[第五十一話、弦楽四重奏第4番『交差する不協和』]
毎週、月、水、土、絶賛更新中!!
※夜の21時までには投稿します!とのことでしたが21時までにはやめます(θ‿θ)でもその日中には投稿しますのでよろしこん
高評価にコメントも頼んまヾ(*’O’*)/す〜
レビューなんかもしてもろたら涙ちょちょぎれますわん
どうぞよろしゅうに〜
8月18
--氷鏡の大地--
リンは、氷のように冷たい空気の中で、大量の古代魔法の資料を抱え、足早にキャンプの中に入った。凍てつく風に頬を赤くしながらも、彼女は軽々とそれらを大きな木製の机にドサッと置く。
「この資料ここでいいですか?」と、冷静な声で2年生に言いながら資料を整える。
「うん!そこに置いといてー!」
一方で、机に座っているレオは、肩をすくめながら震えていた。彼の息は白く、コートを何度も引き寄せて暖を取ろうとするが、寒さには抗えない。
「こんなに寒いのに、どうやってそんな平然としていられるんだ?寒い寒い…」と、震えながら資料の山をじっと見つめてぼやいた。
「レオさん隊長なんですから動いてください」
「えー無理だよーだって俺寒いの苦手だし」
ストーブの前から動く気配もないレオに呆れ顔になりながらも作業を続けるリン
布製の重い扉が開くと、寒風がキャンプ内に吹き込んできた。レオは身を縮め、思わず声を上げる。
「寒いから、早く閉めてくれ!」
その声に応えるように入ってきたのは、1人の3年生の生徒だった。彼は少し息を整え、レオに向かって言った。「副隊長のルーシーが、洞窟内での遺跡調査を始めた。」
レオはその言葉を聞いて、少し身を乗り出した。
「わかったありがとう」
「行かなくていいんですか?」
リンガレオに聞くがレオはバツが悪そうにこういった
「ルーシーとは色々あったから、風華国で傷つけてしまったし...リンのほうこそ遺跡班にユウマも同行してるみたいだけど行かなくていいの?」
「私も色々あったので...」
リンはそう言うとキャンプから外に出ようとする、レオはリンを呼び止め
「ちょっち釣りでもするか」
その頃遺跡調査班のルーシーは、古代魔法のことが書かれた石板を見つけるために、細心の注意を払って作業を進めていた。
精密掘削ツールを手に取り、石板の周りを慎重に作業しながら黙々と作業をしているルーシーをジッと見ているユウマ
「なんですか?」
「いや、手際いいなって思って」
「何故ユウマがここにいるんでしょうか...ギルドの人間でもないのに」
「だってホシノ先生の頼みですもん仕方ないっすよ」
「あまり遺跡には触れないでくださいよ」とユウマに念をいれ再び作業に入る
遺跡の入口付近ではペンドルトンが隊員達の温かい飲み物やお昼ごはんの準備をせっせと進めている。
「ペンドルトン、ホパの飲み物にはちみつ入れてルー」
「今いしょがしいから向こういってロン!」
「大変ならホパもお手伝いするルー!ホパお手伝いは大得意だルー」
そんなことを言ってるそばからせっかく沸かしたお湯をこぼし、冷たいほうが美味しいからとスープにするためのトマトを外に放置しカチコチにしてしまったりとペンドルトンの邪魔ばかりするホッパーに
「ユウマ!このおバカカンガルーどっかやってロン」
「スマンすまん!ウチのホッパーが迷惑かけました」
ユウマに抱きかかえられルーシーのいる作業場に連れてこられたホッパーはルーシーが手にしてるツールを見て触りたい!触りたい!とユウマから離れようとするがこれ以上怒られたくないので力を入れホッパーを離さんとする。
すると他の隊員がルーシーに新たな古代魔法が書かれた石板を発見したと報告にきた
「ルーシー副隊長、こちらに新たな石板が見つかりました!今回な大物のような予感がします」
「わかりました!すぐに行きます」
高い脚立に座っていたルーシーが落ちないように注意深く降りて、石板へと足を運ぶ
「こちらです」
「おぉ、これは中々ですね」
真剣な話し合いをしている輪の中にヒョイと顔を出したユウマがルーシーに質問をする。
「古代魔法って竜魔法って呼ばれてるものですよね?」
「確かに竜魔法は古代魔法の一種ですが、一般に古代魔法とは、現代では使用禁止になったり、継承が途絶えたりしたものを指します。」
「例えばどんな魔法があるんですか?」
「今回この地に足を踏み入れた目的は、死の魔法を調査するためです。この死の魔法は俗に闇魔法とも呼ばれ、相手を即死させたり、操ったりする力を持っています。」
「へぇー、じゃあそれを調査してまた使えるように復活させるのが今回の目的とか?」
「あんたバカですか?そんな危ないことするわけないでしょ、こういうのはロマンですよ浪漫」
