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第八話 アークロザリオの涙 その1


 ライカとリーゼが泊まっている宿に進は一部屋借りて泊まった。

 

 翌日、3人は朝食をとり、早速依頼を受けにギルドへ向かう。

 

 「よぉ、お前か、kに新人で入った男冒険者ってのは」

 年齢は30過ぎと言ったところか。

 大剣を担いだ大柄な見るからに大剣が似合う男冒険者が話しかけてきた。


 「ああ。近藤進だ、進って呼んでくれればいいよ。よろしくな」

 

 「おお、俺はバーゼスト・ゼイルだ、ゼイルでいいぞ」

 ゼイルという男の魔力をこっそり測ってみたが、なんと11000と一万オーバーの強者であった。


 「ゼイルか。かなり魔力を持っているようだな」

 とりあえずお前の実力はわかってるぜ感を出しておく。


 「いやいや、お前さんほどではないな。お前さんの魔力は底が見えんわ。魔力10000というのは力を抑えていたな?」

 な!? このおっさんやるな、能力が気になる。


 「よく分かったな。どんな能力を使えるんだ?」


 「能力とか魔力量は簡単に教えるもんじゃないぜ。誰が敵かなんてわかんねぇんだからよ」

 なるほど。確かにな。誰が敵かわからない、か。そこら辺は注意しなきゃな。


 「これから依頼を受けるんだろ? なら、気をつけることだな」


 「気をつけるって?」


 「最近、南のトレントの森で不自然な死をとげる冒険者がいるらしい。何があるかわからんからな、十分に気をつけるんだな」

 トレントの森か。昨日は特にそんな気配を感じなかったが、たまたま見つからなかったのか。


 「ああ。気遣い感謝する」


 ゼイルとの会話を済ませ、依頼掲示板に目をやる。


 ・Brank アークロザリオの討伐 金貨1枚

 ・Crank フレグリン5体討伐  銀貨3枚

 ・Crank イーアイ3体討伐   銀貨2枚

 など、様々なrankの依頼が貼られていた。

 

 「ええと、一番高いのはアークロザリオね」

 リーゼが横から出てきた。


 「そうだな、どんな奴かわかるか?」


 「うーんとね。すっごく硬くて、大きい奴だよ。動きは速くないけど力も強い結構強力な魔物だよ」


 ふむ、ライカの表現方法へのツッコミはさておき、防御力と攻撃力が高めか。フレイザーで切れるだろうか。まぁ聖剣級だし大丈夫だと思うが。


 「アークロザリオには何回も剣を折られてきたわ。魔力強化で剣を強化しないと私の剣では斬れない」


 「マジかよ、リーゼでも斬れないのか」

 そうなるともう力任せにズドンとやってみるのも怖いな。フレイザーは一品ものだ。まぁ、戦いながら考えるか。

 「不甲斐ないことにね」


 「なら俺の技術じゃあ、ちょっと厳しいかもな」

 魔力を使って斬れば話は別だろうが。

 

 「魔法耐性は低いのか?」


 「ええ、でもライカレベルの魔法力がなければびくともしないわ」

 なるほど。なら魔法で戦うのが正攻法か。


 「でも、一度は斬れるか試したいよな」


 「そうね。私も今の力でどれだけのものが斬れるかやってみたいわ」

 リーゼの今の技術なら斬れそうなものなんだけどな。


 「多分だけど、リーゼの今の技術なら斬れると思うんだけどな」


 「そう言ってくれるのはありがたいけど、あまり期待はしないでね」

 らしいので、まぁ過度には期待せずにしておくとする。

 でも本当にリーゼの剣技は美しいものがある。どれだけの鍛錬をすればあそこまでの剣技が使えるようになるのだろうか。


 「ところでさ、進は知ってる? アークロザリオの逸話」

 ライカが揚々とした顔をこちらに向けて聞いてくる。


 「逸話? なんだそれ」

 逸話なんて異世界に来たばかりなんだから知ってるわけない。


 「アークロザリオはトレントの森だけに生息している魔物なんだけどね、トレントの森にいるトレントの王にアークロザリオの涙を捧げるとなんでも一つ願いを叶えるって逸話があるんだよ」


 「アークロザリオの涙って言われてもな、魔物の涙なんてどーやってとるんだよ」


 「さぁね、まぁ逸話だし、ホントかどうかもわからないけど」

 まぁ、一応頭に入れとくか。トレントってのも気になるしな。


 「なぁ、トレントってそんなに力のある種族なのか?」

 一つ願いを叶えるなんて普通の種族にできることではない。


 「それもよく分かってはいないわ。まぁ精霊の一種ではあるから、魔力の扱いには長けているでしょうね」

 リーゼがいうにはトレントってのはゲームとかと同じように木の精霊らしい。精霊族は魔力量も多くその扱いに長けている者も多く、なかなか姿を現さないらしい。

 そもそも会うことすら難しく、最後に発見されたのも30年前らしい。


 「それとさ、別に森だったらどこでも出現できるんじゃないのか? なんでここだけがトレントの森って言われてるんだ?」

 木の精霊なら木になら取り憑けるものじゃないのか? という疑問があった。


 「それは悪魔の出現以降、ノーテル南の今のトレントの森以外では見られなくなったと言われているわ。そもそも悪魔が現世に出現した時期も不明だから詳しくは分かっていないのだけれど、そういった記述をレイル家の書庫で見たわ。おそらく古の大戦の影響ね」


 なんか古の大戦とかすげぇ気になるワード出てきたけど、その辺は自分で調べてみるか。


 「ま、なんとなく分かったよ。リーゼのがライカより物知りってこととかな」


 「ちょっと! 私だってそれなりに勉強してきたんだからね!」


 「え? 冗談は程々にな」

 そう言うとライカはさらに文句をぶつぶつと言ってくる。


 「ま、まずはそのアークロザリオ退治に行ってみるか」

 そう言い、受付で依頼受理の手続きをして3人はトレントの森へと向かっていく。

 

 



次回もよろしくお願いします。

ぴえええええええええええええ

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