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フツメンofウィザード 〜地味な俺が異世界魔法学園でなぜか注目される件〜  作者: ベルガ・モルザ


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[第百七話、無様なる反抗それでも足掻くか]

毎週、月、水、土、絶賛更新中!!


高評価にコメントも頼んまヾ(*’O’*)/す〜

レビューなんかもしてもろたら涙ちょちょぎれますわん


どうぞよろしゅうに〜


「ほぅ……我を倒すと?」


イクノシアの金色の瞳が、静かに細められる。まるでガラスを撫でるような冷ややかな目。

彼は微かに息を漏らし、指をゆっくりと動かす。その仕草はまるで、目の前の光景が滑稽でならないかのように。


「愚かな。」


空気が、変わった。

ほんのわずかに彼の魔力が漏れただけで、ソフィアの肌を焼き付くような寒気が駆け抜ける。


「もう……これ以上、貴方の好きにはさせません!!」


ソフィアの声が鋭く響く。けれど、その強い決意すら、彼の前では儚いものに思えた。


瞬間——。


『ドラゴンズ・ブレス!』


手のひらから湧き上がる、青白い炎。闇を焼き尽くすはずの神聖な力だった。


燃え盛る青炎がうねりながらイクノシアを飲み込もうとする——。


しかし。


「竜人も落ちたな。」


イクノシアは親指と中指を合わせ、パチンと指を鳴らした。


——次の瞬間、青白い炎は音もなく消滅した。


まるでそこに何もなかったかのように。


「なっ……!」


ソフィアが目を見開く。


まさか、あの竜の炎が——。


「まぁ、まずはレイラを回収することにしよう。」


イクノシアは無造作にレイラを指差す。


その瞳が淡く光り、魔力が空間を歪ませた。


張り付けられ、気を失っていたレイラの身体が浮かび上がる。


「やめろ!!」


ユウマが叫び、駆け出す。


しかし——。


イクノシアが指を軽く左にスイングすると、レイラの身体が吹き飛び、船の上へと運ばれた。


「レイラ!!」


ユウマは全力で走り出す。


だが——。


「させるか……!!」


キィィィン——ッ!!


鋭い金属音が鳴り響いた。


ユウマの視界を裂くように、銀色のエペが閃いた。


「っ!」


反射的にグローブを掲げ、エペの斬撃を受け止める。


「どけろ!! ミケロス!!」


ユウマが怒鳴る。


ミケロスは無言で、冷たい目をしたまま剣を押し込んでくる。


「ならん……お前はここで死ね。」


「……そんな悲しい顔して……」


ユウマはグッと上半身に力を込め、ミケロスを強引に押し返す。


「死ねって言われても——」


ユウマは重心を後ろに集中し、一気に弧を描くように拳を振り抜いた。


「説得力ないんだよぉぉ!!!」


ゴシャアッ!!!


拳がミケロスの顔面にめり込んだ。


「ぐぁ!!」


ミケロスは勢いよく吹き飛び、地面を転がる。


「お兄様!!」


ミシェルが悲鳴を上げ、心配そうな顔で駆け寄ろうとする。


しかし——。


バァンッ!!


空の上から、一発の銃声が響いた。


鋭い銃声が夜空に響く。


狙いは、ミシェルの足元… ギリギリをかすめる弾道。


砂煙が舞い上がる。


「なっ……」


ミシェルが驚きに目を見開く。 


彼女が顔を上げた先、空に黒い影が浮かんでいた。


黒きドラゴン・アルイン。


その背に跨り、蒼の瞳を研ぎ澄ませる少女――ルナ。


手には、長大なスナイパーライフル。


銃口が冷酷な精度でミシェルに向けられていた。


「次こそ……」


一呼吸、置く。


指が、静かに引き金へとかかる。


(仕留める……)


狙いは完璧。あとは引くだけ――。


だが、その瞬間。


「でぇぇぇ! やぁぁぁ!!」


叫び声と共に、大鎌が振り下ろされた。


「ッ……く! 避けて! アルイン!!」


ルナの声に即座に反応し、アルインが急上昇。


直後、巨大な刃が風を裂く。


「お前はイクノシア様の元には行かせねぇですわ!!」


空間を割るように血のような赤いドレスを翻し、大鎌を振るう女。


ダミアナ。


その唇は艶やかに歪み、喜悦に満ちた狂気を宿している。


「いいわ……まずはあなたからね。」


ルナが銃を持ち直し、鋭い眼光で睨む。


「望むところですわ!!」


ダミアナは、ニィッと笑い――。


「フンッ!!」


目の前の空間を大鎌で一閃する。


すると。


ズズズ……!!


