7 やっぱりね
机に落書きされた翌日。
さて、今日は何が待ってるのかな?
と、上履きがびしょ濡れだ。
なんか汚れてるし。
まさか、トイレにでも入れたのか?
しょうがない、職員室に行ってスリッパでも借りてこよう。
スリッパを履いて教室に入ると、またヤツらがニヤニヤと笑ってこちらを見ている。
今度は何だよ?
机は無事、椅子にも何もされてない。
机の中か?
ビンゴ。
僕は置き勉派なので、教科書は結構置いて帰っている。
それが、全部無くなっていた。
って言っても、五冊くらいか。
ノートも無くなってるのがちょっと痛いかな。
試験勉強するときに、困るな。
まあ、でもそのくらいか。
そんな事で、そんなニヤニヤするほど楽しいのか。
本当にくだらない連中だな。
「おはよう!横峯君!!」
今日も山野さんは通常運転みたいだね。
「……。」
挨拶した後、山野さんが僕の周りをチェックする。
昨日の事があったからだろう。
何もないとわかると、ほっとした様子で話を続ける山野さん。
「昨日、横峯君が買ってた小説読んだの!!」
「……。」
「面白かったんだけど、その……。な、なんかエッチなところがあって……。」
い、いや!!それが目的じゃないからね?!
「だ、だけど、すごく続きが気になる終わり方してたの!だから、続きが出たら私も買おうかなって思ってるの!」
「……。」
「それでね?横峯君が読んでる小説って全部面白いのかな?って思って」
「聡子!もう!!いい加減にしなって!!」
「あっ……。」
また山野さんは引っ張られていった。
なんなんだよ、もう。
その日の授業。
「教科書はどうしたんだ?横峯?」
「すいません、忘れました。」
「そうか?珍しいな、気を付けろよ?隣に見せてもらえ。」
体育の授業以外、全ての授業で同じやり取りをした。
「……。」
こちらを不安そうに見つめる山野さん。
気付いたか。
昼休み。
「ねえ!!!!!みんないい加減にして!!!!」
山野さんの怒号が教室に響き渡った。