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フツメンofウィザード 〜地味な俺が異世界魔法学園でなぜか注目される件〜  作者: ベルガ・モルザ


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[第百十二話、転生という名の囚人]

毎週、月、水、土、絶賛更新中!!


高評価にコメントも頼んまヾ(*’O’*)/す〜

レビューなんかもしてもろたら涙ちょちょぎれますわん


ここ数日間沢山の人に足を運んでいただきさらに評価までいただけてホンMONEY嬉しいです。

是非私の作品をドンドン声にだしてアピールしていただけたらとってもハッピーになる所存


どうぞよろしゅうに〜

「俺が……イクノシアの転生した姿……?」


信じられない。

信じられるはずがない。


心臓の鼓動が、耳の奥でうるさいくらいに鳴り響く。

手のひらにじっとりと汗が滲み、指先が震える。


「ユウマ、お前は我だ」


イクノシアの言葉が、鋭い刃のように胸に突き刺さる。


――意味がわからない。

そんな馬鹿な話があるわけない。


「魔王イクノシア! デタラメは許さない!」


憤怒に燃える声が響いた。

俺の隣にいるリンが、怒りのままにイクノシアを睨みつけていた。


「我はデタラメなぞ、一言もいってはおらんぞ」


余裕を滲ませるように言うイクノシアの声が、不気味なくらいに冷たい。


「ユウマ! この男の言葉を聞いてはダメ! コイツは……コイツはこの世の悪そのものなんだから!」


リンが強く叫びながら、一瞬の隙を突いて飛び込む。

「漆夜」を鋭く振り抜き、イクノシアの脇腹を斬り裂いた。


ズシャァッ!!!


