアナの視線がホッパーに向けられる。彼女の瞳には疑念の色が浮かんでいた。


「あっ...」


小さな声を漏らしたのは、赤いメッシュが特徴的なアラビア三姉妹の末っ子、アリヤだった。彼女の背後から、緑色のメッシュが特徴的な長女・サミラが口を開く。


「あら、アナタはユウマとかいう男の子の星獣じゃない?」


「な“!」


サミラの言葉に、ダミアナはすぐさま手を振り上げ、大鎌を召喚する。そして鋭い目つきでホッパーを睨み、攻撃を仕掛けようとするが――。


「やめなさい、ダミアナ。ホッパーはユウマと喧嘩して家出してきたそうだ。」


イクノシアが淡々とした口調で止めに入る。しかし、ダミアナは納得がいかない様子で眉をひそめる。


「魔王様、いつからそんな簡単な嘘に騙されるようになったのです?」


一方で、調理鍋を混ぜる手を止めることなく、雛音がホッパーに問いかける。


「ホントに喧嘩して家出してきたコン?」


その声に、ホッパーが力強く応じる。


「ホパ、嘘ついてないルー! ホントにユウマと喧嘩したルー!」


「だって。」


「だって、ではありませんわ...。」


ダミアナがため息をつきながら大鎌をしまい込む。


「それで、このカンガルーをどうなさいますの?」


「今日はここで泊めてあげたいと思っている。」


イクノシアがそう言い放つと、相変わらずお人好しな魔王様だと2人してダミアナと雛音は呆れ顔を見せる。



すると、ジーッとホッパーを見つめていたアリヤが、突然ホッパーの耳に手を伸ばし、プニプニと触り始めた。


「プニプニしてる... 可愛い...。」


「ルー?」


思わず声を漏らすホッパーだったが、アリヤの無邪気な反応に拍子抜けする。


こうしてホッパーにとって初めての家出は、意外にも敵対するオブキュラスのメンバーとの奇妙なキャンプ参加となったのだった。



「おまけ」


さんくちゅありのメイキング♡ Vol.16


「ドキドキ止まらない♪鼓動が速くなる♪ライバル多いけど♪負けられない♪」


ご機嫌そうに歌を歌いながら差し入れのティラミスを食べるジュリアそこにリンとシルベスターの星獣である小太りの黒猫リーナがやってきた。


「凄くご機嫌ですね、なんて曲ですか?」


「んー? この曲? 『銀色の君』って曲だよ」


「なんかユウマみたか曲のタイトルやね!」


「あー! 確かに!! だからこの曲好きなのかも」


「好きな曲かぁ...」


リンは、んーと考えた後


「私は『風華の先に』っていう曲がお気に入りかも」


「シルベスター、なんか趣味の悪か曲が好きやったばい。なんち言うたっけな、確か 『Eternal Night's Tyranny』 みたか曲やったと思う。ヘビメタみたいな、悪趣味な曲ばい。」


「アハハ... シルベスターさんらしい」


リンの愛想笑いに続くようにジュリアも「だね...」と続いた。


次回![第九十一話、今日からホパは...]    


              

第九十話を読んでくださったそこのアナタ!

次回も読んでくれると嬉しいです(。•̀ᴗ-)✧

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