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聖騎士長様は今日も巫女様と!  作者: 巫女服の聖騎士長
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第2話 聖騎士団長はツラいよ

期間が空いてしまいすみません!

是非、このお話も楽しんでいってください!

俺の名前はアーサー・エルクレスト、王立聖騎士団の初代団長だ。


無論、現在も現役の聖騎士団の団長だ。


最近では勇者候補たちに礼儀作法や剣術の指南をしたりをしている。


団長としての仕事を一切させてもらえないからだ。


俺には優秀な部下がいる。


副団長 ランスロット・アヴェイロン


副団長兼俺の秘書をしている。


人並外れて優秀な、優秀すぎる部下を持つと団長は暇になるのだ。


団長の俺は、よほどの場合じゃない限り前線に出ることはできない。


基本的な団長の仕事は訓練監督や 書類整理なのだが…


ランスロットは俺の仕事をやってしまう。


訓練監督もできず、つまらないだけの書類整理ですらすることができない。


何故、俺の書類を俺が気付くより先に処理し終えているのか。


何度も言うが彼女はとても優秀な、自慢の部下だ。


俺以上に団長に相応しい人物だと思う。


彼女は俺の秘書としての仕事や、団長の仕事を全て完璧にこなしている。


副団長としての自分の仕事も完璧なままにだ。


俺より団長している。これじゃあ俺は、ただの給料泥棒だ。


恥ずかしい話、今の俺は団長としては置き物でしかない。


何度も副団長に


「お前は優秀だ……どうだ…?…俺に代わり……団長にならないか…?」


と聞いてはいるのだが、いつも決まって


「そのお気持ちにはお応えすることができません。したがって、丁重にお断りさせていただきます。」


と、困ったような顔で返答されてしまう。


この言葉を聞けば、俺がフラれたように見えるだろう。


その表情が言葉に拍車をかけ、より一層フラれた感を醸し出している。


事実、同期と


同期A「人がフラれてるのってメシウマだなw」


同期B「草生え散らかすわw」


同期A「生え散らかすな整地しろ、あと草に草を生やすな」


同期B「イヒーwwwサーセンwww」


「お前らなぁ……」


同期A,B「ヌベジョンヌベジョンミッティスモゲロンボョ~wwww」


「イヒーwwwwwwwwwwwwwwwwww」


という会話をしたばかりだ。


頭おかしい奴らの博覧会だな。うん。


はっきり言って俺は団長の器ではない。


「団長辞めたい…」


口癖になりつつあるセリフをこぼし、俺は勇者育成支援学園に向かった。










〜〜〜〜〜














勇者とは


魔王を倒せる唯一無二の力を持つ者のことだ。


5歳になるとその力に目覚める。


能力値が秀でて高く、身体能力から記憶力まで


様々な点で常人離れしている。


勇者のみが使える聖魔法は魔王を封印できる唯一の属性だ。


基本的に、勇者は落ち着きがあり大人っぽいのだが…


こいつだけは違った。


サクラ・イシュタール


国の重鎮であり、重役貴族のイシュタール家の長女なのだが…


言うなれば問題児だ。


傍若無人とか我儘なのではなく、自由奔放なのだ。


小さな村の生まれならば、人気者だったろうと思う。


サクラの両親、イシュタール家当主とその妻が親バカなのも原因の一つだと思うが…


それを抜きにしてもサクラはいろんな点でイレギュラーだった。


俺の知る限りでは以下のものだ。


生後すぐに言葉を喋べったらしい。


「我が名は…サクラ……」


これが一言目だったそうだ。


助産師は心底驚き、1ヶ月ほど寝込んだそうだ。


サクラは1歳で魔法を使ったらしい。


それも火、雷、水、風、土の魔法を高圧縮し、球状にしてジャグリングをしていたそうだ。


宮廷魔術師(国でも有数の優秀な魔法使い)でもここまでのことは難しいそうだ。


技術もそうだが、魔力量の問題で。


それを見た宮廷魔術師が腰を抜かし、ギックリ腰で3週間ほで入院した。


2歳で聖騎士団の特攻隊長アルフレッド・サーフェイに剣の腕で勝ったそうだ。


手加減なしのアルフレッドに一撃も打たせずに完封したそうだ。


アルフレッドの聖騎士辞めます発言に聖騎士団内が騒然したのは未だに忘れられない。


4歳で天災級の魔物である古龍(エンシェントドラゴン)を一撃で屠った。


これは俺も、いや、全聖騎士が見ていた。


緊急招集で呼ばれ集まった俺たちの前で古龍を屠った。


その手に握られているのは木刀だった。




一刀両断




一体何人が古龍を一刀両断できるのだろうか。


国宝級の剣を使えば商人にだってできるだろう。


だが、木刀ならどうだ?


片手の指で数えられるほどだろうか。


聖騎士団でできるのはおそらく俺だけだろう。


刃のない木刀で相手を斬るにはとてつもない腕力が必要だ。


少なくとも、4歳の女児にできることではない。


恐ろしいことに、サクラは何事もなかったかのように帰宅していった。


欠伸をしながら、つまらなそうに。


そして5歳。


サクラは勇者支援学園に入学していた。


そして今に至る。




……あぁ、団長辞めたい…




俺の声は誰にも届かずに消えていった。








続く




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