[第八十話、白虎監督 EP2]
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レビューなんかもしてもろたら涙ちょちょぎれますわん
どうぞよろしゅうに〜
--放課後、サンクチュアリ--
キャストチームと舞台監督のフェイは、体育館ではなくギルドの部屋に集まっていた。フェイが書いた脚本をみんなで読み合わせするためだ。
ナレーション(ミシェル)
「ついに二人は城へとたどり着いた。姫が囚われるこの地で、運命の交錯は避けられない。正義と信念、そして揺れる心の中で、彼らは何を選ぶのか。」
ゼノン(ユウマ)
「来たか、ジークハルト。」
ジークハルト(レイヴン)
「お前こそ逃げずに来たのだな。」
ゼノン(ユウマ)
「お前も姫を救うつもりなんだろう?だが、俺にはその資格がある。それを証明するためにここに来たんだ。」
ジークハルト(レイヴン)
「資格だと?それを決めるのはお前でも俺でもない。姫を救えるのは、本当に覚悟を持つ者だけだ。」
真剣な表情で読み合わせを聞いていたフェイだったが、連日の疲れからか、ときおり目が虚ろになる。その様子を見かけたルーシーが、そっと声をかけた。
「フェイ? 大丈夫ですか?」
「う、うん……平気や」
その間も読み合わせは続く。
シズ(リン)
「ジークハルトを殺せ。そうしなければ、姫を救う未来はない。」
ゼノン(ユウマ)
「殺す…俺がやらなければ…。」
………………
「次はルーシーだが?」
心配そうにフェイを見つめるルーシーに気づいたレイヴンが声をかけた。
「す、すみません……」
アリッサ(ルーシー)
(優しく響く声)
「ジークハルト様、真実を見失わないで。あなたの信念こそが、光を導くのです。」
ナレーション(ミケロス)
「互いの信念が交差し、剣を交えた二人。しかし、真実へと至る道は未だ遠い。彼らが姫を救うために選ぶ道の先には、何が待つのか…。」
全員が次のページをめくろうとしたところで、ページは終わっていた。
「あれ? フェイ先輩、シーン7はここで終わりですか?」
そう問うユウマに、フェイはしどろもどろになりながら答える。
「せ、せや……すまん、まだ次のシーンが書けてないんよ」
フェイの言葉に、レイヴンは呆れたように深いため息をつきながら言った。
「あのな……本番まで1ヶ月しかないんだぞ? なにをやっている」
「す、すみません……アイデアが思いつかんくて……」
「だったら、暇してるギルドの連中などに相談を持ちかけるな……」
レイヴンの言葉を遮るようにルーシーが強い口調で反論する。
「フェイがすぐに人を頼れるような人だと思いますか? 普段でさえ自分のことより他人を思いやる心優しい子なのに……それをなんですか、舞台監督になったならやれと? ふざけないでください! フェイはレイヴン先輩とは違うんですよ」
ルーシーの言葉に、場が一瞬凍りつく。フェイは呼吸が苦しそうに口を開く。
「だ、大丈夫やから……うちが任された仕事やねん。うちがなんとかしやな」
「で、でも!」
ルーシーが言葉を続けようとしたところで、フェイがふらりと倒れ、ユウマが慌てて叫ぶ。
「フェイ先輩!!」
………………………………
(ん……あれ? うち、どないなったんやろ……確か気を失ったんやんな……)
気がついたフェイがゆっくりと目を開けると、視界には見知らぬ天井ではなく……見知った天井が広がっていた。
(ここ……医療ギルドの天井やん。ということは、うちはベッドの上か……)
ふと耳を澄ませると、下の方から何やら話し声が聞こえる。フェイはその会話に意識を集中させた。
「疲労ね。」
野太く、だけど話し方がお姉さんチックなこの人は間違いない、サンクチュアリの顧問であるケビン先生だ。
「今日はもう休んだほうがいいピィ!」
「そうアル!」
「働かせすぎだじょ! ブラックか!」
フレイア、リエル、ムニンが口々にケビン先生以外の誰かに言葉を放っている。
「俺に言うなよー」
「俺に言うなって言うけど、一応フェイは仮契約の相手だじょ!」
「そうアル! そうアル! ユウマがちゃんとメンタルケアしてくれなかったからこうなったアルよ!」
「彼氏失格ピィ!」
「彼氏じゃないっての!」
そのひょうきんな声に心当たりがある自分の好きな男だ。
「あら? フェイちゃん起きてるじゃなーい♡」
ケビン先生の一言で全員がフェイのベッドに集まる。
「フェイ! 大丈夫アルか?」
リエルが飛びつきそうな勢いで声をかける。フェイは、ぼんやりした目をこすりながら少しだけ笑みを浮かべた。
「うん、なんとか」
ベッドから立ち上がろうとするフェイだったが、すかさずケビン先生が優しい声で制止する。
