4 告白
「はあ?」
「っ!あ、だ、だから、私、横峯君の事が好きなの!」
何を言ってるんだ?
「僕は内申点稼ぎの駒だったんじゃないの?」
「あ、ご、ごめんなさい!さ、最初はそうだったんだけど……。」
「好きになる要素なんてないでしょ?」
「最初はただ暗い性格してるんだなって思ってたんだけど、一人で居るのにオドオドしてるわけでもないし、ホントに一人の方が良いって思ってるのかなって気になって……。」
「よくわからないんだけど……。」
「気になって横峯君の事見てたら、結構可愛い顔してるんだ、とか、何か物事に対して動じないところとか、いいなって思って……。」
ああ、またこのパターンか……。
僕は昔から童顔で、皆からからかわれたり、女子からは可愛いなんて言われて、モルモットみたいな扱いだった。
中学時代、何度か告白された。
僕は恋愛がわからなかったので、断っていた。
ある日、クラスの人気のある女子から告白された。
当然断ったんだけど、次の日から嫌がらせが始まった。
男子、女子問わず「なんであの子の告白を断るような事をしたんだ」ってね。
意味が分からないよ。
僕はその子の事を好きじゃなかったからだって言っても、生意気だの調子に乗ってるだの言われた。
普段仲が良いみたいに振る舞ってた友達も、誰も味方にはなってくれなかった。
可愛いなんて言われるのが嫌だったのに、いつも可愛い可愛い言ってた女子も一緒になって僕を責め立てた。
そんないざこざ、まっぴらなんだよ。
くだらない。
本当にくだらない。
僕は静かに一人の時間を過ごしていられれば、それでいいんだ。
「僕は山野さんの事、好きにはなれないよ。」
「えっ?ど、どうして?これから仲良くなれば」
「仲良くしたいとも思わない。人の事を内申点の道具として見てた子なんて嫌だよ。」
「た、確かに最初はそうだったけど……。」
「もし仮に、僕が友達が欲しいと思ったとしても、山野さんはないよ。」
「え、ひ、ひどいよ……。」
「酷いのは山野さんだよね?僕は内申点の道具なんでしょ?僕に平和な一人の時間を保証するって言うから協力したのに。」
「あ、あの時は……。」
「とにかく、僕の一人の時間を邪魔するっていうなら、もう関わらないで欲しい。」
「そ、そんな……。」
「さよなら、もう話しかけないで欲しい。」
「あ、ま、待って!」
とんだ嘘つきじゃないか。