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戦場の「天使」の物語  作者: ふるたく
8/10

自分の戦い方

天使族と悪魔族は古来何千年も前から敵対関係であった。


常に世界の何処かで争っている。



そして、今日もまた、リオウは戦いに馳せ参じる。


リオウ「行くぞ!」


悪魔族軍、第8隊隊長として小隊を率いる。



以前の自分ならば如何に相手を打ちのめすか、のみを考えていた。


天使族とは殺すべき相手。敵。

どうすれば首を刎ねられるか。



、、、しかし今は少し考えが変わっている。


基本的にそこまでの成果を求めなくなっていた。


全体を見て、何処まで自分達が前に出れば良いのか、何処までやったら引いて良いのか。


無闇に戦いを広げない。


それはナナミから授かった言葉「そのままでも良い」と、ナナミの精神「戦争を無くしたい」を組み合わせた、自分なりの戦い方であった。



、、、問題はあった。



それは軍本部からの評価が著しく悪かった事だ。


大隊長「どうした!?リオウ、お前はそんなものでは無いだろう!」


大隊長からの叱責は常だった。


期待されていと戦果とは程遠いものだった。

最初は英雄として見られていた俺も、今では落第者として陰で笑われる存在になっていた。


、、、だから俺が隊長格から降格するのは時間の問題だった。


でも


でも俺はそれで構わないと思っていた。



リオウ「俺のように皆んなの考えが変われば戦争は無くなるんだろうか?」


自分の立場なんかよりも、俺はそんな事を考えていた。


--------------------------------------------------------

場所は変わって穏やかな森の中、、、


ここはあのナナミの家がある集落跡地。


、、、戦いの合間、俺は何度かあのナナミのいた家へやって来ていた。


しかし、タイミングが悪かったのか、


いつも彼女は家を留守にしていた。


会いたかった。


会って、話をしたかった。


だから待っていた。


出来るだけ、


待っていた。


、、、、、でも。


リオウ「時間切れだ、、、」


次の戦いが始まる。



行かなくてはいけない。


俺はナナミの家を後にした、、、、



--------------------------------------------------------


戦いの中には大きいものや小さいものがあり、個人間の争いから大規模な部隊同士の激突まで様々だ。



その中で、今回の戦いは特別なものだった。


大隊長「よいか!今回の戦いは天下分け目の決戦となる!総力戦である!この戦いで勝った方がこの世界を支配し、負けた方が地べたを這いつくばって嬲り殺されると知れ!


仲間を守りたいか!家族を守りたいか!愛するものを守りたいか!!


ならば、戦え!


戦って、愛する者の安息を手に入れろ!!!!」


大隊長の演説は見事なものだった。悪魔族軍の士気は最高潮に上がっていた。


俺は第8隊隊長として戦いに出る。


俺もまた戦いを前に身震いしている。


時代はどう転ぶのだろう?


戦いはこれで終わるのだろうか?



、、、、この戦いはあらゆるものが参加する。


、、、ナナミも、何処かに、いるのだろうか、、、、??


考えはいつしか女の事にシフトしていた。


こんな戦いの前に女の事を考えるなんて、俺は本当に変わってしまった、と自分で自分を笑ってしまった。


--------------------------------------------------------


戦いは苛烈を極めていた。


天使族と悪魔族。互いに総力戦だ。


幾人もの天使の血が流れ、幾人もの悪魔の首が飛んだ。


死体の山は次々と地面を埋めて行き、


至る所血の池が発生し、


そこはさながら地獄そのものだった。


リオウもまた戦いを続けていた。


今回の戦いは手を抜くなんて事は出来ない。


そんな事をすれば即座に殺される。


だから戦いに没頭していた。


剣を振り続けていた。


あの


女天使を視界の端に映すまでは、、、、、

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