「まだ寝てなさい♡」
「で、でも...」
その背後から、バツが悪そうな顔をしたユウマが現れる。
「あ、あの...脚本もそうですが、セットや照明は出番の少ないレイラやレオさんが手伝うって言ってくれてるので...その、今日はゆっくりしてください」
フェイはその言葉を聞いて、少しだけ肩の力が抜けたような感覚を覚えた。
そんな二人のやりとりを見ていた星獣たちとケビンが顔を見合わせ、ニヤニヤと笑う。
「あとはユウマくんにお任せしましょーん♡」
「だったら、わたし休憩所にあったキースが持ってきてくれたクッキー食べたいピィ」
「いいねー! 行こう行こう!」
声をそろえて部屋から出ていく一同を見送ったあと、部屋にはフェイとユウマだけが残った。
二人は、細い糸で繋がれた二つの雲のような、どこかぎこちなくも穏やかな空気を漂わせていた。沈黙の中、先に口を開いたのはユウマだった。
「気づいてあげられなくて、ごめんなさい」
椅子に座ったまま、深々と頭を下げるユウマ。その姿にフェイは少し困ったように笑いながら言う。
「別にええんよ、うちかて張り切りすぎただけやし」
「今更だけど...どうしてこんなになるまで相談1つしてくれなかったんですか?」
ユウマの真剣な問いかけに、フェイは布団の中で「んー?」と考えるような素振りを見せ、少し間を置いて答える。
「自分のプライドかな? 一番やりたくなかった舞台監督に選ばれてしもて、ホンマに最初はこのクソがーって思ったけど、すぐに思い直してん...普段の戦闘では頼りないうちやからこそ、今回の舞台はみんなにあっと言わせたる!って(笑)。あとは単純に悔しいってのもあった...ジュリアも嫌々言いながらも段々と照明と音響やるの板についてきてる...レイヴン先輩はレイヴン先輩で王子役という大変な役やのにちゃんと周り見て話しかけたり、怒ったり...褒めたり...そんなん見てたら悔しいに決まってるやん」
「フェイ先輩...」
「うちかてやる時はやる女やもん! たまにはみんなに認めてもらいたいよ」
フェイはそう言うと顔の半分を布団に埋めた。ユウマは静かに、しかし力強い声で答える。
「フェイ先輩はもう認めてもらってます」
「え?」
「だって...こんな言い方したらだけど、みんなは戦うことしかできない。けどフェイ先輩は違うじゃないですか? そりゃあ基礎魔法に治癒魔法はありますよ? でもフェイ先輩の治癒魔法はもっと大きな怪我を治せる唯一無二の存在じゃないですか」
「ユ、ユウマ...なんや恥ずかしいからあんまり褒めんといて...」
「いやいや! 褒める!褒めさせてくれ! あと監督やってるとき周り見れてないとか言ってましたけど、マジでそんなことないんで...俺原作読んだことないからわかんないけど、フェイ先輩が書いたこの物語すごく好きです! いつも明るいだけのフェイ先輩じゃなくて、こんな一面もあるんだなーって思ったらちょっとドキッとしたりなんかして...」
ユウマの言葉を聞くたびに、フェイの胸は鼓動が速くなり、全身に熱がこもる。
「言い過ぎやって...」
「今日は言わせてよ! だって俺の契約相手だろ!」
「5等分の1やけどな...」
「うっ...」
申し訳なさそうに顔を伏せるユウマを見たフェイは、思わずギャハハハと大きく笑った。
「なんかユウマと話したら元気出たわ。うち戻ってみんなと話すわ、こだわりたいとこもあるから」
「それはよかった! って...戻るんですか? 体調は?」
「大丈夫! あっ...!でも」
不意に言いかけて言葉を飲み込むフェイ。だが、ユウマはそれが気になるのかしつこく聞いてくる。
数秒の沈黙の後、フェイは意を決したように、恥ずかしそうに呟いた。
「これからも監督頑張るから...ちゅ、ちゅうして」
その言葉にユウマはなにも言わず、そっと唇を重ねた。
「じゃあ、このシーンはもう少し青みがかったライトにしたほうが良さそう?」
ジュリアが照明用のカラーフィルターを手に取り、レオに意見を求める。
「そうだな...あとはこのシーンなんだけど...」
レオは舞台中央に視線を移しながら、細かな調整案を出し始める。二人の真剣なやりとりが舞台の雰囲気をさらに引き締めていく。
その一方で、塗装チームでは賑やかな声が響いていた。
「もっと綺麗に塗れ、赤毛ツインテール」
シルベスターがニヤリと笑いながら指摘する。
「ムッキー! 名前で呼びなさいよ! レイラよ! レ・イ・ラ!」
レイラが筆を振り上げてシルベスターに向かおうとするが、その腕をルナが慌てて止める。
「まぁまぁ、落ち着いて」
「さぁ! もっともっと俺様のために働くがよい! フハハハ!」
シルベスターは腰に手を当て、高笑いする。
