コント　締め切り前

ツッコミ「あーもう、漫画のネタが出ねーよ。読み切りを仕上げねーといけねーのによ」

ボケ「お困りですか。私は神です」

ツッコミ「え、神様？　マジ？　お願いします。漫画のネタを出してください」

ボケ「わかりました。こういう時は基本に帰るのです」

ツッコミ「確かに。でも一体どうすればいいのか、もうわかんないです」

ボケ「では魅力的なヒロインを考えましょう」

ツッコミ「あ、そこから考えて広げるのか」

ボケ「主人公に気配を消して近づき」

ツッコミ「斬新だな。いいかも」

ボケ「それでいて匂いをじっくりと嗅ぎ」

ツッコミ「ちょっとなんかエッチだぞ」

ボケ「隙をみて一気に飛び掛かる！」

ツッコミ「おお！」

ボケ「そして甘く囁くのです」

ツッコミ「うん、いいぞ！」

ボケ「モーーーーーー、と！」

ツッコミ「牛じゃないですか！」

ボケ「飛び掛かる　発情したぞ　５００キロ」

ツッコミ「普通に死ねるわ！」

ボケ「牛のおっぱいは胸になく、下腹部にあるのがむしろミソです」

ツッコミ「ミソじゃないですけど！」

ボケ「あ、しょうゆですか」

ツッコミ「意味が違う！　使えないです！」

ボケ「では、別なヒロイン像を考えましょう」

ツッコミ「どんな案ですか？」

ボケ「より包容力のある子というのはどうでしょう」

ツッコミ「あんまりいなさそうですね」

ボケ「何があっても何も言わずじっと受け止めてくれる、母性の塊です」

ツッコミ「意外といいかもしれないですね」

ボケ「それがたとえ敵の攻撃であっても、こちらの暴言でさえも」

ツッコミ「今の時代難しいような」

ボケ「そんな暴力にあっても優しい顔は変わりません。言葉も出しません」

ツッコミ「ここからの展開が重要だな」

ボケ「でも遂に叫ぶのです！」

ツッコミ「おお！」

ボケ「ブモオオオオオオオオオオオオオオオオオオ！　と！」

ツッコミ「結局牛じゃないですか！」

ボケ「どんな状況にも優しい顔で牛乳を出してくれるホルスタイン、自分の肉体を命と引き換えの食料として提供する黒毛和牛。

無邪気な顔して股間へ頭突きをしつこく延々とかましてくる子牛たち。

涙無くして語る事の出来ない、かわいいかわいいヒロインです」

ツッコミ「子牛たちの所、いる？」

ボケ「ミルクくれ　股間に頭突き　激痛よ

必殺技にどうですか？」

ツッコミ「どうですかじゃねーよ！」

ボケ「では別な必殺技を考えましょう」

ツッコミ「でもいいのありますかね」

ボケ「かの有名なオラオラに続く必殺技があります」

ツッコミ「え、どんなのですか？」

ボケ「では一緒に叫びましょう！

ドナドナドナドナドナドナドナドナドナドナドナドナ」

ツッコミ「ドナドナドナドナドナドナドナドナドナドナドナドナ

って、かわいそうな子牛が売られていくよ！　悲しそうな瞳で見ているよ！

使えねーよ！」

ボケ「拳と共に現れていく子牛たちの顔！

そんな子牛に囲まれ宿敵はそんな攻撃無駄無駄だと言おうとして、思わずこう返す！

うしうしと　うしうしうしと　うしうしと　うしうしと　うしうしうしと　うしうしと　ハーレムです、と」

ツッコミ「どんな状況だよ！　使えねーよ！　全部牛じゃねーか！　お前漫画の神じゃねーだろ！」

ボケ「私は牛の神です」

ツッコミ「モーーーーーーいいよ！」