[第十三話、何でも屋実行部!?]
毎週、月、水、金の更新を予定してイたのですが、今週から月、水、土に変更しようかなと思ってます、読んでくださっている皆さんは金曜日のほうがいいのか土曜日のほうがいいのか、よかったら教えてくれると、めちゃんこ嬉しゅう
※夜の21時までには投稿します!
どうぞよろしゅうに〜
5月6日。
「うーん……」
リンと契約を交わしてから、もう一週間が経った。
少しだけ気まずさは残っているものの、俺たちは何事もなかったかのように、日常を過ごしていた。
「ゔぅーん……」
なぜ俺がうなっているかって?
それは――新しい呪文を覚えたくて、ここ最近放課後はずっと図書室にこもりっきりだからだ。
「あああ〜! なんで俺は一つしか魔法が使えないんだよ!」
「ユウマもまだまだルーキーだもん、仕方ないルー」
「うるせぇな。お前だって、まだ子供だろ」
ホッパーとの小競り合いをしていると、ふいに肩を叩かれた。
振り返ると――
「最近よく見かけるね。お勉強?」
ミシェルだった。
「なんだ、ミシェルもいたのか」
「うん、私、図書委員だから。隣、座ってもいい?」
「構わない」
ミシェルは「ありがとう」と微笑み、空いている席に腰を下ろすと、俺の持っていた本を覗き込んだ。
「『鉄魔法が上手くなるための7つの方法』……ユウマ君の得意な魔法って、鉄魔法なんだね」
「そうなんだよ。もっとカッコいい魔法を期待してたんだけどな……」
「……今でも、十分カッコいいよ」
「ん? なんか言った?」
「ううんっ! なんでもないですっ」
突然顔を赤くして目をそらすミシェル。
……俺、なんか変なこと言ったか?
「ユウマはずーっとこの本とにらめっこしてるんだルー!」
「ばっ、バカ、余計なこと言うな!」
ホッパーが机の周りをピョンピョン跳ねながら、無邪気に煽ってくる。
「私もまだまだだけど、もしかしたら教えられるかも。なにがわからないの?」
「実はさ、この呪文を使ってみたくて。広場で練習しても、うんともすんとも言わなくてさ」
「この呪文って……」
「名前からしてカッコいいだろ? 『メタルスパイク』。地面から鉄の棘を突き出す魔法。めちゃくちゃカッコよくないか?」
「ごめんね、悪気はないんだけど……その呪文、上級魔法の中では比較的簡単なほうなんだけど、それでも今のユウマ君には難しいかも」
「……マジっすか?」
「マジっす。魔法には、上級・中級・下級ってあるのは知ってる?」
「なんとなくは。でも……あんまり意味わかってないかも」
俺の発言に、ミシェルはちょっと驚いた顔をしたが――すぐに真剣な表情に変わる。
口を引き結び、少し考え込むような間があってから、ゆっくりと説明を始めた。
「呪文は、大きく分けて三つのカテゴリーに分類されてるの。下級、中級、上級。
まず、下級は“基礎魔法”って呼ばれていて……例えば『リヴィテーション』。これは――」
「小さな物体を浮かせる魔法だろ? それぐらいはわかりますとも」
「よかった。簡単に言うと、下級魔法は人を傷つけにくい魔法のこと。主に日常生活や補助に使われるの」
「なるほどな。で、中級魔法は……俺の『スチールスマッシュ』みたいな戦闘向けってことか」
「その通り。中級は攻撃・防御、戦闘に使う魔法が多いね。で、問題は上級魔法。これは威力が高いぶん、詠唱が必要になるの。しかも――詠唱時間が長ければ長いほど、強力だってされてる」
「じゃあさ、ちゃんと全部詠唱したのに、どうして俺の『メタルスパイク』は発動しなかったんだ?」
「……それはね、ユウマ君の“経験値”と“魔力を貯められる最大値”が、まだ少ないからだと思う」
「なるほどな。つまりは――」
――あっ!
野生のブループリンとトロールが現れた!
《ブループリン:HP5》《トロール∶HP10》
《ユウマ:HP7/MP5》
「ユウマ君……このドット画面、なに?」
「まぁ、見てなって」
ユウマ『スチールスマッシュ』!
ズバッ! 5のダメージ!
ブループリンを倒した! 消費MP:3
「極端な話さ、こうやってMPを使い切っちまったら、もう次の魔法も撃てない。
上級魔法なんて、なおさら無理ってことだ」
「その通りだね。……でも、私たち魔法使いには“魔力回復薬”みたいな道具もあるし、
“魔力供給”で魔力そのものを増幅する方法もあるよ。 それに、魔法を使わずに武器で戦えば、そのぶん魔力を温存できるの」
「おぉ……! そういうことか。よし、仮にここで――ミシェルと魔力供給するとしよう」
「えっ……ちょ、ちょっと、私と……ってユウマ君っ……!」
ユウマはミシェルと魔力供給を行った――
チュ♡
MPが全回復! 最大MPが15に上昇した!