空間が裂け、その裂け目から大量のコウモリが飛び出した。


何百、何千と夜空を埋め尽くす暗黒の翼。


——そして。


その後ろから、重々しい息遣いと共に異形の影が姿を現す。


巨大なコウモリ。


まるで神話の怪物のように、黒い毛皮に覆われた全身から赤黒い瘴気を発しながら鼻を鳴らす。


「さぁ! かかってきなさいですわ!!」


ダミアナの号令と共に、夜の魔物たちがルナに襲いかかる。


ルナは冷静にアルインの首を撫で、短く囁いた。


「やるよ、アルイン。」


ドラゴンの瞳が、金色に燃え上がる。



――同時刻。

 


「さぁ、どうした竜人の小娘よ? かかってこい。」


イクノシアが、退屈そうに指を鳴らす。


「言われなくても!!」


ソフィアが、地面を蹴る。


彼女の手が、爪を立てるように構えられた瞬間――。


蒼き魔力が噴き上がる。


それはまるで、龍の爪そのもの。


竜の力を宿した拳が、魔王へと振るわれる。


同時に――。


「ッ……ぐっ!!」


まだ使える方の左腕だけを頼りに、レイヴンもソフィアの後ろから飛びかかる。


傷ついた体でも、戦意だけは失っていない。


雷を纏った拳を握りしめ、魔王の顔面を狙う。


「楽しくなってきたね〜」


——その戦意すら、イクノシアには嗤いの種だった。


「グハハ!!」


イクノシアは、両手を広げ、ナックルを召喚。


「手加減してやるからさぁ……せいぜい楽しませてくれ。」


ナックルが瞬時に鉄化する。


拳を握るたびに、鈍く光る鉄の質感が軋みをあげた。


「オラァァァ!!」


雷を纏った拳が、唸りを上げる。


バチィィン!!


空気が弾けるような衝撃音と共に、雷撃が炸裂。


レイヴンの拳は、寸分違わずイクノシアの顔面を捉え――。


「ははっ!!」


ゴッ!!


弾かれた。


イクノシアの顔が、ほんのわずかに揺れる。


それだけ。


「グハハハ! どうしたどうした? まるで蚊に刺されたようなもんだ。」


レイヴンが、ぐっと歯を食いしばる。


「チッ……!」


蹴りを放つ。軸足を沈め、鋭く。


しかし、イクノシアは上体をわずかに傾けるだけで避けた。


(くそ……こいつ、どこまでも… 腹ただしい!!)


「レイヴンさん!!」


ソフィアの叫びが響く。


次の瞬間、青白い炎の奔流が炸裂。


『ドラゴンズ・ブレス!!』


ゴオオオオオッ!!


竜の吐息の如き炎が、灼熱の塊となってイクノシアに迫る。


だが――。


「だから〜、弱ぇんだってば。」


パチンッ。


指を鳴らした。


ズォォ……ッ!!


炎が、まるで最初からそこに存在しなかったかのように、消えた。


「またしても…!?」


驚愕するソフィア。


その隙を狙い、イクノシアの拳が腹部を抉る。


ドゴォォン!!!


「ぐ……っ!!」


強烈な衝撃がソフィアの内臓を揺らし、彼女の小さな身体が吹き飛んだ。


「校長!!」


レイヴンがすかさず地面を蹴り、雷のステップで駆ける。


イクノシアの脇腹を狙い、回転蹴り。


だが。


「遅い。」


彼は、レイヴンの脚を片手で受け止めた。


メリメリメリ……!!


握力だけで、その足を粉砕せんとする。


「グ……あ……!!」


レイヴンの喉から、苦しげなうめきが漏れる。


イクノシアは、獲物を弄ぶかのように笑った。


「よしよし、いい顔だ。」


そして。


「そろそろ……終わりにしよう」


彼は、拳を振り上げ――。


ズドン!!


地面を殴りつけた。


『鉄よ、敵を貫け! メタルスパイク!!』


ゴゴゴゴゴッ!!


地面が裂け、無数の鉄の棘が隆起する。


黒光りする金属の刃が、まるで地獄の顎のようにレイヴンを飲み込もうと迫る。


「クソッ……!」


雷を纏い、彼女は必死に身を捻る。


だが、一本のスパイクが右肩を貫いた。


「ぎッ……!!」


鮮血が弾ける。


視界が揺れる。


(マズイ……)


このままでは、殺される――。


その時。



無数の鉄の棘が、レイヴンを貫かんとする その瞬間。


バシュッ!!


空気が裂けた。


光。


閃光が、一閃した。


レイヴンの意識が一瞬途切れ


次に目を開いたとき。


金色の髪が、視界を埋めた。


[第百八話、そこでそうなるのね] 

第百七話を読んでくださったそこのアナタ!

次回も読んでくれると嬉しいです(。•̀ᴗ-)✧

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