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フツメンofウィザード 〜地味な俺が異世界魔法学園でなぜか注目される件〜  作者: ベルガ・モルザ


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[第百十一話、ノリで作った薬の副作用]

毎週、月、水、土、絶賛更新中!!


高評価にコメントも頼んまヾ(*’O’*)/す〜

レビューなんかもしてもろたら涙ちょちょぎれますわん


どうぞよろしゅうに〜


闇に包まれた異形の船の甲板。

赤と金の装飾が施された豪奢な空間は、今や戦場と化していた。


「行くぞ、ユウマ」


イクノシアが静かに構える。

その目には、どこか試すような光が宿っていた。


ユウマも拳を握りしめ、一歩前へ。

両者の距離は、わずか数メートル。

だが、そこに満ちる魔力の圧が、異様なまでに重い。


『スチールスマッシュ!!!』


ユウマが吠える。

彼の拳が一瞬にして鉄へと変わり、轟音と共にイクノシアへと突き出された。


ドォンッ!!!


風が割れ、鉄の拳が空気を切り裂く。


しかし――


「ふっ」


イクノシアは微動だにせず、まるで時間の流れを見切ったかのように、最小限の動きでかわした。


直後、黒い影が閃く。


「こっちもいくぞ……!」


イクノシアが放つ拳――

魔力によって強化されたその一撃は、空間を歪ませるほどの威圧感を持っていた。


ユウマは反射的に腕を交差し、ガードを固める。


ズガァッ!!!!


凄まじい衝撃が響き、甲板の装飾が吹き飛んだ。


(速い!威力もやべえ……!)


ユウマは歯を食いしばりながら後退する。

防御したはずの腕が、痺れて動きにくい。


だが、考える暇はない。


イクノシアが、再び一歩踏み出した。


その目は、まるで何かを確かめるように揺らいでいた。


(……妙だ)


イクノシアはユウマを見つめながら、どこか既視感のような違和感を覚えていた。


「こいつ……妙に馴染みがあるな……」


まるで"自分"を見ているかのような――

そんな奇妙な感覚に、イクノシアの目が僅かに細められる。

 


互いに拳を交わし、打撃を重ねたことで、空間全体が荒れ狂っていた。

だが――このままでは埒が明かない。


ユウマは拳を握り直し、後方へ跳躍した。


『アイアン・ブラスター!!!』


轟音と共に、ユウマの拳から鉄粉が圧縮され、鋼鉄の弾丸となってイクノシアに向かっていく。


超高速で迫る弾丸。

しかし、イクノシアは僅かに口角を上げただけだった。


「遅い」


黒い影が翻る。

イクノシアの手がわずかに動くと――


バシュンッ!!


鉄の塊が、まるで紙のように弾かれた。


「……マジかよ」


ユウマの目が見開かれる。


『さぁ、我の番だ……"ヴォイドフレア"!!!』


イクノシアの手が闇を掻き、炎が生まれる。

だが、それは通常の炎ではなかった。


黒い炎が渦を巻きながらユウマへと伸びる。


ゴォォォォッッ!!!!


『くっ……!"スチール・バリア"!!!』


ユウマが即座に両腕を交差させ、鋼鉄の壁を展開する。


ガギィィィィンッ!!!


バリアと炎がぶつかり合い、激しい衝撃が生まれる。


だが――


「なっ……!?」


ユウマの目が驚愕に揺れる。


バリアに絡みつくように、黒炎が侵食していく。

まるで意思を持っているかのように、じわじわとバリアを飲み込もうとしていた。


(この炎……ただの魔法じゃない!喰らったら終わる!!)


ユウマは即座に後退しようとする。


だが、その瞬間――


「逃がさん」


イクノシアの手が空を切る。


『ネザークレイヴ!!!』


虚空が歪む。

イクノシアの手のひらから、黒い歪みが発生し、触れたものを削り取る魔力の渦がユウマを包み込んでいく。


「やべっ……!」


ユウマは咄嗟に横へ飛ぶ。


バギャアァァッ!!!


ユウマがいた場所の空間が裂け、深い傷痕を残す。


「もし今のが直撃してたら……腕ごとなくなってたな」


イクノシアが静かに呟く。


ユウマは、荒い息をつきながら拳を握りしめた。

 


相手の攻撃を受けるたびに、自分の中で"何か"がざわめく。


(……こいつ……何かが引っかかる)


鋭い視線で睨みつけながらも、ユウマの心の奥底で、"妙な感覚"が揺れていた。


("俺"を知ってる……?)


次の瞬間、イクノシアが薄く笑った。


「どうした?随分と考え込んでるじゃないか……"ユウマ"」


その言葉に――


ユウマの拳が、無意識のうちに強く握りしめられた。


イクノシアはユウマを見据えたまま、わずかに眉をひそめる。


「ほう……それを抜くか」


ユウマは黙って妖刀を握りしめる。刃の黒が空気に溶け込むように歪み、微かな波動が揺らめいた。


「"漆夜"。それは貴様の剣ではないはずだが……」


「お前も知ってるだろ? 俺は"剣崎凛"と契約してるんだよ」


ユウマの言葉に、イクノシアはわずかに目を細める。

だが、その表情に驚きの色はない。ただ、どこか冷たい違和感が漂っていた。


「……なるほど。理屈はわからんが… どこまで使えるか試してやる」

 

「ゴチャゴチャうるせぇんだよ!」



斬るべき軌道は見える。

だが、"剣"としての洗練が足りず、動きに無駄が生じる。


その刹那――


「……その程度か」


イクノシアが静かに呟く。

彼の視線は冷たく、まるで "未来を見通す"かのようだった。


「貴様の動き……見切った」


ユウマが振るう刃が、寸分違わず "避けられている" ことに気づく。

それは単なる反射ではない。


「その振りは甘い……小十郎ならば、ここで角度を変えていただろうな」


イクノシアの口から、"剣崎小十郎" の名が出る。

それは即ち―― この男が、"剣崎小十郎" の戦い方を知っている証拠 だった。


「ッ……!」


ユウマは息を呑む。


(コイツ……俺の軌道を完全に読んでやがる……!!)


