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[第八十九話、女王様の過去]

毎週、月、水、土、絶賛更新中!!


高評価にコメントも頼んまヾ(*’O’*)/す〜

レビューなんかもしてもろたら涙ちょちょぎれますわん


どうぞよろしゅうに〜


レイヴンはメリファと別れ、約束していた殺陣の練習をするため、体育館ではなく刀愛好家ギルドに向かっていた。左手の綺麗なシルバーの腕時計に目を落とし、時刻を確認する。


(16時...授業は終わっている時間だ。ユウマも待っているだろう。)


颯爽と歩くその姿は、まさに女王そのもの。黒いローブにあしらわれたファーが風に揺れ、まるで威厳を誇示するかのようだ。


歩くこと5分ほどでギルドに到着したレイヴン。扉の横では、ユウマがホッパーと無邪気に教科書を丸めてチャンバラごっこをしている。


「このこの! ルー!」

 

「そんなんじゃ、俺を倒せないぞ!」


楽しそうに遊ぶ二人に、レイヴンは呆れたような声色で話しかけた。

 

「お前達、教科書をおもちゃにするとは言い度胸だな。」


「な!! レイヴンさん!!!」

 

咄嗟に教科書を後ろに隠し、ホッパーをペンダントへ戻すユウマ。


「全く、お前はホッパーとなにも変わらんではないか。」

 

冷ややかに言い放つレイヴンに、ユウマはしどろもどろになりながら頭を下げた。

 

「す、すみません。」


「まぁいい。」

 

そう言いながら、レイヴンはギルドの扉を押し開け、中へと入っていった。



---


ギルドの内部には、整然と並ぶ刀や剣が飾られており、まるで武器の博物館のような雰囲気だ。奥には殺陣の練習用に乾燥された杉材が張られた広々とした空間が広がっている。木目が美しく整った床には、長年の練習の痕跡が微かに刻まれていた。


レイヴンはギルドのリーダーに軽く一礼し、挨拶を交わす。

 

「今回はこちらの場所を貸していただき感謝する。」


「サンクチュアリのお願いだし、それにレイヴンの頼みなら聞かないわけにはいかないさ。」

 

親しげに応じたその男は、レイヴンと同じクラスメイトのようだ。しばし雑談を交わした後、ギルドのメンバーたちは二人の邪魔をしないよう静かに退出していった。




「ユウマ、この道着に着替えろ。」

レイヴンが差し出したのは、柔道着のようなしっかりした作りの道着だ。ユウマはそれを眺め、顔をしかめる。


「汗臭そう…。」

 

ぼそっと呟きながらも、仕方なく更衣室へ向かう。


手際よく着替えを終え、道場へと戻ってきたユウマの姿に、レイヴンは小さく頷いた。

 

「よし、準備は整ったな。では、殺陣の練習を始めるぞ。」


ピリッとした空気が道場に張り詰める中、二人の練習が幕を開けた。



道場の広々とした空間に響くのは、竹刀が交わる軽快な音と、レイヴンの落ち着いた指導の声。


「ユウマ、その構えは違う。もっと腰を落として重心を安定させろ。」

 

竹刀を軽く振りながら、レイヴンはユウマに冷静に指示を飛ばす。


「こうですか?」

 

ユウマは指摘を受け、竹刀を握り直しながら試行錯誤を繰り返す。


「そうだ。それから、攻撃する時はもっと相手の動きを読め。力任せでは勝てないぞ。」

 

レイヴンはユウマの隣に立ち、竹刀を軽く振りながら動作を実演してみせる。その動きは流れるように滑らかで、思わずユウマが見惚れるほどだ。


「さすがレイヴンさん、動きが全然違う…。」

 

「感心してる場合じゃない。お前もこれくらい動けるようになれ。」


レイヴンの言葉に発奮したユウマは、大きく息を吸い込み竹刀を構え直す。額には汗が滲み、真剣そのものだ。




二人の練習は次第に熱を帯びていく。ユウマの動きは最初のぎこちなさが嘘のように滑らかになり、竹刀が繰り出す軌道もどんどん正確さを増していく。


「いいぞ、ユウマ。その調子だ!」

 

レイヴンは微かに笑みを浮かべながら、ユウマの成長を見守る。


「まだまだいけます!」

 

ユウマは竹刀を勢いよく振り下ろし、レイヴンの防御をわずかに揺るがす。


「ほう、少しはやるじゃないか。」

レイヴンの目が鋭さを増し、竹刀を持つ手に力がこもる。



練習も終盤に差し掛かり、二人は実戦形式で組み手を始めた。竹刀が交わるたびに、道場には乾いた音が響き渡る。


「来い、ユウマ。」

 

レイヴンが挑発するように笑みを浮かべる。


「全力で行きます!」

 

ユウマの竹刀を握る手に力が入る。


レイヴンが鋭い一撃を繰り出すが、ユウマはそれを寸前でかわし、瞬時に反撃に転じる。竹刀がレイヴンの脇腹を捉えた瞬間、静寂が道場を包む。



「やった!」

ユウマはガッツポーズを取り、達成感に満ちた顔で笑った。



「油断したな。」

 

悔しそうに笑うレイヴンだが、その表情にはユウマへの称賛が見え隠れする。


「いやいや、これはレイヴンさんの指導のおかげですよ!」

 

ユウマはそう言いながら、竹刀を置いて頭を下げた。



「少し休憩にしようか。」


レイヴンが面を脱ぎ、頭を振って髪を整える。2人はベンチに腰掛け、つかの間の休息を取ることにした。


「レイヴンさんの指導、ほんとにわかりやすいです。」

 

