5 またこうなるのか
次の日の朝、教室に入ると皆が僕を睨んできた。
ああ、やっぱりこうなるのか。
山野さんが近づいてくる。
「お、おはよう!横峯君!」
「話しかけないでって言ったよね?」
「え、あ、だ、だけど私……。」
「ちょっと!!横峯!!」
「何?」
「何じゃないでしょ!!アンタ、聡子が挨拶してあげてんのに!!」
「頼んでないよ。」
「それに!アンタごときが聡子の告白断ったって?」
「しょうがないでしょ?好きじゃないんだから。」
「はあ?何様のつもり?」
「やめて!横峯君の言う通りでしょ?私の事好きじゃないならしょうがないよ。」
「毎日毎日聡子が話しかけてあげてたって言うのに!!」
「だから、頼んでないよ。」
「そうなの!私から頼んだことなの!私が内申点欲しさに横峯君に頼んだの!」
「そんなこと聡子がするワケないでしょ!!横峯、アンタ許さないからね!」
「へえ、許さないって何するつもり?」
「アンタなんかクラスに必要ない!これから誰もアンタなんかに構ったりしないから!!」
「全員で無視でもするつもり?」
「そうよ!後悔するといいわ!このボッチ野郎!!」
「止めてよ!!そんな事私は望んでないよ!!」
「ダメよ、聡子。こういうヤツはツラい思いしなきゃわかんないの!!」
「なんで!!何でこんなことに……。」
「みんな!男子も!!聞いてたでしょ?!今からコイツには関わらない事!!」
「おう!前から横峯の野郎、気に入らなかったんだよ!!」
「それな!まあ、最初から関わる気なんかねえけどな!!」
「ホントホント!!聡子の厚意を無下にしちゃってさあ!!」
「オーケーオーケー、無視すればいいんでしょ?」
「やめてよ、そんなことしないでよ……。」
ほらね、やっぱりこうなった。
中学時代と同じだ。
でもさ……。
これで僕の一人の時間は守られた。
ありがとね、山野さん。