その時、舞台の端から小さな影が現れた。
「なんだ、もうよくなったのか?」
シルベスターが振り返りながら声をかけると、そこに立っていたのはフェイだった。
「おかげさまで、ご迷惑おかけしました」
フェイは右、左と深々と頭を下げた。
その姿を見たレイヴンが、少しバツの悪そうな顔をしながら一歩前に出る。
「フェイ、私も悪かった...すまない」
手を差し出しながら謝るレイヴン。
「レイヴン先輩の言い分は的を当ててるんでなにも悪くないです。」
「いや、監督でもないのについ...しゃしゃり出てしまった。もっとフェイを信じてれば追い込むこともなかっただろう」
レイヴンの眉が八の字になり、普段のキリッとした顔からは想像もつかない弱々しい表情を見せた。その顔を見たフェイは、口角をわずかに上げて笑う。
「アホー! 学園一のハンサムガールがそんな弱々しい顔してどないすんねーん! もっと堂々と構えるんが絶対的女王様っちゅうもんやろ!」
「フェイ」
「そんな顔するんわ、嫁のメリファ先輩の前だけにしといてください」
「いっ!! なっ!どうしてそれを!」
「さぁー? なんでやろなー?」
顔を真っ赤にして「ち、違うから!」と慌てふためくレイヴンを見たメリファが、後ろでクスクスと笑いながら声をかける。
「フフフ、いい顔してるわね。よくやったわフェイちゃん」
「せやろ!」
フェイはドヤ顔で親指を立てて見せた。
そのまま周囲の注目を感じながら、フェイは深く息を吸い込んだ。そして、意を決したように口を開く。
「今日までのうちは正直監督としては全然アカンかったと思う...やけど今からのうちは一人でなんとかしたる!っていう、うちじゃなくて...この作品をみんなで最高の作品に仕上げたいから、みんなー!手伝ってな! って言える、うちになろうと思います。 だからどうか力を貸してください、そして最高の作品を作り上げてこの学校の歴史に残るぐらいにしましょう!」
フェイの決意のこもった言葉に、舞台の仲間たちが大きな拍手を送る。
--その夜、フェイの自宅にて--
「ただいまー!」
家に帰ったフェイは、いそいそと制服を脱ぎ捨てる。
「ぼくちんご飯おとなしく待ってるアル!」
リエルがソファに座りながらしっぽをフリフリしている。しかし、フェイはすぐに自室に向かうのではなく、キッチンに立った。
「あれ? 残りの脚本はいいアル?」
「うん、今日はもうええねん...それよりお腹すいたからたこ焼きでも作ってベランダで食べへん?」
「さんせーい!!」
リエルの歓声が家中に響き渡った。ユウマのおかげで心に余裕を取り戻したフェイは、明るい表情でたこ焼きの準備を始めた。
[おまけ]
さんくちゅありのメイキング♡ Vol.8
「今日のおやつはなんだろな...」
ニュフフと声を出しはしないが確実に笑っているルナが写っている。
「うわ、牛乳プリンなのだ...」
好物を前にしたアルインはワクワクが抑えきれない
「疲れたロン、ちょっと休憩しゅようロン」
「ええ、そうしましょう...あら? ルナ今日の差し入れはなんですか?」
「牛乳プリンよ」
「牛乳プリンですと!」
ルーシーはお胸をたぷんと揺らしプリンが入った箱に食いつく
「アンタなー あそこでピンクの照明はいやらしくなるからやめろって言うたやん」
「あれ、私じゃないもーん」
「ごめん、それ俺」
「お前は発情期の猫か!」
そんなやりとりをしながら休憩所に訪れたのはフェイとジュリア、そしてキースに各3人の星獣
「あーアルイン、アル」
「滑舌悪いペンギンもいるじょ」
「このメンバー2年生だけちゃろ」
「ほんとだー♡ なんか久しぶりじゃない?」
「なわけないやん、みんな昼休みも一緒やったやん」
「あれー?ルナなに持ってるの?」
キースがルナが手に持っている物を指差す
「牛乳プリンよ」
「やーん♡ 牛乳プリンだーいすき♡」
「うちもうちもー♡」
「俺も俺も♡」
「セレもセレも♡」
「ぼくちんもぼくちんも♡」
みんなで牛乳プリンを美味しそうに口に運ぶその姿を??とした顔で見ているペンドルトンとムニン
「なんであんなに牛乳プリンが好きなんだじょ?」
「さぁー、女の子だからロン?」
「それどういう意味じょ?」
「そういう意味ロン、白いから」
「あっ」
牛乳プリンの箱に書かれているメモには差し入れを持ってきた人物の名前とメッセージが書いてある
『ここの牛乳プリンめっちゃ美味しんで是非食べてください。あっでも!ちょっとだけ癖あるかも、ユウマより』
次回![第八十一話、忘れんじゃねえぞ...アイツの存在を……]
第八十話を読んでくださったそこのアナタ!
次回も読んでくれると嬉しいです(。•̀ᴗ-)✧