ユウマがペットボトルを片手に、キラキラした目でレイヴンを見上げる。


「ユウマの覚えがいいだけだ。」

 

ペットボトルを口から離し、腕で口元を拭いながらレイヴンは照れくさそうに答える。


「それはそれで嬉しいなー! やっぱ俺って才能アリ?」

 

調子に乗ったユウマに、レイヴンは少し苦笑いを浮かべ、「少しは遠慮しろ。」と肩をすくめて言った。


ユウマは恥ずかしそうに頬を指で掻きながら、「すみません…。」と呟く。高窓から差し込む夕陽が二人の影を長く伸ばし、柔らかな光が二人を包み込んでいる。

 


「午前中、どこ行ってたんですか? 今日のことを聞こうと思って3年の教室に行ったら、レオさんに『レイヴンさんいないよ』って言われて。」


 

ふとユウマが尋ねるようにレイヴンに質問をする。

 


「今日はオブキュラス関連のことで少しな。」


「オブキュラス…最近どんどん活動範囲が広がってるって聞きますよね。」

 

ユウマが不安げに眉を寄せる。


「あぁ、奴らも時間がないのだろう。だが大丈夫だ。私たちサンクチュアリがいれば、魔王は完全体には復活できない。」

 

レイヴンの自信に満ちた表情を見て、逆にユウマは不安を拭い切れず、呟いた。


「けど、現に魔王は復活してしまったじゃないですか…。いくら完全体じゃないって言っても、相手は1000年前にこの世界を滅亡寸前に追いやった奴ですよ?」


「不安か?」

 

レイヴンが真っ直ぐユウマを見つめる。


「正直言うと。」

 

ユウマは視線を逸らし、小さな声で答えた。


「その気持ちはわからんでもない…。だが絶対に大丈夫。私はそう信じている。何があっても、私たちサンクチュアリならやり遂げられる。」

 

レイヴンの揺るがない言葉に、ユウマは少し気持ちが軽くなったようだった。





「レイヴンさんって、本当に凄い人だ。初めて会ったときから、いい意味で何にも変わらない。自信があって、強くて、カッコよくて…俺、レイヴンさんみたいな人間になりたいって思います。」

 

ユウマの真っ直ぐな言葉が、レイヴンの胸に深く響く。


一瞬目を閉じ、低い声で呟くように話し始めた。

 

「凄い人間ではない、私はとても弱い人間だ。どんなにボロボロになっても、自分で自分を奮い立たせないと、少しでも立ち止まれば歩けなくなるから。」


「レイヴンさんが? うっそだー。」

 

ユウマが驚いた顔で反応する。


「フフ…では私の過去を少しだけ話してやろう。だが、このことは他のみんなには内緒だ。いいな?」


「は、はい!」

 

ユウマは頷き、レイヴンの話に耳を傾けた。


「私には10歳離れた姉がいる。姉は幼い頃から完璧な人だった。そんな姉と比べ、私は出来損ないの娘だと言われて育った。」

 

レイヴンは静かに言葉を紡いだ。


「アーチボルト家では、誰もが魔導機構のトップ、いわゆる導師を目指すのが当然だ。エンチャントレルムの生徒会長、サンクチュアリのリーダー、そして功績を残す。狭き道だが、それが求められる。もちろん私にもだ。だが、私には愛する人ができた。それがメリファだ。もちろん女同士の恋愛など許されることもなく、家族からは『アーチボルトの名を捨てろ』と言われ続けている。」


「レイヴンさんも人一倍、それ以上に苦悩があるんですね…。でも、それなら導師なんか目指さずにメリファさんとずっと一緒にいればいいんじゃないですか?」

 

ユウマの素朴な質問に、レイヴンは静かに首を振る。


「そう思ったときもあった。だがな、ユウマ…私は自分自身を自分の力でアイツらに認めさせたいんだよ。メリファを幸せにすると誓った以上、こんなつまらないことで逃げてしまっては、この先も逃げ続ける人生になるだろう。」



ユウマは黙り込んだ。自分自身、ずっと逃げてばかりの人生だった。だが今、この世界に転生して少しずつ変わろうとしていることに気付いたからだ。


「さぁ、この話は終わりだ。もう一度稽古してから飯でも食べて帰ろう。」

 

レイヴンが立ち上がり、竹刀を握る。


2人は日が暮れるまで殺陣の練習をして

その後レイヴンの奢りでラーメンを食べて帰った。



[おまけ]


「竜巻ニンニクラーメン1つ!」


元気よく食券を差し出すユウマ 


「では、私は雷光脂ラーメンに野菜マシマシ+豚増しに、雷獣卵トッピングで」


「レイヴンさんめっちゃ食べるじゃないっすか」


「当たり前だ... 誰だと思っている? 女王だぞ?」


こんな細い女学生が食べれるわけないと鼻で笑う店主


その行動がおきに召さなかった女王様は更に注文を追加した


「激辛メニューの炎竜の咆哮ラーメンも追加で」


「お嬢ちゃん、悪いことは言わねぇ見栄は、張らんほうがいいぞ」


「もし食べ切れなかったら倍の値段を払おう、だが食べ切れた場合次来たときは2人分... いや4人分のタダにしてくれ」


そう言いきったレイヴン、そしてしっかりと食べきった女王様はここでも伝説を作ってしまいました。


次回![第九十話、ホパだってできるもん!]             

第八十九話を読んでくださったそこのアナタ!

次回も読んでくれると嬉しいです(。•̀ᴗ-)✧

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