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戦場の「天使」の物語  作者: ふるたく
3/10

翼の色

夢の中、、、、、、、


昔の、、、


子供の頃の記憶


忘れない、、、


忘れられない記憶、、、


「あーん、あーん」


僕が泣いている。


「あーん、あーん」


黒焦げになった妹を抱えて



何も出来なかった自分を呪って



天使達は僕から全てを奪っていった。


僕の大切な人たちに酷いことをした


許せない


許せない


許せない


絶対に


絶対に


絶対に


許せない


--------------------------------------------------------


ガバッ!



目が覚めると同時に体を起こす



リオウ「はあっ、はあっ、はあっ」


汗だくになっていた


あの夢を見るときはいつも


リオウ「はあっ、はあっ、、、、」


汗だくになる、、、


リオウ「はあっ、、、、、、、、」


いつもの事だった、、


額の汗、頬から流れる汗を拭い、


呼吸を整える


はあ、、、、、はあ、、、、


そして、


周囲を


(、、、ここは、どこだ?)



見渡す


石、、、で出来た部屋、、、、


、、、自分は今、石で出来た小さな部屋の中に居るようだった


窓は無く、外の様子が分からない。今が昼なのか夜なのか。


部屋の中は明るかったが、何故か光源が見当たらなかった。




、、、次に自分の身体を確認する


体には土埃すら付いておらず、綺麗に拭かれた後の様だった。

腕の包帯を見ると新しい包帯が巻かれていた。


あれだけ深かった傷からはもうすでに出血が止まっていた。


リオウ「、、、、、、、、、」



起き上がり、部屋を見渡す



剣は、、、見当たらなかった



部屋には戸棚が一つ、テーブルと椅子、そして自分が寝ていたベッドが一つあるだけの簡素な作りだった



リオウ「、、、、、、、、、」



部屋を出ようと扉に手をかけようとした時、


ガチャリ


扉が開く


、、、と、そこには


あの女天使が、


立っていた、、、、


--------------------------------------------------------


女天使「あ、起きたんですね〜」


そう言って女天使は部屋の中に入ってきた。


手にはスープとパンを載せたお盆を持っている。


リオウ「、、、どういうつもりだ?」


自分の脇を平然と歩き、そのまま背を見せる女天使に文句を言う。


女天使はテーブルの上にお盆を置いて


女天使「何の事ですか??」


と、振り返って明るい口調で質問を逆に返してくる。


リオウ「何故俺を助けた?」


ここまで来ると、この女天使が何か策略を持っているとは思えなかった。単純に俺を治療しただけだろう。


だからこそ、分からなかった。


女天使「何故って?、、、怪我をしていたからです」


テーブルに腰を寄りかからせて何故そんな事を聞くのですか?と、不思議そうに答える。


このくだりは、さっきと同じだった。


イライラしてくる。


この女は俺が何を聞きたいのか分かっていない。


リオウ「違う!そんな答えは答えになっていない!俺は敵だろう?!何故敵を助けた!?という事を聞いている!」


そう、この女は天使族であり、俺は悪魔族。翼の色は女が白で、俺が黒。


見た目からして敵味方が一目瞭然だ。


なのに、何故敵を助けたのか?と聞いたのだ。


怪我しているから、では敵を助ける理由になっていない。


それに対して、


女天使「え、何故貴方が私の敵なのですか?」


と、俺の頭が痛くなるような答えが返してきた、、、


--------------------------------------------------------


リオウ「敵だろう!翼が黒いだろ!?お前の目は節穴か!?」


強い口調で言う


、、、助けて貰ったにも関わらず、俺は

何故か頭に来ていた


リオウ「俺の翼が黒!お前のが白!敵同士じゃないか!」


女天使「え、、?翼の色が違ったら敵同士なんですか?」


リオウ「そうだろう!翼の色というか、アンタは天使族、俺は悪魔族!今戦争中だろうが!」


女天使「あー、、、まあ、戦争は、していますね、、、」


、、、ここでふと思った。


この女、バカじゃない。




、、最初はこの女はバカな女だと思った。

バカだから敵である俺を助けたのだと、思った。


でも今、そうでないかも、と思っている。


この女はバカではない。バカのフリをしている。フリをしているだけだ。


、、、、なんのために?



女天使「貴方にとって私は敵なんですか?」


リオウ「敵だ」


女天使「それは、何故ですか?」


リオウ「それはお前が天使族だからだ」


、、いつしか俺はこの女天使に圧倒されていた


力では俺の方が数段強い。この女など怖くない。


その気になれば、いつでも、今でも、息の根を止められる、、、


その気になれば、、、


しかし、、、、なのに、


なぜか、、、


その、瞳に


圧倒されていた


女天使「、、、天使族だと、皆んな貴方の敵なのですか?」


リオウ「そうだ、敵だ。」


女天使「それは、何故ですか?」


リオウ「天使族が、俺の家族を、妹を殺したからだ!俺は絶対にアンタ達を許さない」


強い口調で無ければ負ける


圧倒される。


その言葉に、


その、瞳に、、、、


そして


女天使「あ、だったら私と同じですね。私も親と弟を悪魔族に殺されました」


そんな辛い過去を女天使は笑顔で吐露した


リオウ「え、、、、」


俺は、、、、


女天使「貴方と私は、同じ、、、なのではありませんか?」


と、笑顔で丁寧に語りかけてくる


俺は、、、、、、


女天使「貴方と私は敵同士なんですか?」


その質問に


俺は何も答えらずに黙ってしまった、、、、、、、

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