やれやれこれだからとブツブツと独り言を言っているルーシーを見て「ですよねー」とだけ返しておくユウマ
レオの提案で外に出て氷の海へ向かった。レオは楽しげに道具を取り出し、厚い氷に穴を開け始める。
「海釣りだ、寒いけどこれがまた楽しいんだよ!」
「これってサボりじゃないんですか?」
「まぁまぁいいじゃん☆」
「わーい海釣りでごわす」
「さ、寒いッスー」
レオは小さな椅子に座り釣り糸を垂らし、小さな穴を眺めながら、自由な時間を楽しんでいた。
「レオさん聞きたいことあるんですけど」
「んーなんだ?」
「レオさんって契約したことありますか」
リンの質問に少し気まずそうにレオはこう言った
「あるよ、1年の時に一目惚れした女の子がいてさその子とどうしても仮契約したくてもちろん結果は契約できたし付き合うこともできたんだけどな」
「更新しなかったんですか?」
「そうだな、原因は全部俺にあるんだけど...刹那先輩のこと好きになっちゃって」
「最低すぎる」
「そうだ俺は最低の男さ!しかもよりによってその、実は...仮契約の相手ローザなんだ..」
レオの衝撃発言にリンは口をアワアワさせ動揺している。
「あいつは察してたみたいで1年という契約期間が近づてきたときもなにも言わず俺の意見を了承してくれた..全くいい女だよアイツは...あっ!この事2年と1年には内緒な☆」
軽くリンにウィンクをし、念を押す。
「いい女って..いらなくなったら自分から振っといて最後は相手を褒めておけば丸くおさまるとでも?誰かを好きになってそっちに行きたいなら、バカ正直に言うんじゃなくてわからないようにしてよ..選ばれなかったほうは傷つくんだから」
「そうだよな…リンの言葉が正しいよ..」
「ルーシー先輩とのことなにがあったかは知りませんけど、このままうやむやにするなら私がレオさんの”首”、剣崎の名にかけて切り落としますから」
「わ、わかった今度こそちゃんとするよ」
洞窟で作業をしているルーシーとユウマに声をかけるホシノ
「調査隊の皆さんお疲れ様♡どう進んでる?」
「ホシノ先生、はい順調に」
「よかったー、ユウマ君もちゃんとお手伝いできてるかしら?」
「もちろんですよ!みんなの邪魔にならないように脚立とか支えたりしてます」
「ホパもねお手伝いしてるルー!」
「偉い偉い♪じゃあ先生からの差し入れ持ってきたからお昼に食べてね、それじゃあね」
ホシノはそう言うと暖かいキャンプへとさっさと戻って行った。
もうそんな時間か…そう思ったルーシーは脚立の上から声をかける
「ホシノ先生からの差し入れもありますので、皆さん、ここでお昼にしましょう。」
ルーシーの提案で作業は一時中断し、昼食を取ることにした。皆が集まって、ホシノ先生からの差し入れを囲むと、和やかな雰囲気が漂った。
「はいルーシー、暖かいお茶だロン」
「ありがとう」
「ペンドルトン俺のは?」
調子にのってるユウマに氷の魔法でキンキンに冷やした飲み物を、「はい」と手渡す
扱いひどすぎとシクシク泣いてるユウマにルーシーが話しかけてきた。
「そういえばリンと何かあったんですか?合宿から帰ってきてから少し雰囲気が違うような」
「はい、実は...」
ゴニョゴニョ
「なるほどそんな事が..ジュリアに代わって僕からも謝ります、ごめん」
「いや、いいんですよ悪いのは俺ですし」
「僕ジュリアとはサンクチュアリ入りたての頃ものすごく仲が悪かったんですよ」
「なんかわかる気がする..水と油っぽいですもんね」
「適当なことばっかり言っていっつも誰かにくっついて、そんなジュリアを見ているとイライラしてしょうがなかったんですよね、だけど僕が刹那さんに些細な事で叱られてるときにジュリアは僕を守ってくれたんですよ、そこからですねいがみ合いながらもお互い尊敬しあったのは」
温かいお茶を眺めながら昔話をしてくれたルーシーにユウマはここでも2年生の絆を感じる
「そんなことが、俺2年生の先輩達って一人一人が自由なイメージだったんですよ...だけど改めてジュリア先輩の話し一つでもそうだけどホント仲いいなって思います」
「そうですか?ま、まぁ確かに一番つまらない喧嘩ばかりしてるかもですが仲はいいかもです。」
少し頬を赤らめながらも得意げな顔をして飲み物を口に運ぶルーシー
「ルーシー先輩ってレオさんと契約しないんですか?」
「ブゥゥゥゥー!」
唐突の爆弾発言に思わず口に含んでいる飲み物を吹き出してしまう
「な、なに言い出すんですか!?この方は」
「だって好きなんですよね?」
「好きですけど僕のことなんかなんとも思ってないですよあの人」
「そんな事ないですよだってあのときだって..」
