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戦場の「天使」の物語  作者: ふるたく
6/10

粛清された村

天使族のナナミと別れ、俺は悪魔族の本拠地へ戻っていた。


そこで、死んだと思われていた俺 (リオウ)が帰還した事でちょっとしたお祭り騒ぎになっていた。


そもそも俺は天使族を大量に抹殺している。


それはこの戦時中において完全なプラス評価。


俺は英雄として扱われていた。



同僚「おい、リオウ、大隊長からお呼びがかかってるぞ」


宿舎のみんなと無事帰還を祝っているところに、悪魔族軍の頂点にいる、大隊長から呼び出しがかかった。



、、、なんだろう、、、?



まさかナナミと一緒に居たところを誰かに見つかって、それで通報されて、事情聴取でもされる、、、とか?



他には、帰還した報告が遅かった、とか、、、、



呼び出される理由はそれくらいしか考えられなかった。



とにかく行かなければ



俺は宮殿の大隊長の所に参じるため歩き出した、、、、



--------------------------------------------------------


リオウ「私を第8隊隊長に、、、ですか?」


大隊長「そうだ。」



大隊長室にて大隊長と対面している俺は少し驚いていた。



何かの叱責かと思ってビクビクしていたところ、その呼び出しは昇格の知らせであった。


第8隊というのは部隊の末端ではある。しかしそれでも俺のような年端も行かぬ者がその任に就くのは異例中の異例と言えた。



大隊長「お前はまだ若いが、その能力は卓越している。能力のある者を、より能力を発揮出来る場所に配置する事は当然の事だ」



大隊長「なあに、気負いせずやれ。これはお前にとってチャンスでしかない。」


大隊長「その働き、期待しているぞ!」


がっはっは、と大きな口を開けて笑う大隊長。



評価される、期待される、、それはとても嬉しい事だった。


俺の行いを皆んなが喜んでくれている、という事の表れなのだから。


リオウ「俺が、、、隊長、、、、、」


思わず口元が緩む。



そう、嬉しい。確かに嬉しい。



それは、確かに嬉しい事だった。



でも。


でも、なぜか。



その時の俺は喜びよりも、何か


リオウ「俺が、、隊長、、、、、」


言い知れぬ不安の方を、


より多く感じていた、、、、


--------------------------------------------------------


次の戦いまでの間、少し休養を取る事にした。


今までは戦場から戦場へ、休む事無く俺は戦い続けていた。


俺が休養を申し出た事に大隊長は少し驚いていたが


大隊長「まあ、お前は働き過ぎの気概があった。しかし隊長という責任のある任を前に少し気後れしてしまっているのかもしれないな!良し!許す!たまには休むが良い!それが良い!がっはっは」



、、、と、許してくれた。




俺は悪魔族本拠地を離れ、ある場所へ来ていた。


あの時は気が付かなかったが、ここは以前、悪魔族による粛清のあった天使族の村の跡地。


その時の粛清は激しいものだったため、十数年経った今でもその跡地には天使族はおろか、悪魔族でさえ寄り付かぬ場所となっていた。



その村の跡地を見渡せば、全壊した建物ばかりが目に映り、


そして、そこには植物が我が物顔で生い茂っていた。


俺は目的はその跡地にある、ある場所だった。


そこは、つい先日、自分が、ほんの少しの間過ごした家。


リオウ「、、、いない、のかな」


しかし、その家の中には誰もいなかった。


少し、残念な気持ちになる。


リオウ「今日もどっかで誰かの怪我を治療してるのかな、、、、」


この世界において常にどこかの地が戦場となっている。


救護を目的としている彼女には休む暇など無いのだろう。



リオウ「、、、帰るか」



外が夕暮れになるまで待ったがもう今日は帰って来ないかもしれない。


そう思い重い腰を上げる。


仕方がないな、、、、


と、思ったそこへ


×××「あら?リオウ?」



そこへ、待ち望んだ天使族の女性、ナナミが帰ってきた。

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