ユウマ『メタルスパイク』!
ズバズバズバッ! 会心の一撃!
トロールに20のダメージ! トロールを倒した! 消費MP:10
♪ 勝利のファンファーレが鳴り響く ♪
「……要するに、こういうこと?」
「そ、そう……ですね。あと、星獣を神獣に進化させるときにも魔力が大量に必要になるから、魔力の管理はほんとに大事なんだよ」
「つまりは、地道に基礎練習したり、戦いで経験を積んで…… レベルを上げろってことだな」
「……そういうことです。よくできました」
ミシェルがふわっと微笑んで、俺の頭を優しく撫でる。
その手の感触があまりにも心地よくて、俺は思わず鼻の下を伸ばしてヘラヘラしてしまった――そのとき。
「あっ! こんなところにいた!」
図書室のドアが勢いよく開いて、声が飛んでくる。
声の主はリンだった。彼女は俺を見つけた瞬間、なぜかムッとした顔でこっちを睨んでいた。
「なんだよ、その顔」
「なんだじゃないわよ。すっごい探したんだからね! レイヴンさんが呼んでるの。行くよ!」
「ちょっ、引っ張るなって! ……ミシェル、説明ありがとう。またわかんないことあったら教えてくれ!」
強引に腕を引かれながら、俺はミシェルに頭を下げた。
ミシェルは微笑みながら手を振ってくれたが――その笑顔は、どこか寂しげだった。
−−−−
連れてこられた先は――ギルド『サンクチュアリ』
まさかこんなところに来ることになるとは。
扉を開いた瞬間――俺は、言いようのない違和感に足を止めた。
構造自体は、他のギルドの部屋と大差ない。
天井の高さも、床の材質も、机や棚の配置も、どこか見覚えのあるものばかりだった。
けれど――空気が、まるで違う。
何かが張りつめている。
肌にまとわりつくような重さ。呼吸のたびに、胸の奥がじんわりと熱くなる。
壁にかけられた一枚の古地図、棚の奥に飾られた年代物の魔道具、正面に掲げられたギルドの紋章。
すべてが過剰じゃないのに、ただの飾りとは思えなかった。
むしろ、見られている気さえした。
足を一歩踏み出すだけで、背筋が伸びる。
ここには、何かある。
“特別”という言葉じゃ足りない、何かが――。
「ここが……サンクチュアリ……」
声に出してみた途端、その名が部屋全体に染み込んでいくような気がした。
「失礼します。ハヤシ・ユウマ君を連れてきました」
「ご苦労さま。いきなり呼んで悪かったな」
部屋の奥から聞こえてきたのは、レイヴンさんの声だった。
その場にはジョンとレイラの姿もあった。
「なんだ、二人も呼ばれてたのか」
「遅い! どこほっつき歩いてたのよ!」
「ぼ、僕たち……なにかしましたか? サンクチュアリからの呼び出しなんて……まさか林間学習で勝手に箒乗ったのがバレたとか……?」
ジョンの声がやけに震えていた。なんだかこっちまで不安になってくる。
「安心していい。君たちを呼んだのには、ちゃんと理由がある」
そう言ってレイヴンさんが差し出したのは、一枚の紙だった。
「君たちを、ギルド『サンクチュアリ』に加入させたいと思っている」
…………
一瞬、誰も声を発さなかった。
誰かが何かを言うのを、誰もが待っている――そんな沈黙。
「ん? どうした? みんな固まって」
「だって……」
「サンクチュアリに加入なんて……」
「心の準備が……」
レイラ、リン、ジョンが次々に口を開く。
この場の空気をほぐすように、メリファさんがやわらかく笑った。
「そんなに気を張らなくていいわよ」
「この人、怖い顔してるけどね。生まれつきなの」
「余計なことを言うな」
「は〜い、ごめんなさ〜い」
思わぬイチャつきに場がちょっと和んだところで、レイヴンさんが咳払いして話を続ける。
「サンクチュアリに入ったからといって、特別な制限があるわけじゃない。 今まで通り、他のギルドや委員会、バイトがあるなら、それとの掛け持ちも自由にして構わない。
ただ、このギルドが他と違うところは――」
その時だった。
「おっまたせ〜〜ん♡」
ドアがバーンと開き、ものすごい勢いで入ってきたのは、金髪短髪に角の生えたド派手な人物
「あんら♡ お取り込み中だった? ただいまレイヴンちゃん♡」
「クエストお疲れ様です、ケビン先生。ローザは……?」
「ローザちゃんならね〜、もうクッタクタだから今日は帰る〜って♡」
これが……あのサンクチュアリの顧問として紹介されてたケビン先生!?
入学式のときにいなかったけど……
想像の五倍くらい濃い!
