8 そうなるか
「どういうつもりなの?!!!みんなして!!!」
「ねえ?!!聡子、目を覚ましてよ!」
「目を覚ますのは皆の方だよ!私、ただ横峯君に振られただけだよ?なのに横峯君に嫌がらせして!!!ひどいよ!!!」
「だってコイツが聡子を振るなんてあり得ないでしょ!!!」
「コイツの言う通りだって、聡子。横峯なんかやめとけって!」
「あなたには関係ないでしょ?!!」
「……関係あるんだよ。」
「はあ?ないよ!!」
「なあ、聡子、俺と付き合えよ、な?俺ずっと聡子のこと好きだったんだよ。」
なるほど?だからコイツは僕に敵対心剥き出しなんだね。
「はあ?」
「そうだよ、聡子。横峯なんかより、ずっといいでしょ?!」
「なに言ってるの?」
「こんなぼっち野郎より、俺の方がいいだろって言ってんだよ!」
「そうそう、聡子?こっちにしときなって。横峯じゃ聡子と釣り合わないよ。」
「なんで私の好きな人をみんなで決めようとするの?!!」
「別に聡子の好きな人を決めようってワケじゃ……。」
「そうだぜ?ただ、横峯より俺の方が良いって言ってるだけだろ?」
「私がそう思わないから、横峯君に話しかけてるんだけど?」
「は?聡子、何言ってんだよ?」
「それはこっちのセリフ。誰かと比べて自分の方が良いなんて、自分で言ってる時点で性格最悪じゃない!!」
「なっ!!聡子てめえ!!」
「そうでしょ?違う?!」
「あー、そうかよ。後悔すんなよ、委員長さん。」
「聡子……。」
何の茶番?
僕関係無いみたいになってるんだけど。
昨日の時点で何かされると思ってたから、見つかり辛いところに隠しカメラ仕込んでたから、証拠は撮れてると思うからあとはどう使うか、なんだけど……。
「うるさくしちゃってごめんね?あの……。ま、また小説の感想聞いて欲しいな?」
聞いて欲しいって言っても、勝手に喋ってるだけじゃん。
本当にしつこいんだね。
翌日。
「おはよう。横峯君。」
おや?今日はいつもと違って、声のトーンが低いんだね。
そう思って山野さんを見ると。
山野さんはスリッパを履いていた。