そして――


ユウマの一撃がかすり、イクノシアの腕に浅い傷を刻む。


その瞬間、イクノシアの目がわずかに細められる。


(……やはり貴様は……)


確信に至った瞬間、 イクノシアは次の一手を繰り出した。



ユウマの攻撃の軌道を見切ったイクノシアは、最小限の動きで回避すると、拳を走らせた。


「……ふん!」


ゴッ――!!


ユウマの手に強烈な衝撃が走る。

握りしめた漆夜が、"柄ごと" 弾かれる。


刀身が宙を舞い――



タイミングよく遅れて来たリンの目の前へと落ちる。


「これは…」 


反射的に リンは漆夜を掴んだ。


刀を握るのと同時に、銀色の閃光が駆ける。


「ルー」


低く、落ち着いた声。


ユウマの視界に映ったのは――


銀色の髪をなびかせ、白いマントを纏う ホッパーだった。



神獣化したホッパーは、無邪気な雰囲気を消し、まるで"戦士"のような鋭い眼光を宿していた。


「リン、一緒に戦う」


ホッパーの声色は、いつもの軽快なものではなかった。

神獣化した彼の瞳には、静かで確固たる意志が宿っている。


リンは息を呑んだ。

彼女の知るホッパーとは違う。


「お願い!!」


「ホパが支える」


ホッパーは短く言い、リンの横に並ぶ。

静かに、しかし確実にイクノシアを睨みつける。


イクノシアが僅かに目を細めた。


「……二人でかかるか」


リンが漆夜を構え、ホッパーが護るように前へ出る。


「悪いけど……ここで終わらせる!!」


リンが叫ぶと同時に、二人は一斉に駆け出した。


リンが先手を取る。

漆夜を構え、低く滑るように踏み込む。


(速い……!)


イクノシアの目が僅かに光る。


リンは迷いなく刀を振り抜いた。

黒き刃が闇を裂く――!


「っ!!」


イクノシアは一歩だけ後退し、ギリギリで斬撃を避ける。

その直後――


「そこ!!」


ホッパーが拳を振り上げる!

銀色の毛が逆立ち、神獣の膂力が詰まった拳が空気を裂く!!


ドゴォッ!!!


イクノシアは反射的に腕を上げ、防御の体勢を取る。

直撃を防いだものの――衝撃が甲板を震わせた!!


(……力があるな)


イクノシアが目を細めた瞬間――


シュンッ!!


ホッパーの一撃を囮に、リンが側面から跳躍!

刀を逆手に持ち、狙うは首元 ――!!


「……フッ」


イクノシアの視線が動く。


リンの刃が襲いかかる瞬間――


バシュンッ!!


彼の体が闇に溶けるように後退した。

寸分違わず、完璧な回避。

 


リンの攻撃は空を切る。


「なっ……!!」


次の瞬間、イクノシアが"影の中"から現れる!

反撃の拳が、リンの腹を狙った――


「させない!!」


ドンッ!!


ホッパーの蹴りが炸裂!!

イクノシアの腕とぶつかり合い、力が甲板を吹き飛ばす!!



「なるほど……少しはやるな」


イクノシアが口元を歪めた。


リンとホッパーは息を整えながら構える。

確かに連携は上手くいった。


だが――


(……圧倒的な力の差がある)


リンは冷や汗を流した。

イクノシアの動きは 完璧なまでに洗練されていた。

攻撃を全て見切り、動きの一手先を読んでいる。


「では、次はこちらから行こうか」


イクノシアが指をかざした。

次の瞬間――


彼の手のひらから"爆発的な闇"が放たれる!!


「リン、避けて!!」


ホッパーが叫ぶ。

リンとホッパーは跳躍し、炸裂する闇の奔流をギリギリで回避する。


(早い……!!)


リンは驚愕した。

反応するだけで精一杯――まるで遊ばれているかのようだった。



「遊びはここまでだ」


イクノシアが静かに手を広げる。


ズオオオォォォッッッ!!!


空気が震え、甲板が唸る。


「まずは……吹き飛んでもらおうか」


次の瞬間――


イクノシアが "指先ひとつ" で、空気を弾いた。


ズガァァァッ!!!


爆発的な衝撃波が炸裂!!!


「ぐっ……!!」


リンとホッパーの身体が吹き飛ばされ、甲板を転がる。

 


「……貴様らでは我には勝てん」


冷ややかに告げたイクノシアは、静かにユウマへと視線を移す。


「……さて」


ユウマが荒い息をつきながら立ち上がる。


すると、イクノシアは わずかに目を細め、淡々とした口調で告げた。


「貴様は――我だ。」


その瞬間。


"時間が止まったように"、静寂が訪れる。


「は?」


ユウマの動きが止まる。


「……え?」


リンが思考停止し、目を見開く。


「……っ」


ホッパーも完全に固まる。


ユウマの "正体" が告げられた瞬間、場の空気は凍りついた。


イクノシアは確信に満ちた瞳で、ゆっくりと言葉を紡ぐ。


「貴様は、我の転生した姿だ」


静かに、しかし決定的に告げた。


次回![第百十二話、転生という名の囚人] 

第百十一話を読んでくださったそこのアナタ!

次回も読んでくれると嬉しいです(。•̀ᴗ-)✧

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