ユウマの言葉を覆いかぶすようにルーシーが少しだけ声を荒げ
「僕振られたんですよね...重いってだからもう無理なんですよ..」
「ルーシー先輩....」
すると遺跡の奥から悲鳴が聞こえてきた。
「どうしたんですか!?」
「遺跡の奥から魔物が...!」
「なんですって!?ユウマ準備を!」
「はい!行くぞホッパー」
「ペンドルトンはみんなの避難と魔物が出たとキャンプに知らせてください」
「了解したロン!」
奥に進むと現れたのは、約3メートルの巨体に白い毛で覆われ、鋭い青い目は何かを狙うように光り、
その口元には鋭い牙が覗き、冷気が漂う。彼の長い手足には鋭い爪があり、恐ろしい見た目をしている魔物の名前はフロストバンデューク
「ユウマ気を付けて」
ルーシーはペンダントから槍先に刃がついたハルバードと呼ばれる長柄を呼び出す。
遺跡の暗い空間に冷たい緊張感が漂う。ルーシーはハルバードをしっかりと構え、ユウマは拳を握りしめ、フロストバンデュークに立ち向かう。巨大な魔物が迫る中、彼らの心臓は早鐘のように鳴り響く。
「はぁぁぁぁ!」ルーシーが叫びハルバードを大きく振り上げ、鋭い刃をフロストバンデュークに向けて突き刺す。刃先が彼の肩に当たる、フロストバンデュークはその攻撃に動じず、反撃のために巨大な拳を振り下ろす。ルーシーは素早く身をかわし、攻撃を回避する
『スチールスマッシュ』と唱え拳を鉄のように強化し一瞬の隙をついてフロストバンデュークの足元を狙いユウマは力強く一撃を放つ。
しかし、フロストバンデュークは身をひねり攻撃をかわし、ユウマの顔面を狙って拳を振り上げる。ユウマは急いで後方に飛び退き、攻撃を避ける。冷気が肌を刺すが、ユウマは怯まずに再び突進する。
「ルーシー先輩!」ユウマが叫ぶと、ルーシーは再びチャンスを逃さず、ハルバードをフロストバンデュークの腕に突き刺す。金属が硬い皮膚に当たる音が響き、魔物は苦悶の表情を浮かべる。
その瞬間、ユウマはフロストバンデュークの背後に回り込み、強烈な一撃を放つ。拳が巨体に命中し、フロストバンデュークは一瞬よろける。危険を感じたのか、獣のような咆哮を響かせる。その声は遺跡の奥深くに響き渡り、仲間を呼び寄せる合図となった。
「まさか仲間を呼んで...」ルーシーが警戒を強める。フロストバンデュークの周囲から、さらに二匹のフロストバンデュークが現れる。その姿は彼よりも小さいが、十分に凶暴さを持っている。
「ユウマ、二手に分かれましょう」ルーシーは冷静に指示を出し、戦闘はますます激しさを増す。
ユウマの背後から小さな影が飛び出した。ホッパーが素早い動きでフロストバンデュークの足元をトテトテ走り回りながら戦いに加わる。
「ホッパー、頼むぞ!」ユウマが声をかけると、ホッパーは勢いよく跳び上がり、フロストバンデュークに向かって「ホッパーパンチ」を放つ。小さな拳が巨体に当たる
フロストバンデュークは驚いて一歩後退するが、すぐに反撃のために振り返る。ホッパーはその隙を逃さず、今度は「ホッパーキック」で攻撃する。強力なキックが魔物の横っ腹に命中し、フロストバンデュークはうめき声を上げて倒れそうになる。
「いいぞ、ホッパー!もっと行け!」ユウマは、ルーシーと共にフロストバンデュークに立ち向かう。
レオは温かい飲み物を手に取り、寒さから逃れるためにストーブの近くに身を寄せている。その時、遠くから小さな影が急ぎ足で近づいてくるのが見えた。
「あれは..」レオが声を上げると、リンも身を乗り出してその影を見つめる。やがて、それは小さなペンギンの姿をした星獣、ペンドルトンだった。
「ペンドルトン、どうした?」レオが尋ねると、ペンドルトンは急いで羽をばたつかせながら言った。「緊急事態だロン!ルーシーとユウマがフロストバンデュークに襲われているロン!」
その言葉に、レオとリンは驚愕の表情を浮かべる。
「ユウマとルーシー先輩が!?」
リンは急いで立ち上がり、レオもすぐに準備を始める。
「二人を助けなきゃ、行くぞ!」レオの言葉に決意を込め、彼らは急ぎ足で険しい道を進むのだった。
[おまけ]
「キャンプの中から見る雪は格別ねー」
「ホシノ先生、くだらないこと言ってないで資料の整理手伝ってください。」
「はーい、ええっとーこっちがこの資料よね」
「全然違います。」
「だって先生わかんないんだもーん!」
「顧問なんだからしっかりしてください」
「ホントにもうレオ君意外手厳しい人ばかりで先生タジタジよ」
次回![第五十二話、弦楽四重奏第5番『男と女』]
第五十一話を読んでくださったそこのアナタ!
次回も読んでくれると嬉しいです(。•̀ᴗ-)✧




