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第三十三話 裏路地の結末

まずは謝罪いたします。

ものすごく遅くなって申し訳ありません。

続きは後書きにて


 ライカの毒が回りきるまでは残り3分といったところだろうか。


 しかし未だにステファニーには一撃も入れることができていない。

 それに進はだんだんとフラストレーションが溜まってきていた。ラマックは広範囲攻撃は多いが火力も高いためこの街中で撃たせるわけにはいかない。しかし範囲の狭い攻撃はそもそも当たらないか、当たったとしても精霊と両手に持つダインスレイヴで弾かれる。


 そのジレンマがさらに攻撃の精度を落とし、防御の質も下がってしまう。

 さらにライカのことで焦りも増す。


 すでに前しか見えなくなっている進を見かねたリーゼ。ライカが苦しめられてる怒りを押さえつけなんとか冷静さを保つ。


 「進! 焦っても仕方がないわよ! そんな奴、貴方なら一撃でしょう?」


 「でもライカが!」


 「私のことは……気にしなくていいから! 早く……この生意気な女を殺して!」

 ライカの悲痛の叫びだった。自分に毒を盛った奴を自分で手を下せないのには悔しさもあるだろう。

 しかしそれ以上に、ライカにはステファニーを殺して欲しい人が居た。



 「進。私も加勢するわ。あの獣に牽制をかけさせなさい。そして私と進で追い詰めていけば、必ず隙が生まれるはずよ」

 リーゼは少しでも足の震えを止めようと進の袖を掴んでいう。


 「わかった。時間がない、急ぐぞ」

 進は再びフレイザーを構える。攻撃速度を速くし尚且つ精度の高い技。


 やはり、こういう敵は厄介だ。だが、相手の攻撃はそこまで威力はない。魔力を体全体に覆った状態なら恐らくダメージを負わない。それはここまで戦ってなんとなくわかった。そしてリーゼの言う通り、俺の攻撃なら恐らく一撃でも与えれば致命傷となるだろう。ラマック攻撃もかなり効く筈だ。本来なら苦戦するような戦力差ではない筈だが、それが油断や怠慢へと繋がったか。

 まず3人で攻撃した時にもっと進がステファニーの意識を引きつけていたらライカの攻撃で殺せていたかもしれない。


 かなり慣れてきていた筈だったが、未だ人を殺すのに少し躊躇いがあったか。


 「風操術剣(マニピュレイトソード)改!!!」

 リーゼによる会心の一撃。暴風を纏った無数の剣がステファニーを襲う。


 「ふふ♡いいわ、もっと楽しませて♡」

 ステファニーは回避しながら精霊とダインスレイヴで器用に弾く。その洗練された短剣の技術はライカを上回っている。


 しかし、


 「闇炎剣(オプスクーリタース)!」


 「クッ……」

 完全にステファニーがリーゼの攻撃に手一杯となっている状態での進の一振り。さすがにこれは当たったようで体を曲げて直撃は避けたようだが、服の裂けた腹部からは赤い液体が見えた。


 ステファニーは即座に精霊と左手のダインスレイヴでガードしながら右手を腹部に当て回復魔法を展開する。


 この機を逃す訳もなく、進は追い討ちにかけにいく。しかしその瞬間。


 「崩……壊(カタリュシス)


 「ライカ!!」


 生きるか死ぬかの状態のライカによる魔力封じ。自分より魔力量が低い場合魔力を使わせなくさせるかなりチート技。これ最初から使うべきだったんじゃ? とは思いつつも、苦しい中で放ってくれたライカの決死の魔法に感謝する。

 それによりステファニーは回復魔法を含め魔力を必要とする攻撃を封じられた。


 「ふふ♡ちょっとだけ、貴方達に対して怒りが湧いたわ」

 と、さっきまでの余裕の表情に少しだけ鋭さが増した。


 「すぐに話す余裕も無くしてやる!」

 進が一気に畳み掛けようとすると


 「ふふ♡素敵だけど、これは少し分が悪いようね。一旦引くとしましょう」

 そういうとステファニーは、屋根の上へ跳躍する。


 「待て!」

 進はステファニーを追おうとするが、リーゼに肩を掴まれる。


 「そんなことよりライカが!」

 リーゼは必死の形相でいう。


 「そうだな……冷静じゃなかった。……とにかく早く治そう」

 進とリーゼは急いでライカの元へと駆け寄った。

 ライカは毒を盛られている状態で無理して魔法を使った反動でか気を失っていた。


 すぐさま、進の悪魔の魔力ではなく、神聖な神に授けられた魔力によってライカの解毒を図る。悪魔の力では自身の回復は出来るが、悪魔以外に使うとむしろ毒となる。


 流石に神に授けられた魔力というだけあり然程解毒は難しくなかった。


 「よし、これで大丈夫だ。しばらく寝かせてあげれば大丈夫だと思う。……ライカには謝らなくちゃな。ライカがステファニーの攻撃を喰らったのは俺の失態でもあるわけだし」


 「それを言うなら私もよ。最も、本人はそうは思ってないと思うけどね」

 リーゼの少しだけ笑みを浮かべた表情が、裏路地に差し込む朝日に照らされていた。


 「かもな。さて、クレアも待ってることだし、帰るとしよう」

 そういって、進はライカを担ごうとする。

 流石にライカだって女性だ。しかもかなり恵まれた体の。それを見て進が何処から担ごうとあたふたしていると、


 「貴方、ライカを担ぐからって変なこと考えてないでしょうね?」

 リーゼが疑惑の眼を進に向ける。


 「い、いや、まさか。ライカは大切な仲間だぞ? そんな訳あるかよリーゼ」

 そういいながら、せかせかとライカを担ぐ進。


 「全く……」

 そうして3人は裏路地をでて、クレア達のいる自分達の街へと帰っていった。

 

  


 

はい。

前話投稿してから一週間以上が経っていますね。

経緯をお話ししますとシンプルなもので、

戦闘描写と思うと中々手が進まなかったのです。

はい。

本当に申し訳ありませんでした。ただモチベ上がらなかっただけですね。今日からめちゃくちゃ書くので許してください。

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