「もしかして新入生ちゃんたちね〜♡」
ケビン先生がスーッと俺に近づいてきて、全身を上から下までジロジロ見てくる。
なんかこう……視線が……生々しい!
「いいんじゃない? 頑張って♡ んちゅ♡」
投げキッスを残して、先生はシャワー室へと去っていった。
……なんだあの破壊力。
「話がそれたな」
レイヴンさんが小さく息を吐いて、続ける。
「サンクチュアリの主な役割は、この学園を守ること。そして、他のギルドでは対応できない依頼を引き受けることだ。 もちろん危険な任務もあるが、そのぶん報酬も大きい。卒業後の将来にも必ず役に立つ。どうだ、4人とも――加入してくれないか?」
「……一分だけ、時間をください」
俺はそう言ってみんなを手招きし、自然と円になった。
「正直に言おう。みんな、どう思ってる?」
「私は加入する…… 元々このギルドに加入するのが目的でもあったし」
「アタシも。こんなチャンス、そうそうないもん」
リンとレイラの答えは、即決だった。
でも――ジョンだけは、顔を伏せたまま言葉が出てこない。
「僕は……僕はケンザキさんやレイラみたいに強くないし、ユウマのようなガッツもない。 この中で一番弱いのは僕だと思うし、そんな僕が加入しても……って考えると、不安で……」
そんなジョンに、リンがまっすぐ言葉を向ける。
「自分が弱いって決めつけるの、やめなさい。 戦うことだけが全てじゃない。サンクチュアリにいた人の中には、有名な発明家や考古学者、作家になった人だっている。せっかくのチャンスを無駄にするの、もったいないよ」
「そうだよ、ジョン。俺だって不安だけど……お前がやるって言うなら、俺も死ぬ気で頑張る。一緒にやろうぜ」
そう言って、俺は拳を差し出した。
ジョンは少しの間黙っていたけど、やがてしっかりと頷いて、その拳をぶつけ返してきた。
「……僕も、やってみるよ。みんなと一緒に」
「よし」
俺は顔を上げ、レイヴンさんに向き直る。
「俺たち全員、サンクチュアリに加入します!」
[おまけ]
「レオのイケメン解説コーナー!」
「いいわよ〜♡ レオく〜ん!」
「アハハ…ありがとうケビン先生。このコーナーでは、俺がお便りを読んで、そのお題を解説していくぜ! 今日のアシスタントはこの人!」
「アシスタントのケビンでぇ〜す♡ よろしくお願いしま〜す♡」
「……よし、それじゃあ早速お便りを読むぜ。えっと……ペンネーム“少女マンガ大好きメガネ”さん! お便りありがとうな! 『サンクチュアリについて詳しく教えてください。あと、ついでに趣味も教えてください』っと。
それじゃあ、いってみよう! サンクチュアリについて詳しく教えるぜ☆ レッツら〜」
「ゴー♡」
「ギルド『サンクチュアリ』は、エンチャントレルム学園内で最も人気のあるギルドのひとつだ。
ここは、“魔法だけがすべてじゃない”って考えを大事にしてて、いろんなスキルや知識を持った人材を育てて、世界に貢献することを目指してるんだ☆」
「スカウト制度♡ サンクチュアリはね、スカウト制度を採用してるの♡ 才能のある個人を見つけて、ギルド側から声をかけるのよ〜♡ スカウトされた子は、特別な指導やチャンスを受けられるの。
ちなみにレオくんは入学して3日でスカウトされたんだって♡ これは歴代最短記録らしいわよ、さっすがイケメン!」
「へへ、まぁね☆」
「次はあちしが説明しちゃうわん♡ “多様な分野への展開”! サンクチュアリは魔法だけじゃなくて、技術、医療、文化などいろんな分野にも力を入れてるのよ〜♡
これからどんなメンバーが出てくるか、楽しみでしょ?」
「しかも、入団後は自分の興味や才能に合わせて専門分野を選べるんだ。成果を出せば、リーダーになったりプロジェクトの責任を任されたりもする。つまり、出世コースってやつだな☆」
「さらにさらに〜♡ サンクチュアリは他のギルドとのかけ持ちもOKなの♡ 興味のある分野や活動に合わせて、複数のギルドに所属できちゃうのよ〜♡ これがまた、自由で柔軟なところが若者に人気なのよね〜♡」
「そういうわけで、サンクチュアリは“多彩なメンバーが集まる場所”であり、“協力して課題に挑むチーム”でもある。
学園内でもかなり重要なギルドってことだな。」
「ビューティーフォー♡ さぁてんっ、説明も終わったことだし〜……レオく〜ん、会いたかったわ〜♡」
「ヒィィィ! サンクチュアリはとにかくすごいギルドってことです!
あと、俺の趣味は釣り!ではまた次回! さよならーっ!」
次回![第十四話、初回クエスト]
第十三話を読んでくださったそこのアナタ!
次回も読んでくれると嬉しいです(。•̀ᴗ-)✧