「っぶほぉ!!」


イクノシアが口から血を吐き、脇腹を押さえる。

俺の攻撃は完全に見切っていたのに、リンの軌道は読めなかったのか。

――やはり、剣崎の名は伊達じゃない。


「次は首を狙うわ……一瞬でカタをつける」


リンの目が研ぎ澄まされる。

静かに息を吸い、吐きながら、ゆっくりと刀を回す。

時計の針のように軌道を描き、刃先が真上を向いた瞬間――


俺は叫んだ。


「ダメだ……リン……イクノシアに構うな、お前が殺されるぞ!!」


ここまでたくさんの人間を失ってきた。

リンまで失うなんて、そんなこと考えられない。


「そうだ、剣崎の末裔よ……やめておけ、お前では我には敵わん」


イクノシアが不敵に笑う。

その手が、血を流し続ける脇腹に伸びる。


――次の瞬間。


まるでマジックのように、傷口が塞がれていた。


「嘘……かなり深くまで切ったのに……」


リンの驚いた声が、戦場の静寂に響く。

そりゃそうだ。俺だって、同じ反応をする。


少しばかりの沈黙。

それを破るように――


「……眩っ!?」


視界が閃光に覆われた。

思わず目を細める。


――視線の先。

雛音が、またしてもレイラの魂を抜き取ろうとしていた。


「クソッ! あの野郎!!」


反射的に地を蹴り、レイラの元へ向かおうとする。


だが――


「まだ、お前の話は終わっていないぞ?」


イクノシアが、俺の前に立ちはだかった。


「どけよ!! レイラを助けに行くんだ!!」


「グハハ、お前も愛する女を失うのが恐いか!?」


「そんなんじゃない!」


「ならば、放っておけばよかろうに」


「うるせぇ!!」


俺が拳を握り締めたその時――


「レイラは任せて!!」


リンの声が響く。


俺が振り向くと、リンの背後には三匹の神獣――

ホッパー、ヤマトマル、フレイアが揃っていた。


「ホッパー! ヤマトマル! フレイア! 行くよ!!」


リンの指示と同時に、三匹の神獣が一斉に飛び出した。

リンを先頭に、彼らはレイラの救出へ向かっていく。


「くそっ……頼んだぞ、リン……!」


俺は拳を握り締め、前を向く。


「さて、邪魔者もいなくなったわけだ……」


イクノシアが、静かに微笑む。

俺を真正面から見据えながら、ゆっくりと手を開いた。



「ゆっくりと……我とお前の話をしようか」


まるで家族に再会したかのような笑顔で、イクノシアが俺を見つめていた。


――正直、気持ち悪い。


心臓がドクン、と音を立てる。

寒気すら覚えるその視線を振り払うように、俺は問うた。


「イクノシア……俺がお前の転生者だって、いつから気づいていた?」


イクノシアはフッと口角を上げ、悠然と黒曜石の椅子に深く腰掛けた。

まるでこの場の支配者であることを示すように、堂々とした態度だった。


「確信したのはついさっきだ。だが、お前と無人島で少しばかり共に過ごしていた時間……」


薄く笑みを浮かべながら、イクノシアは続ける。


「……あの時点で、お前だけは他の者とは違う"何か"を感じていた」


「違うなにかって、なんだよ」


俺の問いに、イクノシアは指を三本立てながら、静かに答えた。


「疑問点が浮かんだのは三つある。まず一つ目……お前の"魔力供給"の契約相手が五人だということ」


「それとお前には何が――」


言いかけたところで、ハッと気づいた。


「……そうか……!」


俺の表情を見たイクノシアは、満足そうに頷く。


「察したようだな。そう、普通の人間ならば契約の相手は一人だけだ。だがお前は違う。そして、"魔力供給"を作ったのは、我自身だ」


その言葉に、背筋が凍った。


「我もまた契約相手は一人ではなく――封印される前は何十人も、封印が解かれた現世では前からの契約相手……雛音、ダミアナに続き、サミラ、ナディア、アリヤ、そしてミシェルと契約している」


「でも、それはたまたま異世界転生してきた俺の"異世界特典"って可能性もあるだろ!」


なんとかして否定しようとする俺に、イクノシアは冷静に首を振る。


「まあ、そう焦るな……次に、二つ目の理由だ」


イクノシアの声が低く響く。


「無人島でのゴーレムとの戦いでの"覚醒"……そして"漆夜"の出現」


「待てよ! それだって俺の魔力が暴走しただけかもしれないし、あの刀はお前を封印した刀だろ? こんなことじゃ俺が"お前"だって証拠にはならねぇ!」


そう叫ぶ俺を、イクノシアは静かに見つめる。


「確かに、"漆夜"に関しては我も説明できぬ。だが"魔力の暴走"……あれは、我が千年前に経験したものとまったく同じだ」


……意味がわからない。

なんで俺がお前の転生者なんだよ。

こんな普通の、つまんねぇ男が……。


偶然にしては、出来すぎている。


俺の中で、"何か"が崩れ落ちる音がした。


「そして最後の理由だ」


イクノシアが静かに手を上げる。


「お前の手の甲に浮かび上がっている"紋章"を見ろ」


「紋章って……?」


イクノシアに促されるまま、俺は自分の手の甲を見た。

そして、そこに――


逆十字と日蝕の紋章 が刻まれていた。


「……これ、なんだよ」


「それは、我が闇の魔法使いとして生きると誓い、魔王になると決めたときに生じた"証"のようなものさ」


イクノシアは、俺に向かって自分の手の甲を見せる。


そこにあったのは、俺と同じ"逆十字と日蝕の紋章"。


「これは――お前と我にしかないものだ」


イクノシアが静かに言い放つ。


「これで確信した。お前は――我だ」


「……でも、それもただの偶然じゃ――」


「いや、必然だ」


「いい加減にしろよ……!!」


俺の声が、震える。


「必然だったらなんだよ!? 俺が生きてきた二十五年は、ただお前が蘇るための時間稼ぎだったのかよ!?」


イクノシアが、目を細める。


「説明だけでは納得できぬだろう」


そして、奴は俺の名を呼んだ。


「ユウマ……我の目を見ろ」


鋭く、圧のある声だった。


俺は反射的に金色のその瞳を見た。


「今から、お前に"我の千年前の記憶"を見せてやる」


声が、遠のく。


「何故、我が魔王となったのか……」


意識が揺れる。


「そして、何故……一部だけが"転生"したのか」


気が遠くなる――


世界が、暗転した。


次回![第百十三話、イクノシアの過去]

第百十二話を読んでくださったそこのアナタ!

次回も読んでくれると嬉しいです(。•̀ᴗ-)✧

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